古いバイクならともかく、最新のバイクに車載工具って必要なの?
(ぶつかると緩む仕組みになっている) バックミラーを締め付ける工具ぐらいは持っておきたいところ。
伝統的なスタイルのバイクはプラスドライバー、
最近のバイクは、六角レンチが使われている場所も多いです。
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最低限のセット内容。
- 六角ボルト用工具。
8、10、12、14mmを回せる工具。 - 六角穴付きボルト用工具。
4、5、6mmが入っているセット。 - プラスねじ用工具。
サイズは 2番。
日本メーカーの一般的なバイクで最低限必要なのは、上記の 3種類です。
※車種によって必要な工具は微妙に変わります。
自分のバイクに合わせて微調節してください。
例えば、ミラー調節に17mmの工具が必要な場合がよくあります。
※外車は、トルクス、ポジドライブ、インチ工具など特殊な工具が必要な場合があります。
バイク屋で確認してください。
ハーレーは「ハーレー用の車載工具セット」がバイク用品メーカーから販売されています。
その他の定番 車載工具。
- マイナスドライバー。
- プラグレンチ。
- モンキーレンチ。
- プライヤー。
- 針金。
- ガムテープ。かさ張るので、厚紙などに巻いておく。
スマホホルダーなど後付けの汎用品は、固定しているネジが緩むことがあります。
スマホホルダーを固定しているネジに合った工具もあると安心です。
続いて、それぞれの工具について基本情報です。
分かっている情報は飛ばしてください。
六角ボルト用の工具。
上:コンビネーションレンチ。
下:スパナ。
六角ボルトを回せる工具は色々ありますが、車載工具では、コンパクトでかさ張らない「スパナ」「コンビネーションレンチ」が主流です。
バックミラーは、スパナやコンビネーションレンチじゃないと締め付けできないものが多い。というのも、車載工具にスパナやコンビネーションレンチが よく使われる理由のひとつです。
スパナとコンビネーションレンチの違い。
- コンビネーションレンチは、同じサイズ 2つの組み合わせ。
- スパナは違うサイズ 2つの組み合わせ。
本数を減らしたければスパナがおすすめとなります。
コンビネーションレンチのメガネ部分 (丸い部分) は強い力を入れても外れにくいという利点があります。
強い力を入れたときに工具が外れると、ボルトを傷めてしまうおそれがあります。
バイクによく使われている六角ボルトのサイズ。
8、10、12、14、17、19mm
そして、ホイールを固定しているアクスルシャフトのナット(タイヤの中心のナット)のサイズ。
※アクスルシャフトのナットのサイズは車種によって違います。ホイール前後で違う場合もあります。
車載工具として最低限の六角ボルト用工具は、
- 8mm、10mmのスパナ。
- 12mm、14mmのスパナ。
※ミラー調節に17mmのスパナが必要な場合があります。事前に計っておいてください。
スペースに余裕があるなら、17mm、19mm用の工具も入れておけば完璧です。
17mm以上の大型のメガネレンチ、又はコンビネーションレンチで、曲がったレバー、ペダルを直せる可能性があります。
メガネ部分 (丸い部分) を通せれば、テコの原理を使って曲がりを修正できます。
曲がったレバー、ペダルの応急処置。
- 画像 左:引っ張るだけだと大きな力が必要となり、細かい調節もやりにくい。
- 画像 右:工具の柄でレバーを押すようなイメージで動かすと、テコの原理が使える。
曲がり始めの部分にドライバーのグリップなどを当てておくと、仮の支点となって更に曲げやすくなります。
また、レバーの根本にばかり負担がかかるのを抑える効果も期待できます。
アルミのレバー(一般的なレバー)は折れやすいので慎重に。
ゆっくりゆっくり慎重に、操作可能な位置まで動かします。
折れやすいので、「操作できる位置まで」でOK。
曲がっていても操作できるなら、下手に動かさないほうが無難です。
最初からレバーの前の方に切り欠きが入っていて、転倒時に折れるレバーもあります。
曲がってしまうと操作できなくなることがありますが、レバーの前の方で折れることで、「折れてもなんとか操作できる」という状態にします。
・ペダル。
一部の車種で使われている鉄製のペダルは折れにくいですが、一気に強い力を入れるとペダルの付け根に負担がかかり破損するおそれがあります。
アルミのペダルは、レバーと同じく折れやすいので注意。
慎重に「操作できる位置まで」動かし、それ以上は下手に動かさないようにしてください。
バックミラーが逆ネジの場合。
スパナが 1本だけだと台座部分も一緒に回ってしまう「共回り」が起きて、しっかりと締め付けられません。
同じサイズの押さえ用工具が必要です。
押さえ用は、モンキーレンチなど別の工具にしたほうが、融通がききやすいので、別の工具にするのがおすすめです。
モンキーレンチ。
- ねじ (ウォーム) を回すと、
- 下アゴ (ボルトを挟む為の部品) が動く。
口 (ボルトを挟むところ) のサイズを無段階で調節できる工具です。
挟めるサイズであればどんなサイズのボルトでも回せます。
構造上、強い力をかけるときにガタつきが起こりやすいという欠点がある為、有名メーカーの製品にしておくのが無難です。
モンキーレンチのサイズ。
JIS規格のサイズ。
全長 | 対応ボルト |
---|---|
100 | 13 |
150 | 20 |
200 | 24 |
250 | 29 |
300 | 34 |
275 | 44 |
バイクによく使われるボルトは、8、10、12、14、17、19mm。
全長150mmでほとんどのボルトに対応可能です。
車載工具を入れるスペースが全くないバイクでも、150mmのモンキーレンチをバッグに入れておけば、簡単なトラブルに対処できます。
また、有名メーカーは、全長150mm以下で20mm以上のボルトに対応できる「ショートタイプ」「ショートワイドタイプ」のモンキーレンチを販売しています。
バックミラーが共回りするタイプなら、押さえ用としてほぼ必須。
ただし、モンキーレンチは頭 (ボルトを挟む部分全体) が他の工具より大型です。
スペース的にモンキーレンチが使えない場合は、スパナやコンビネーションレンチが必要です。
六角穴付きボルト用の工具。
六角穴付きボルトを回せる工具も色々ありますが、車載工具には、かさ張りにくい「六角レンチ」を使うのが主流です。
バイクによく使われる六角穴付きボルトのサイズ。
1.5、2、2.5、3、4、5、6、8、10mm
車載工具として最低限必要なサイズは、
4、5、6mm
六角レンチのセットには、だいたい入っています。
六角レンチは 2〜3本増えたところで あまりかさ張りませんから、ほぼ使うことはないだろう。というサイズ以外は揃えておくのが無難です。
プラスねじ、マイナスねじ用の工具。
プラスねじ、マイナスねじを回せる工具も色々あります。
車載工具にはシンプルな棒状の「ドライバー」を使うのが主流です。
グリップが大きくて握りやすい形状になっているほど作業がしやすくなります。
ただ、とうぜん かさ張るので、収納スペースが狭い場合は、グリップが小さい製品を選ぶようにしてください。
上:握りやすく力を入れやすいグリップ。
下:かさ張らないグリップ。
バイクでよく使われるプラスねじ、マイナスねじのサイズ。
- プラス。
1番、2番、3番。主に 2番。
- マイナス。
6 × 100mm。
クラッチレバーを固定しているボルトに合うサイズ。※ネジの溝の幅と厚みを計ってください。
マイナスドライバー。
JIS規格のサイズ。
刃厚 先端の厚み | 刃幅 先端の幅 | 軸の長さ |
---|---|---|
0.6 | 4.5 | 50 |
0.7 | 5.5 | 75 |
0.8 | 6 | 100 |
0.9 | 7 | 125 |
1.0 | 8 | 150 |
1.1 | 9 | 200 |
1.2 | 10 | 250 |
1.2 | 10 | 300 |
マイナスドライバーには、「6 × 100」など、幅と長さが書かれていることが多いです。
JIS基準の製品なら、幅と長さが分かれば、刃の厚みも分かります。
車載工具として最低限のドライバー。
プラスドライバー2番。
外車。
ハーレーに使われているボルト類は、日本メーカーのボルトと大きさが異なります。mm(ミリメートル)ではなく、「インチ」を基準に作られています。
一般的な工具とは別の工具、通称「インチ工具」が必要となります。
「ハーレー用の車載工具セット」というそのものズバリな製品がバイク用品メーカーから販売されています。
トルクス。
- 六角レンチと六角穴付きボルト。
- トルクスネジとトルクスレンチ。
ハーレーやBMWには、「トルクスネジ」という六芒星型の特殊なネジが使われることがあります。
ネジ側が出っぱっている「E型トルクス」というネジが使用されていることもあります。
サイズ表記が独特でちょっと分かりにくい為、必要サイズは購入したバイク屋で聞くのがおすすめです。
ポジドライブ。
- 左:プラスネジ。
- 右:ポジドライブ。
プラスネジの代わりに、「ポジドライブ」というネジが使われることがあります。
欧州で主流のネジで、ポジドライブドライバーなど専用の工具が必要です。
日本では普及していないネジなので、必要サイズは購入したバイク屋で聞くのがおすすめです。
各工具の詳しい情報は、こちらをご覧ください。
全て別タブで開きます。
いちばん最後にも関連記事の一覧があります。
プラグレンチ。
スパークプラグを回す為の工具です。
単体で使用する「プラグレンチ」と、
ラチェットハンドル (ソケットレンチ) に付ける「プラグ用のソケット」があります。
プラグレンチは昔の車載工具には たいてい入っていました。
現在のバイクでは、ほとんど出番はありません。
ただし、古いバイクの場合は、「プラグを外して汚れを取る、汚れを拭く」という作業をする可能性があります。
バイクによく使われるサイズは、
14、16、18、20.8mm。
自分のバイクに使われているプラグのサイズを計るか、バイク屋に聞いてください。
※六角形の部分の幅を計ります。
プラグがかなり奥まった場所にあるバイクもあります。
事前に確認しておき、アクセス可能な形状のプラグレンチ、もしくはソケットを購入してください。
コンビネーションプライヤー。
- 口 (挟む部分) が閉じた状態。
- グリップを90度ぐらい開くと、
- 軸をスライドさせることが可能。
- 口の開きが大きくなる。
ペンチのように何かを挟む工具全般をプライヤーと言います。
車種工具によく入っているのは、挟む大きさを 2段階に変えられる「コンビネーションプライヤー」
補修用に「針金」を持っていく場合、プライヤーがあると、切断したり、キツく結ぶことが出来て便利です。
コンビネーションプライヤーの一般的なサイズは、全長150mmと200mm。
- 上:150mm。
- 下:200mm。
車載工具を入れるスペースが狭い場合は、とうぜん150mmが向いています。
ラチェットハンドル。(ソケットレンチ)
- ラチェットハンドル。
- ソケット。様々なサイズ、種類があります。
- ヘッド。
- 柄。
- グリップ。
ラチェットハンドルは、先端部分 (ソケット) を付け替えて様々なネジを回すことができる工具です。
奥まった場所や狭い場所でも使える色々なアダプターもあります。
ラチェットハンドルのメリット。
- 作業効率が良い。
- 奥まった場所にも使える。
- 綺麗に収納しやすい。
ラチェットハンドルのデメリット。
- かさ張る。
- バックミラーなど使えない場所がある。
ラチェットハンドル自体がスパナやコンビネーションレンチに比べて大きく、更に各種ソケットが必要となり かさ張ります。
- 上:195mm。ラチェットハンドル。
- 中:145mm。ラチェットハンドル。
- 下:140mm。JIS規格スパナ。対応ボルト12、14mm。
車載工具には小型の製品がおすすめですが、全長が短すぎると、強い力を入れることが出来ません。
14mmに使うスパナが全長140mmですから、ラチェットハンドルも全長140mmぐらいは欲しいところ。
小型のスイベルタイプがおすすめ。
立ててドライバーのように使うことも出来るスイベルラチェットハンドル。
作業効率が上がりますし、ジャマなパーツを避けて回すこともできます。
ラチェットハンドルの詳しい情報はこちらをご覧ください。
ガムテープ、針金。
ガムテープは厚紙などに巻き付けておくと かさ張りません。
針金を切断したり、巻いて固定したりするときの為に「プライヤー」があると便利です。
※格安プライヤーは、針金を切断する「ワイヤーカッター」機能が付いてないことがあります。
商品説明や仕様で確認してください。
主な用途は、転倒して折れたレバーや割れたカウル、ウインカーカバーなどの補修です。
簡易的な補修しか出来ないので、なるべく早く完全に直すようにしましょう。
透明の梱包テープ。
ライトやウインカーの補修にガムテープを使った場合、気を付けないと明かりを遮ってしまうおそれがあります。
透明テープなら気にせずに貼ることが出来ます。
個人的には、ガムテープより、透明の梱包テープがおすすめ。
車種工具の品質。
- 上:14年前の車載工具のスパナ。
- 下:14年以上前に買ったKTCのスパナ。
車載工具は簡易的な作りのものが多く、錆が発生しやすいという特徴があります。特にメッキ処理がされていない場合は錆びやすいです。
車載工具はバイクに入れっぱなしなので、梅雨の湿気、夏の高温多湿、冬の結露など保管環境もよくありません。
1年に 1回ぐらいは、様子を確認しましょう。
また、手汗の塩分でも錆びやすいので、使ったあとはタオルで拭いておくことをおすすめします。
工具のお手入れは、基本「乾拭き」です。
より詳しい情報はこちらをご覧ください。
おすすめの車載工具セット。
色々なバイク用品メーカー、工具メーカーが車載工具のセットを販売しています。
大まかに分けると、
・バイク用品メーカーは、低価格、コンパクト。
・工具メーカーは、高価格、高品質。
といった特色があります。
デイトナ:車載工具、車載ツール
工具の総数で 3種類。
- 車載工具Aセット:14ピース。
- 車載工具Bセット:17ピース。
- 車載ツール:24ピース。
ただし、24ピースは補助用です。販売しているデイトナも「車載工具と一緒に持っておくと〜」といった説明をしています。
品質はそれなりですが、価格帯は低め。
車載工具には高品質を求めていないという人に おすすめ出来るセットです。
14ピース収納サイズ:225 × 115 × 30mm
17ピース収納サイズ:250 × 120 × 40mm
キタコ:携帯ツールセット
2種類あります。
- ラチェットハンドル付き。
- ラチェットハンドル無し。
早回しがしやすい「T型スライドハンドル」斜めでも回せる「ボールポイント六角レンチ」など、作業効率を重視した組み合わせ。
スパナ 2本、六角レンチ 3本と、サイズの総数は少なめ。車種によっては工具を足す必要があるかも。
収納サイズ:170 × 80 × 50mm
KTC:ライダーズメンテナンスツールセット
通常のメンテナンスでも使える高品質のセット。
価格は高め。
携帯性を重視して、ラチェットハンドルのドライバー版「ラチェットドライバー」を採用。
早回しがしやすい「T型スライドハンドル」肉抜きグリップで軽いモンキーレンチなど、作業性にも配慮した製品。
※商品説明で「クロス」と書かれているのは、プラスねじ用です。
ケース折りたたみ時サイズ:260 × 125 × 70mm
デイトナ:ハーレーダビッドソン用車載インチ工具セット
ハーレーによく使われる工具をまとめたセット。
車載用としては十分な内容です。
Amazon記載の梱包サイズ:189 x 131 x 35mm
色々なメーカーを比較したい方は、こちらをご覧ください。
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