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【初心者向け】正しい乗車姿勢【解説】

カテゴリー ライディングテクニック ライディング テクニック(基本)
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乗車姿勢。
かっこよく言うと、ライディングポジション。

神崎
神崎

チェックポイントは、7つ。

山田
山田

多くない?

神崎
神崎

大丈夫。

最初に押さえておきたいポイントは 2つだけ。
 
後は少しずつ気にかけていけばOK。

まずえておきたい重要ポイント。

  1. つま先を前に向ける。
  2. 少しアゴを引いて、少し上目遣い。
    上目遣いが難しい車種は、アゴが上がらないように注意する。

この2つのポイントを実行するだけで、悪い姿勢になりにくいのです!

では、説明していきます。
知っている所は飛ばして下さい。

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基本となる乗車姿勢。

ライディングポジション
  1. ステップに土踏まずを乗せ、つま先を前に向ける。
  2. 靴の内側・膝(ひざ)・太もも、脚全体で車体を挟む (ニーグリップ)。ニーグリップで体を支える。
  3. 手、足がピンと伸びたり窮屈になったりしない位置に座る。
  4. グリップは正面から握らない。テニスのラケットを持つように斜めから。
  5. 腕に体重をかけず、力を抜いて肘を少し曲げる。
  6. 背中・腰は反らせず、丸め過ぎず。
  7. アゴを少し引いて、少し上目遣い。

元レーサー、ライディングスクール講師、白バイ隊員、バイクジャーナリスト。
色々な専門家の方々が乗車姿勢を解説しています。
そして、微妙に意見が異なっています。

そこで今回は、

鈴川
鈴川

多くの専門家の意見が一致している7つの基本ポイントを

出来るだけ分かりやすく解説していきます。

1. ステップ。足を置く位置。

基本は、
・土踏まずをステップに乗せる。
・つま先を前に向ける。
・靴(主にかかと)の内側を車体に接するようにする。

神崎
神崎

つま先を前に向けると自然と ニーグリップ※1 の形になります。

※1.ニーグリップ:脚の内側全体でバイクを挟む。

鈴川
鈴川

もしニーグリップをしていないと、

腕で上半身を支えてしまう。

お尻(シート)に体重をあずけて、腰が曲がってしまう。

といった上記ポイントに反する姿勢になってしまいやすいのです。

ブレーキペダルを無意識に踏まないように。

つま先が下がって意図しないブレーキをかけないように気を付けて下さい。

ブレーキを踏まないようにすると、足首の曲がりがキツくなる車種があります。

「足を後ろにズラして親指のつけね辺りをステップに乗せる」
というフォームが推奨されていることもあります。
背伸びのように踵(かかと)が上がって足首の曲がりが緩くなります。

ただ、すぐにブレーキを操作できません。
運転に慣れるまでは基本の「土踏まずを乗せるフォーム」で頑張ってください。

スクーター・クルーザー など。

※クルーザー:ハーレーダビッドソンのようなバイク。「アメリカン」とも呼ばれます。

つま先が開くと膝も開いて、力を抜きやすくダラッとした姿勢になりやすいです。
小学生のときに習った「気をつけ」と「休め」の関係に似てますね。

脱力し過ぎると腰が曲がって、そこに上半身の体重が乗り、振動で腰を痛める可能性があります。
体も咄嗟に動きにくく、危険回避に影響が出てしまいます。

スクーターやクルーザーも、つま先を前に向けて運転しましょう。

2. ニーグリップの方法。

教習所でも習うニーグリップですが、
ひざ(ニー)で挟むというより、脚(あし)の内側全体で挟みます。

靴の内側(主にかかと)・くるぶし・ひざ・太ももと全体で挟むようにします。
膝(ひざ)だけに力を入れるより少ない力で体を支えられます。

ステップにも少し体重を乗せて下さい。

シートにほとんどの体重が乗ると、上半身を支えるのに「膝と太もも ばかりに力が必要」となってしまいます。
ステップにも体重が乗ることで、靴(かかと)の内側などでも体を支える効果が出ます。
結果、重さが分散されてニーグリップが楽になります。

ヒールガード。(ヒールプレート)

ステップの内側にヒールガード(ヒールプレート)

ステップの内側にある「靴でバイクに傷がつくのを防ぐ部品」です。
多くの車種に採用されています。
ニーグリップの際にとても使いやすい部品で、よく「上手な人はヒールガードが汚れている」などと言われます。

挟む力は車種で変わる。

前傾の度合い、ステップの位置などで体を支えるのに必要な力は変わります。

手から力を抜いて上半身を支えられればOK。
普段あまり使わない筋肉なので力を入れすぎると意外に疲れます。
なるべく無駄な力を入れないように、脚全体で挟めているか、ステップに少し体重が乗っているか、たまにチェックするようにして下さい。

運転に慣れてきたら、ブレーキ時に少し力を入れてみて下さい。
慣性で前にズレるのを防げます。

山田
山田

滑りにくいレザーパンツや、滑り止め付きのライディングパンツを穿くと、更に少ない力でニーグリップが出来ます。

「ニーグリップラバー」などと呼ばれるタンクに貼る滑り止めもあります。

ニーグリップ出来ない車種。

ひとつ上の 1. にも書きましたが、スクーターなども足が開くとダラッとした姿勢になりやすいです。
つま先を前に向けて足を閉じるとピシッとした姿勢を保ちやすいです。
「気をつけ」と「休め」の感覚です。

3. 座る位置。

ステップに立って、そのまま真っ直ぐ腰を降ろした位置。
これがよく推奨されている基本型です。

ただ、足を前に出すクルーザーには当てはまりません。
腕・足が伸びきらず、なるべく窮屈にならない位置に座って下さい。

特に腕が伸びている状態だと、ハンドルを曲げたとき手が届きにくくなります。
届きにくいと、それを補う為に上半身が大きく動きます。
動きすぎると運転しにくくなってしまいます。

シートの前・後ろ。

シートの前のほうに座ると、上半身が起き気味となり手がハンドルに近くなります。
回りの確認がしやすくハンドルを動かしやすいので、交差点などゆっくり走るときに向いている体勢です。
ただし、膝・足首の曲がりはキツくなります。

シートの後ろのほうに座ると、前傾が強くなり、足の曲がりが少し緩やかになります。
加速するときやスピードが出ているときに有効な姿勢です。

車種によって感じ方は変わるので、慣れてきたら座る位置を色々と試してみて下さい。

もし、どこに座ってもハンドルに手が届きにくいときは、バイク屋に相談してハンドル位置の調整や交換を検討してみて下さい。

4. グリップの持ち方。

グリップの持ち方
  1. グリップに対して直角気味に握った場合。
    アクセルを回すと手首が上下に大きく動きます。
    それに伴い腕、肩も動いてしまいます。
    手首を何度も反らし続けると、疲れたり痛くなったりといった弊害も起こります。
     
  2. グリップに対して斜めに握った場合。
    手首を横に回す動き(鍵を差し込んで開け閉めするときの動き)も取り入れてアクセルを操作できます。
    アクセルを開けても手首があまり下がりません。
    この持ち方だと、親指・人指し指・中指に力を入れなくても操作できます。

手が疲れないように無駄な力を抜いていくと、必然的に小指と手のひらメインで操作する形となります。
薬指は小指の補助といった感じ。

小指を軽く巻いて、他の指は添えるぐらいのイメージで。

よく「テニスのラケット」「野球のバット」「剣道の竹刀」の持ち方と同じ。
と例えられます。
スポーツでも小指と手のひらメインで握ったほうが上手く動かせるということですね。

神崎
神崎

最初は緊張して、無意識に力が入ったりします。
※体験談。

信号待ちなどでチェックしよう。

5. 腕で体を支えない

バイクは曲がろうとして傾けると、自然に いい感じでハンドルが切れてくれます。
「セルフステア」なんて言ったりします。
 
ハンドルに体重をかけてしまうと、自然な動きの妨げになります。
いつまでたっても自分のバイク本来の動きが掴めません。
 
体はニーグリップで支えましょう。

神崎
神崎

歩くぐらいの低速では、自らハンドルを動かしたほうが上手く曲がれます。
というか、歩くぐらいのスピードで車体を傾けるのは恐いですよね。

山田
山田

あくまで推奨されている姿勢。

絶対ダメ。というわけじゃないですよ。
足が疲れきったなら、手で体を支えたっていいじゃない。

でも乗せすぎはダメ。咄嗟の動きが出来なくなります。
また、曲がるときはハンドルの動きを妨げないように、力を抜きましょう。

腕の形。

手・肩の力を抜き、肘を少し曲げる。
曲げすぎ・伸ばしすぎは、咄嗟の操作がやりにくくなってしまいます。

体格や車種で肘の曲がり具合は変わってきます。
座る位置、上半身を傾ける角度などである程度の調節ができます。

公道走行に慣れていないと、緊張して腕や肩に力が入りがち。
最初は気付いたらでいいので、力を抜きましょう。

「バランスボールを胸の前で抱え込むようなイメージで」
という説明を見かけます。

ハンドルグリップを外側から掴む感じとなり、斜めに握る正しい姿勢になりやすい良い説明だと思います。

ただ、ボールを抱える形を意識し過ぎると、肘が外側に張りだした姿勢になってしまうので注意して下さい。

腕の力を抜けば、肘が下り、力の入っていない自然な姿勢となります。
肘が外に張りだした形になっている人は、そのまま腕の力を抜いて下さい。

6. 背中・腰の反り返り、丸め過ぎを防ぐ。

上半身を前傾させる方法。
有名専門家が真逆の説明をしていました。

  1. おへそを前につき出す感じで。
    おそらく丸めすぎ防止を意識。
     
  2. おへそを引っ込める感じで。
    おそらく反りかえり防止を意識。

やってみると、意図するところは なんとなく分かるんですが・・・。

私が初心者の方に説明した時に、いちばん理解されやすかった説明は、

神崎
神崎

「おへその上あたり」と「胸」を同じ角度で前に倒していくイメージ。

山田
山田

???

鈴川
鈴川

反りかえらせないように。
丸めすぎないように。

結局これがいちばん分かりやすいですかね。

上半身を前傾させずに乗るバイク。

お尻(シート)に体重をかけて脱力し過ぎると腰が曲がってしまいます。
振動で腰を痛める可能性があります。
 
シャンとした姿勢で乗っていれば、ハンドルを動かすと上半身も動きます。
肩が前に出たり、少し前傾になったりと、腕の形が大きく崩れないように勝手に体が動きます。
 
腰が曲がるほど脱力していると上半身がうまく動かず、運転に支障をきたす恐れがあります。

最初に書いた
1. つま先を前に向ける。2. アゴを引く。
で、シャンとした姿勢を取りやすくなります。

7. 少しアゴを引いて少し上目遣い。

アゴが上がると、だらしない姿勢になりやすいので必ずチェックしてほしいポイントです。

大袈裟にやる必要はありません。
意識し過ぎて大袈裟にやると体が固くなります。
無意識にアゴが上がっていないか気を付けることが大事です。

鈴川
鈴川

アゴが上がると、背中を丸めたり・反らせたりしやすくなってしまいます。

神崎
神崎

アゴを引いて上目遣いにすると、背中を反らせにくくなります。
敢えてやろうとしてもやりにくいと思います。
 
アゴを引いて下を見ずに前を見た状態のまま、背中を丸めるのも難しいです。

山田
山田

アゴを少し引いて少し上目遣いで上半身が安定。

つま先を前に向けるで下半身が安定。

注意点。
交通量の多い街中など、顔を上げて周囲を確認したほうがいい時もあります。
また、交差点などゆっくり曲がるときは、顔を上げたほうが曲がりやすいことが多いです。

顔を上げると、顔ごと進みたいほうを見やすくなります。
目線だけよりも、顔ごと動かしたほうが体が自然に動いて上手く曲がってくれます。

あごを引いて上目づかいは、
ある程度スピードを出して真っ直ぐ走っているときの基本姿勢。
と、考えてもらえばOKです。

目線について。

基本的に 近くの路面は見ない。目線を上げて行きたい方向を見ます。

バイクは目線を上げたほうが安定します。
教習所の一本橋でも「下を見ずに前を向いたほうがふらつかない」と教えられた人が多いんじゃないでしょうか。

また、バイクは見ているところに進んでいきます。(視覚吸引作用)
カーブで近くの路面を見ていると、うまく曲がれません。
目線を上げてカーブの先のほう。自分が進みたいところを見るようにしましょう。

所長から一言 (まとめ)

所長
所長

7つのポイントを、なんとなくでいいんで把握しておいて下さい。

所長
所長
  1. つま先を前に向ける。
  2. アゴを少し引いて少し上目遣い。

この2つを覚えておけば自然と正しい姿勢に近くなります。

そうすると他のポイントも思いだしやすくなりますよ。


参考文献。

つじ つかさ. “第2章 ライディングフォーム考” . ベストライディングの探求. グランプリ出版, 第5刷, 2020, p.19-55, ISBN978-4-87687-322-7.
根本 健. “目線で変わるマージンと曲がりやすさ” バイク乗れてる大図解. 枻出版社, 第9刷, 2005, p.102-107, ISBN4-87099-215-9.
八代 俊二. “基礎編”. スポーツライディング秘伝ノ書. モーターマガジン社, 2009, p.54-101, ISBN978-4-86279-130-6.
和歌山 利宏. “第2章 バイクの操縦安定性”. 図説 バイク工学入門. グランプリ出版, 新装版, 2021, p26-43, ISBN978-4-87687-388-3.
ブランディーヌ・カレージェルマン. 新 動きの解剖学. 翻訳者 科学新聞社出版局, 科学新聞社, 2009, 298p., ISBN978-4-86120-019-9.
“柏秀樹の賢く早く上達するバイクライディング”. 日本二輪車普及安全協会, https://www.jmpsa.or.jp/joy/enjoy/riding/ridinglesson_01.html, (参照2022-12-03)
“気をつけて!運転中に起こる7つの「錯覚」”. GAZOO(トヨタ自動車), https://gazoo.com/column/daily/16/09/14/, (参照2023-01-05)
“道路の錯視とその軽減対策”. 明治大学, http://compillusion.mims.meiji.ac.jp/pdf/roadillusions.pdf, (参照2022-12-25)