なるべく安全に、快適にツーリングを楽しむ為のコツや注意点を紹介します。
私は ツーリング初心者の頃、
・山道で車に煽られる。
・駐車スペースでトラブる。
・帰り道で寝そうになる。
・夜中に真っ暗な道をハイスピードで走る車にビビりたおす。
と、たいへんでした。
知識さえあれば、だいたい防げますよ。
ツーリングの お悩み解決シリーズ。
バイク ツーリング その3【知っておきたいポイントと注意点】
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事前に点検しておく。
ツーリング中にパンクしたり故障したりすると、予定が大幅にくるいます。
せっかくの計画が台無しです。
マスツーリング(複数人でのツーリング)だった場合、迷惑をかけてしまうことにもなります。
前日までに軽い点検を行いましょう。
最低限の点検内容として有名な言葉があります。
「ブタと燃料」
- 「ブ」ブレーキ。
- 「タ」タイヤ。
- 「と」灯火類。(ライト、ウインカー)
- 「燃料」ガソリン。電動バイクはバッテリー。
・ブレーキ。
軽く押し歩きをしながらブレーキが効くか確認。
ブレーキパッドの残量を確認。
ブレーキ液の量を確認。
・タイヤ。
タイヤに何か刺さったり挟まったりしていないか、ひどいヒビ割れがないか確認。
ホイールに歪みがないか確認。
空気圧 (タイヤに入っている空気の量) の確認。空気圧が低ければ空気を入れる。
・灯火類。
ブレーキをかけてブレーキランプが点くか確認。
ヘッドライト、ウインカー、ナンバー灯が点くか確認。
※ナンバー灯は、ナンバープレート上の白いライト。
・燃料。
当日でも構いませんが、どのぐらい残っているかは把握しておきましょう。
ガソリンスタンドには空気圧が計れる空気入れが置いてあります。
ただ、バイクには使いにくい(使えない)ことがあるので、よく使うガソリンスタンドの空気入れは、事前にチェックしておいて下さい。
詳細記事。
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いちばん最後にも詳細記事の一覧があります。
荷物の固定練習。
使ったことのないバッグや、初めて試す固定方法で荷物を積む場合は、一度練習しておくことをおすすめします。
簡単に固定できそうなバッグでも、
固定ベルトの長さが足りなかったり、逆に余ったベルトの処理が必要だったり等、やってみないと分からない事ってありますからね。
リュックやウエストバッグを使う場合でも、調節ベルトの使い方を事前に確認しておくほうが安心です。
バイクは曲がるときに傾けますから、リュックが体にフィットしていないと、ズレて肩から外れてしまう可能性があります。
ウエストバッグは外れることはありませんが、傾ける度に動くと不快ですし、動くバッグに気を取られてしまうと運転に支障が出るかもしれません。
プロテクター入りの冬用ジャケットだと、ベルトの長さが足りないということもあり得ます。
なるべく前もって確認するようにしましょう。
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休憩について。
よく言われているのが、「1時間に 1回程度 休憩を入れる」
初心者はもちろん、慣れている人でも なるべく守っていただきたい言葉です。
帰り道ならともかく、行きは 2~3時間走っても しんどくないよ?
体は疲れていなくても、集中力が持たない可能性があるんです。
集中力が失くなってくると、
・危険の察知が遅れる。
・ブレーキの反応が遅れる。
といったような弊害が起こりやすくなります。
疲れていなくても、定期的に休憩を取るようにして下さい。
初心者の場合「運転に集中し過ぎて 疲れに気付きにくい」というパターンもあります。
疲れに気付かないまま単調な道を走っていると急に眠くなることがあります。
※体験談。
信号の少ない道は眠くなりやすい。
高速道路や郊外の道、特に真っ直ぐな道が眠たくなりやすいです。
直ぐに出来る主な対処方法は、
・止まれそうな場所を見つけたら、止まって休憩する。
・バイク上で体を動かす。
・深呼吸をする。
体を動かすと眠気は軽減されます。
バイクから降りて、グローブを外して、ヘルメットを取って・・・とやっている内に眠気が消えることもあります。
高速道路などで直ぐに止まれないときは、
深呼吸をして、少しでもいいので体を動かします。
例えば、
・座る位置を前寄り、後ろ寄り、真ん中と変えてみる。
・上半身を伏せ気味にしたり、起こしたりする。
・首の凝りをほぐすように首を左右に傾ける。
フルフェイスヘルメットの場合、深呼吸するときにシールドを少し開けて空気を入れると更に効果的です。
バイクから降りる瞬間は要注意。
思った以上に疲労がたまっていて、足を着いて降りようとしたときにフラついてしまう。
経験したことがある人もいるのではないでしょうか。
特に、前傾姿勢のバイク (ニーグリップで上半身を支えるバイク) は、脚が疲れやすくなります。
下り坂を走った直後も気をつけなくてはなりません。
下りで体が前に行かないようにニーグリップで支えると、脚に大きな負担がかかります。
普段シートバッグを使っていない人が、ツーリングのときだけシートバッグを使うと、降りるときにシートバッグの存在を忘れていて 蹴っ飛ばしてしまうこともあります。
ただ足が当たっただけなら笑い話で済みますが、バランスを崩して転けてしまうと怪我をするおそれもあるので気を付けるようにして下さい。
サイドスタンド コンコン。
サイドスタンドが付いているバイクは、降りる前に出しておくと、転倒するリスクを大きく下げることが出来ます。
サイドスタンドが最後までしっかり出ていなかった場合、バイクの重さで動いてしまって転倒することがあります。
中途半端な位置で止まっていないか確認する有名な方法があります。
サイドスタンドを出した後、その状態から追加で 1~2回「コンコン」と軽く叩いて確認する。
昔から伝わる豆知識のひとつです。
駐車場所について。
バイク専用の駐車スペースがないときは、出来るだけ車のジャマにならない場所に駐車することをおすすめします。
バイクを目の敵にする人、自転車と同じようなものと思い込んでいる人が存在します。
残念ながら存在します。
法律上こちらが正しくても、そんなの関係なくキレてきたりします。
無用なトラブルを避ける為に、車が駐車しそうな場所は出来る限り避けるのが賢明です。
避けようがない場合も、なるべくジャマになりにくそうな場所に停めておくのが無難です。
私が初めてのツーリングで立ち寄った とあるお店は、バイク用の駐輪場所がありませんでした。なので駐車場の端にバイクを停めました。
気を遣って端のほうに停めたのに、戻ってみると覆い被さるように車を停められていました。
車がジャマでバイクを動かせない状態です。
他に空いている場所がいっぱいあるのに、わざわざバイクが出られないように斜めに停められていました。
こんなことをする人がいるんですよ。
それ以来、車用の駐車場所には極力 駐車しないようにしています。
坂道での駐車。
MTバイク(ギアチェンジ出来るバイク)の場合、ギアをニュートラル以外に入れます。通常は 1速に入れておきます。
駐車するときギアがニュートラルだと、リアタイヤは回ります (バイクが動きます)。
ニュートラル以外にしておくと、リアタイヤは回らずバイクが動きません。
※正確には ほんの少しだけ動きます。
少しだけ動くので、完全に止まるまで動かしてからサイドスタンドを出して下さい。
ただ、たまに問題が発生します。
停止しているバイクはギアチェンジ出来ない (非常に入りにくい) ことがある。という問題です。
対処方法は、
クラッチレバーは引かずに、バイクを前か後ろに10~20cmほど動かしながらギアチェンジする。
最初からチェンジペダルに下向きの力を入れておき、バイクを少し動かすと簡単に 1速に入ります。
※あまりないとは思いますが、2速に入れたいときは上向きに力を入れておく。
リアタイヤが動いているときにペダル操作をする。というのがポイント。
クラッチレバーは引かなくていいの?
エンジンが停止しているバイクは、クラッチレバーを引かないほうがギアチェンジしやすいですよ。
スクーターなど ATバイクの場合。
スクーターなどのオートマ車での坂道駐車は、ブレーキをかけての駐車となります。センタースタンドしかないバイクで後輪が浮く場合もブレーキをかけておくほうが安心です。
駐車専用の「パーキングブレーキ」が付いている車種ならパーキングブレーキを使います。
パーキングブレーキの付いていない車種は、何らかの方法でブレーキを固定しなくてはなりません。
ヒモやヘアゴムなどでブレーキを固定する。という方法もありますが、
「ブレーキロック」「フロントブレーキロック」と呼ばれる専用品を使うのが定番の対処法です。
アラーム付きや、鍵付きでロックすることが出来るフロントブレーキロックもあります。
パーキングブレーキだけでなくイタズラ防止にも役立ちます。
※物凄く簡単に あっという間に無効化できるので、防犯用として頼りきることは出来ません。
初心者が山道を走るときのコツ。
日本は山が多く、ツーリングで遠くに行こうとすると「山越え」で山道を走る機会が非常に多いです。
ソロと 2人以上のツーリングで、押さえておきたいポイントは変わります。
ソロツーリングで覚えておいてほしいポイントは 「直線で道を譲る」
マスツーリング (複数人でのツーリング) で覚えておいてほしいポイントは「車間距離を一定に保とうとしない」
※マスツーリングで道を譲る方法は、前もって決めておくようにして下さい。
順番に、もう少し詳しく説明していきます。
直線で道を譲る。
カーブで追い越しをするのは危険なので、基本的に追い越しは直線で行います。
速そうな後続車が現れたときは、頑張って早く走ろうとするよりも、道を譲るほうが精神的に楽です。
「カーブでは怖くてスピードを上げれないから、頑張って直線でスピードを上げる」
なんてことをやってしまうと、後続車は直線で追い越しが出来なくて、イライラさせてしまうおそれがあります。
後ろに速い車やバイクが現れたときは、対向車のいない直線で道を譲るのがベストです。
左ウインカーを出して左に寄りつつ減速すると、後続車も追い越しやすくなります。
車間距離を一定に保とうとしない。
初心者は、前のバイクとずっと一定の距離を保って走りたいと思いがちです。
しかし、ブレーキをかけるポイントもアクセルを開けるポイントも前のバイクのほうが少し早くなるのですから、車間距離は変化するのが正解です。
例えば 減速が必要なカーブでは、
手前でしっかりと減速。
アクセルを少し開けながら曲がっていく。
最後はアクセルを開けて加速していく。
という流れになります。
前のバイクがブレーキをかけ始めたとき、こちらはまだブレーキをかけていないので、車間距離は縮まります。
前のバイクがアクセルを開けて加速していったとき、こちらはまだアクセルを開けていないので、車間距離は開きます。
夕方、夜間走行での注意点。
まず前提として、
ツーリング初心者は 暗くなるまでに帰宅する、もしくは暗くなるまでに街中に戻ってくる(※)のがおすすめです。
※街中は街灯が多くて明るい為。
可能であれば、夕方、夜に走らなくてすむように予定を組んで下さい。
夕方と夜間で気を付けたいポイントが違うので、順番に説明していきます。
夕方に気を付けること。
警察庁が公表している統計によると、死亡事故は夕方 5時~7時の間が最も多くなっています。
歩行者と車の衝突事故が半数近く。
昼間に比べて 3倍以上の事故が起こっています。
参考:警察庁 薄暮時間帯における交通事故防止 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/hakubo.html
車より小さいバイクは、実際よりも遅く走っているように見えることがあります。
また、バイクに乗らない人はバイクの出だしの加速力が優れていることを知らない可能性が高いです。
暗くなり始めの時間帯は、歩行者も運転者も目が暗さに慣れていません。
どちらも発見が遅れるかもしれないと考えて穏やかな運転を心掛けましょう。
夜間に気を付けること。
山道や郊外の道は、街中より街灯が少ないことが多いです。
そして、街中よりも路面が荒れていることがあります。
山道では、落ち葉や落石が道路上にあるかもしれませんし、動物が道路上に出てくることもあり得ます。
バイクは「顔を上げて進みたい方向を見る」というのが基本の走り方です。
しかし、灯りの少ない暗い道を走行する時は、路面状況の確認も ある程度は行ったほうがいいでしょう。
バイクのヘッドライトは、車のライトよりも照らせる範囲が狭いです。
街灯の少ない暗い道では、車よりもペースが遅くなる可能性が高くなります。
慎重な夜間走行で ゆっくり走っているときに後続車が現れた場合は、ウインカーを出して少し左に寄りつつ減速して道を譲ります。
道幅にもよりますが、路面が見えにくい状況で いちばん端のほうまで行くのは危険なので、少し左に寄るぐらいにしておきます。
追い越しが困難な狭い道では、安全に止まれそうな所で停止して先に行かせます。
給油のタイミング。
余裕をもって早めに給油する。これにつきます。
たとえ確実な給油ポイントが先にあっても、燃料が少なくなってくると焦ります。
焦りで運転に支障が出るかもしれません。
給油を先延ばしにすると「焦り」という精神的な問題も生じてくるので、早めの給油を心掛けましょう。
ガス欠になってしまったら。
まず、バイクを道路の端などジャマにならない場所に止めます。
スマホで近くのガソリンスタンドを検索。
バイクを押して行けそうな距離であれば押してガソリンスタンドまで移動。
押していくのが辛い距離であれば、歩いていってガソリン携行缶(※)を借ります。
ただし、店によっては借りられない場合があります。
ガソリンを届けてくれる店もあるので、事前にお店に確認して下さい。
※ガソリン携行缶:ガソリンを入れて運ぶことが可能な入れ物。
消防法令でガソリン携行缶以外の入れ物を使うのは禁止されています。
重たいので、非力な人は持って歩いていけるかよく考えて下さい。
ガソリンスタンドが近くに無い場合は、ロードサービスを呼ぶことになります。
事前にスマホの連絡先に電話番号を登録しておけば、書類を取り出して確認しなくて済みます。
高速道路でのガス欠は違反。
高速道路でのガス欠は、道路交通法第75条の10により違反となります。
違反点数:2点。
反則金:二輪車 7,000円。普通車 9,000円。大型車 12,000円。
高速道路ではガス欠にならないように努めるのが義務となっています。
やむを得ずガス欠になってしまったときは、左端にバイクを止めて停止表示板を設置。
ガードレールの外に出て高速道路に設置されている緊急用の電話で管理会社に伝えます。
参考:道路交通法 第四章の二 高速自動車国道等における自動車の交通方法等の特例 第三節 運転者の義務 (自動車の運転者の遵守事項)第七十五条の十
所長から一言。(まとめ)
前日までにバイクの点検と、荷物の固定練習。
疲れを感じていなくても 1時間に 1回ぐらいの休憩。
眠くなったときは止まって休憩。
すぐに止まれないときは体を動かす。深呼吸をする。
山道で速い後続車が現れたときは、直線で道を譲る。
前のバイクとの車間距離は変化するもの。無理して一定の車間距離をキープしようとしないこと。
給油は余裕を持って早めに行う。
高速道路のガス欠は道路交通法違反。
今回の詳細記事 一覧。
ツーリングの お悩み解決シリーズ。
バイク ツーリング その3【知っておきたいポイントと注意点】
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