複数人でのツーリングをマスツーリングと呼びます。
※マス (mass) は大量という意味がありますが、2~3人でも便宜的にマスツーリングと呼んだりします。
ちなみに英語では、Motorcycle rally (モーターサイクルラリー)と呼ぶのが一般的です。
みんなに ついて行けるか不安なんだよね。
マスツーリングの計画は、いちばん経験の浅い人に合わせた内容にするのが基本です。
不安要素は前もって伝えておくといいですよ。
バイクショップなどが主催するツーリングでは、目的地やルートが事前に公開されていることもあります。
Googleマップの航空写真や、ストリートビューで山道の道幅や路面状態を確認して、自分でも走れそうか確認しておくと安心です。
今回は、マスツーリングに参加する前に知っておきたい注意点、押さえておきたいポイントを解説します。
ツーリングの お悩み解決シリーズ。
バイク ツーリング その3【知っておきたいポイントと注意点】
バイク ツーリング その6【マスツーリングの注意点】
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目的地やルート確認などの事前準備。
仲の良いベテランさんに全てお任せ。
といったパターンでもない限り、知っておける情報は事前に確認しておきましょう。
例えば、
・所要時間。
・目的地。
・走行ルート。
・休憩地点。
・給油地点。
・天気予報。
ルートが分かっている場合、マップアプリなどで確認しておくことをおすすめします。
クネクネの峠道を走るルートだった場合、初心者には辛いでしょう。
高速道路を沢山使うルートだった場合、小排気量のバイクは辛い可能性があります。
たとえ100km/h走行が出来たとしても、アクセルを大きく開けなければならず、エンジン音も振動も大きくなり、精神的に疲れます。
マップアプリにルートを保存しておけば、赤信号で自分の目の前で分断されてしまったときでも焦らずにすみます。
持ち物の使い方の予習。
使ったことのない装備品やバッグ類は、一度は実際に使っておくべきです。
ありがちなのが、
- レインウェアのパンツを穿こうとしたら、靴が引っ掛かって穿けない。
- バッグの取り付けは簡単だったが、取り付けベルトが余って風でバタつく。
- 防犯アラームの解除に手間取ってアラームを鳴らしてしまう。
ちなみに、全て私の体験談というのは内緒ですよ。
バイクの点検。
ソロツーリングのちょっとしたトラブルは、良い想い出になったりしますが、マスツーリングでは参加メンバーに迷惑がかかってしまいます。
最低限の点検はしておきましょう。
最低限の点検。
合言葉は、「ブタと燃料」
- 「ブ」ブレーキ。
- 「タ」タイヤ。
- 「と」灯火類。
- 「燃料」ガソリン。電動バイクはバッテリー。
ロードサービスの大手「JAF」が公開している出動理由の第一位は「バッテリー上がり」
上記「ブタと燃料」に加えて、バッテリーの点検もしておくことをおすすめします。
エンジンがかかりにくい等の症状が出ている場合は、
・バッテリー充電器で充電しておく。
・ガソリンスタンドやバイクショップで充電してもらう。
といった対策を行って下さい。
バッテリーを 3~4年使っていて、そろそろ寿命が来そうなときは、「ジャンプスターター」があると安心です。
ジャンプスターターは、バッテリーが上がった車やバイクのエンジンを始動させることが出来るアイテムです。
インカムを使う場合、使い方を調べておく。
ほぼ全ての人が同じメーカーのインカムを使っている場合は、「ペアリング」という作業を行って会話できるようにします。
違うメーカーのインカムを使っている人が多い場合は、スマホとBluetooth接続して「LINE通話」で会話を行うのが定番です。
説明書を見て、ペアリングの方法・Bluetooth接続の方法を調べておくと、当日のセッティングがスムーズに行えます。
詳細記事。
全て別タブで開きます。
いちばん最後にも詳細記事の一覧があります。
集合時の注意点。
- 遅刻しない。
- ガソリン (電動バイクはバッテリー) は満タンにしておく。
- ETC、インカムの有無と対応方法を再確認。
順番に説明していきます。
遅刻しない。
あたりまえのことですが、出来る限り遅刻はしないように。
・何かのトラブルで遅れてしまったとき。
すぐ連絡できるように、主催者やリーダーの連絡先をスマホに登録しておきましょう。
後日、お礼やお詫びをすることも忘れないように。
ガソリン (電動バイクはバッテリー) を満タンにしておく。
集合場所に向かう前に満タンにしておきます。
初心者の方は、前日までに満タンにしておくと、当日余裕を持って出発できます。
ベテランにとっては、当たり前のことすぎて説明されないかもしれませんので、忘れないようにして下さい。
ETC、インカムの有無と対応方法を再確認。
ETC、インカムを持っている人と持っていない人が一緒に走る場合、何らかの対応策を考える必要があります。
前もって決まっていて、事前に対応策を聞けるなら聞いておきます。
・再確認。
本人は分かっていても、他の参加者が分かっていないと混乱を招くことがありますから、集合場所でも改めて確認しておきます。
・ETCを装着している人も話を聞いておく。
「ETC装着組は、料金所を出たところで待つ」といった対応がとられることもあります。
自分に関係ないと思わずちゃんと話を聞いておきましょう。
千鳥走行の注意点。
- 画像 上:走行時。
- 画像 下:停止時。
前の人の真後ろではなく、斜め後ろを走るのが「千鳥走行」です。
一列になるよりも、全体の車列が短くなります。
車列が長いほど周りの車が車線変更や追い越しをしにくくなるので、周りに配慮した走行方法と言えます。
走行している側は、
・前方が見えやすい。
・バックミラーに後ろのバイクが映りやすい。
といった利点があります。
停止時は、詰めて 2列に。
詰めないと後続車から「詰めろよ」というプレッシャーをかけられることがあります。
全く知らないバイクが たまたま 3台ぐらい固まったときも、ある程度は前に詰めないと、後ろから「詰めろよプレッシャー」を感じますよね。
※個人の体感です。
停止時のことまでは説明が無いこともあります。
その場で周りの人に合わせればいいのですが、不安なら事前に聞いておいて下さい。
片側 一車線は違反という意見も?
道路交通法の第十八条で、
「車両通行帯(※) の無い道路では左寄りを走るように、原付や自転車は左端を走るように」と定められています。
※車両通行帯:2車線以上の道路で、車線を区切る為に道路上に描かれた線。よくある白線、オレンジ線、白の破線のことです。中央線(センターライン)は別です。
千鳥走行をすると、右側を走るバイクが違反となってしまいそうです。
しかし、道路交通法の第十八条には「右折」などの前や、やむを得ないときは例外とする一文もあります。
道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
引用:道路交通法、第三章 車両及び路面電車の交通方法、第一節 通則、(左側寄り通行等)第十八条
千鳥走行や左側寄り通行(キープレフト)について調べると、警察関係者の話がいくつか見つかります。
周りの交通状況を鑑みて判断、左側寄り通行をしていないからといって即違反とはならない。という見解です。
実際のマスツーリングでも、道路の幅、路面状態、前方の見通しの良さなど、状況に応じて千鳥走行と一列走行を使い分けるのが定番となっています。
参考リンク:e-Gov 法令検索。 検索ボックスから「道路交通法」で検索。
千鳥走行 解除のタイミング。
カーブの多い山道や狭い道、見通しの悪い道では、一列で走ります。
集合時に説明があったり、「ここは 一列で」等の呼びかけがあったりするとは思いますが、もし前もって説明がなくて不安に感じたら、事前に聞いておきましょう。
ミラーを見つめ過ぎないように。
前を走るバイクのバックミラーに「前の人の顔」が映っていれば、前の人から貴方が見えている。
千鳥走行での位置を決める際の有名な言葉です。
しかし、気にし過ぎて小さいミラーばかり見ていると、周りの状況確認が疎かになってしまいます。
速度が上がれば車間距離は広がります。広げなければ危険です。
遠くにあるミラーに顔が映っているかは ちょっと確認しにくいです。
ミラーにこだわるよりも、車間距離を目安にするほうが結果的には安全に運転できます。
もちろん余裕がある時は、ミラーを確認しても構いません。
人数が多いときは、いくつかに分かれる。
20人、30人といった大人数になってくると、千鳥走行をしても車列はかなり長くなります。
周りの車が車線変更や追い越しを出来なくなってしまうおそれがあります。
・いくつかのグループに分けて走行。
・休憩場所で合流。
というのがよく行われる手法です。
ベテランライダーの人数が少ないと、ベテラン無しのグループが出来る可能性があります。
・何かトラブルが起こったら、止まれそうな場所ですぐに止まる。
・そして皆で相談する。
・主催者やリーダーに伝える。
など、あらかじめ決めておくと安心して走れます。
ハンドサイン。
インカムを持っていない人の為、もしくはインカムの故障やバッテリー切れに備えて、手を使った簡単な合図を決めておく。
これがハンドサインで、マスツーリングではよく行われます。
基本的に「左手」を使います。※アクセルを戻さなくてすむ為。
初心者でも、自分の後ろに伝わっていないようなら、ハンドサインを出さなければなりません。
軽くイメージトレーニングをしておくと、いざ実践となったときに多少の余裕が持てます。
インカムの普及で必要性は減ってきています。
ただ、インカムのバッテリー切れや、雨で故障は あり得ることなので、決めておくほうが無難です。
赤信号などで分断されたとき。
後ろの人が焦って着いてこないように、あらかじめ対処法を決めておくのが一般的です。
ベテランさんが多いと説明が無い可能性もあります。
もし、集合場所で分断されたときの説明が無かったときは、自分から聞くようにして下さい。
無理して着いていくのは危険です。絶対に無理はしないように。
主な対処法。
先行しているグループが、どこかで止まって待つのが基本です。
- 止まれそうな場所ですぐに止まって待つ。
- 休憩場所で待つ。
- ベテランさん ひとりだけ路肩などに止まって待つ。
- 曲がり角の少し手前で待つ。
※大勢止まれないときはベテランさん ひとりが止まって待つ。
車線変更したい車が車列の途中に入りそうな場合。
初心者の前に車が入ってしまったら、焦ってしまう可能性が高いです。
出きるだけ初心者以外の人達が減速して、車を入れてあげるようにして下さい。
初心者の前で分断されてしまったとき。
高速の合流など、すぐに止まれない場所で分断されると、初心者が長い距離を先頭で走らなければなりません。
初心者が焦っているようなら、誰かと順番を替わるようにして下さい。
基本的には斜め後ろか、真後ろの人と交替します。
どちらと交替するかは最初に決めておきましょう。
交替するときの動きも決めておくとスムーズに動けます。
千鳥走行で斜め後ろの人が前に出るときの例。
初心者「画像 上の赤丸」が少し減速。
初心者の後ろの列「黄色」も同様に減速。
斜め後ろの人の列「青色」は少し加速して前に出る。
千鳥走行で真後ろの人が前に出るときの例。
初心者「画像 上の赤丸」が左に寄って (左にいる場合は右に寄って) 少し減速。
斜め後ろの列「青色」もそれに合わせて減速。
真後ろの列「黄色」は少し加速して前に出る。
給油は全員一斉に行うのが基本。
車種によって、燃費もガソリンタンクの容量もバラバラです。
燃費の計算間違いや 勘違いでの失敗を防ぐ為に、(次の給油ポイントまで持ちそうだと思っても) 全員で給油するのが基本です。
ただ、凄く親しい人達同士のツーリングでは、多少の融通をきかせてもいいでしょう。
※電動バイクは充電に時間がかかるので、前もって充電方法を相談しておく必要があります。
駐車。
歩行者や他の車の邪魔になりにくい場所に固まって止めるのが基本です。
たいてい止める位置の指示がありますから、指示に従って駐車します。
出発するときに出やすいように逆向きに止める。など独自のルールがあることも考えられます。
初めて参加する人は、指示をよく聞くようにして下さい。
初心者の方への注意点としては、乗り降り出来るスペース分は空けておくこと。
「ジャマにならないように詰めなきゃ」と思って、詰めすぎないようにしましょう。
所長から一言。
他の参加者に迷惑をかけないように、しっかり事前準備を行う。
集合場所に遅刻しないように。万が一に備えてリーダーの連絡先をスマホに登録しておく。
千鳥走行は、停止するときや解除するときの事を聞いておく。
初心者は赤信号などで分断されるとかなり焦ります。対策を必ず聞いておくように。
給油は全員一緒が基本。
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