やり方は なんとなく知ってるんだけど、
必要なときと、必要ないときがイマイチ分からないんだよね。
まず、法律で決められている基本形。
そして、道路の構造的に分かりにくい状況での やり方を解説します。
走行ラインやウインカーのタイミングなど、細かい動きも紹介しますよ。
最初は基本情報です。
知ってる情報は飛ばしてください。
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二段階右折とは?
- 道路の左端を直進。
交差点を渡り終える直前で、右に90度向きを変えて停止。
- 向きを変えた側の信号が青になったら直進。
文字通り 2回に分けて右折する方法です。
・軽車両。
・特定小型原動機付自転車。
・特例特定小型原動機付自転車。
・一般原動機付自転車。
これらの車両に、義務づけられている右折方法です。
- 軽車両:
自転車、リヤカー、馬車など原動機のない車両。
- 特定小型原動機付自転車:
最高速度7km~20kmの電動キックボードなど。
- 特例特定小型原動機付自転車:
最高速度6km以下の電動キックボードなど。
- 一般原動機付自転車:
50cc以下のバイク。定格出力0.6kW以下の電動バイク。
この中で、50cc以下(定格出力0.6W以下)のバイク、いわゆる「原付一種のバイク」は、二段階右折をする際の条件が決められています。
条件については次の項目で説明します。
原付は排気量で種類が変わります。
50cc以下:原付一種。最高速度30km/h
51cc ~ 125cc:原付二種。最高速度60km/h
二段階右折の条件。
二段階右折を行うときの条件は、道路交通法第三十四条で定められています。
また、二段階右折を行ってはいけないときの条件も定められています。
二段階右折が必要なときの条件。
- 片側(自分が走行している側)が 3車線以上の道路。
- 二段階右折の標識があるとき。
※3車線以上なくても標識があれば二段階右折をしなければならない。
二段階右折の標識。
正式名称は「一般原動機付自転車の右折方法(2段階)」
交差点の直前で、2車線から 3車線に増える。なんてこともあります。
初めて走る道路では、交差点が近付いてきたら「標識がないか」「車線が増えていないか」を常に確認しつつ走行しましょう。
二段階右折をしてはいけないときの条件。
- 二段階右折禁止の標識があるとき。
※3車線以上あっても禁止の標識が出ていれば二段階右折を行ってはいけません。
- 信号がない交差点。又は警官の手信号がない交差点。
※3車線以上あっても信号(又は手信号)がなければ二段階右折を行ってはいけません。
二段階右折禁止の標識。
正式名称は「一般原動機付自転車の右折方法(小回り)」
参考:道路交通法 第六節 交差点における通行方法等 (左折又は右折)第三十四条
罰則。
・二段階右折禁止の場所で二段階右折をした場合。
交差点右左折方法違反。
違反点数1点、反則金3,000円。
※排気量51cc以上のバイクで二段階右折をしても違反となります。
・二段階右折をしなければいけない場所で、車と同じように右折(小回り右折)をしてしまった場合。
信号無視。
違反点数2点、反則金6,000円。
え、信号無視?
二段階右折は、
青信号を直進して90度向きを変えて停止 → 目の前の信号が青になってから発進。
という流れです。
車と同じように右折(小回り右折)をすると、向きを変えた後の信号を無視したという形になって、「交差点右左折法違反」と「信号無視」の両方の違反となってしまいます。
違反が重なった場合、厳しいほうの違反が適用されるので、「信号無視」となります。
ウインカーのタイミング。
- 交差点の30m手前。
右折なので右ウインカーを出します。
- 向きを変えて停止したらウインカーは消す。
90度向きを変えた後は直進となる為。
ちなみに、車線変更の場合は 3秒前にウインカーを出すようにと決められています。
参考:道路交通法施行令 第三章 車両及び路面電車の交通方法 (合図の時期及び方法)第二十一条
二段階右折のやり方。
- 交差点の30m手前で、右にウインカーを出す。
右左折するときは徐行と決められているので少し減速。
左端を徐行。
交差点を渡り終える直前で、右に90度向きを変えて停止。
通常、少し左へ車体を振って向きを変え、向きを変えた側の道路の左端に停止します。
停止したらウインカーを消す。
- 向きを変えた側の信号が青になったら発進。
徐行は、
車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう
道路交通法 第一章 総則 第2条 第20号
と定められています。
右左折するときは徐行をするように決められていて、違反すると「徐行場所違反」となります。
徐行場所違反:違反点数2点。反則金5,000円。
参考:道路交通法 第2条 第20号
参考:道路交通法 第42条
停止する位置。
路面のペイントなどで停止場所が指定されている場合は、それに従います。
指定されていないときは、横断歩道の前。
横断歩道が無い場合は、停止線の前。
向きを変えた側の道路の左端に停止。
左端が「左折専用レーン」だったとしても、左端に止めます。
二段階右折の注意点。
二段階右折のことを知らない人もいるでしょう。
知っていても詳しい条件までは知らない人は多いです。
安全の為に、周囲の人が自分の動きを予測できていないと考えておくことが大切です。
私自身もこの記事を書くまで、凄く細かい内容までは知りませんでした。
左折巻き込み。(巻き込まれ)
左折する車の内側に巻き込まれないように注意します。
特に、左折待ちで並んでいる車の左側をすり抜けていくのは危険です。
右ウインカーを出して周囲に知らせると共に、左折車に巻き込まれないように自分の右側、右後方に気を配ってください。
歩行者、自転車に注意。
90度向きを変える為に、少し左へと車体を振ることになります。
歩行者や自転車のジャマにならないよう、接触しないように注意しましょう。
信号待ちをしている車の左側を自転車がすり抜けてくることもあります。
車で死角になっている場所も注意してください。
後続車に注意。
向きを変えたとき、交差点内にハミ出してしまうと後続車と接触するおそれがあります。
前に出過ぎないようにしましょう。
また、右左折するときは徐行と決まっています。
後続車との速度差が更に大きくなります。十分に注意をして走行してください。
分かりにくい状況での二段階右折。
道路の作りや路面の標示、他の法律との関わりなどで、非常に分かりにくいケースがいくつかあります。
ややこしい例を順番に説明していきます。
左端が左折専用レーン。
左端の車線が左折専用でも、右ウインカーを出して直進。
真っ直ぐ徐行で進み、向きを変えて停止します。
車は全て左折するので、左折巻き込み (巻き込まれ) に注意が必要です。
停止する場所が左折専用レーンだった場合も、左端 (左折専用レーンの前) に止まります。
直進できない 突き当たりとなるT字路。
通常通りの二段階右折を行います。
直進できるT字路。
退避場所が設けられていることが多いので、退避場所で停止します。
※退避場所は90度向きを変えられない大きさのものもあります。その場合は真っ直ぐか斜めに止まってください。
退避場所が無い場所は、二段階右折禁止となっていることが多いのですが、絶対確実ではありません。
退避場所がなく安全に止まれそうにないときは、右折を諦めてそのまま直進します。
「原付のことをもっと考えてくれよ」と、腹立たしい思いをするかもしれませんが、身の安全を優先してください。
矢印付きの信号。
青色 (緑色) の直進矢印、もしくは青信号のときだけ進めます。
赤信号で左折の矢印のときは、左端に停止して待たなければなりません。
左折したい車両は止まらずに進んできますから、後続車に注意して待つようにしてください。
※右折の矢印のときは、他の車も進めないので普通に停止して信号が変わるのを待ちます。
※めったにないとは思いますが、右折矢印で後続車が右折できるときは、左端に停止して待ちます。
・更なる注意点。
右ウインカーを付けたまま停止となる為、二段階右折のルールに詳しい人じゃないと、なぜ停止しているのか分からない可能性が高いです。
優しいドライバーが「お先にどうぞ」と道を譲ってくれる可能もあります。
周囲を混乱させそうなときや、安全に止まっておくのが困難なときは、諦めて左折することも考えておきましょう。
バイクはエンジンを止めて「降りて」押し歩きをしているときは、歩行者扱いとなります。
左端で停止しておくのが怖いときは、エンジンを止めて歩道を押し歩くという手もあります。
走行直後のエンジンやマフラーは高温になっています。
車体もジャマになりやすいです。
押して歩くときは周りの歩行者や自転車の迷惑にならないように注意しましょう。
ちなみに、黄色の矢印信号は「路面電車」用です。車やバイクは矢印の方向に進むことは出来ません。
道路の構造的に困難な場合。
左折レーンの外側に、柱やブロックなどがあって真っ直ぐ進むのが困難な交差点。
画像の例のように、二段階右折が無理そうな交差点は、二段階右折禁止の標識が出ている場合が多いです。
しかし確実に禁止の標識があるとは言い切れません。
無理そうな場合は、諦めて左折、もしくは直進レーンを直進してください。
バイクは身体がむき出しで、事故のときに怪我をする可能性が高い乗り物です。
たとえ急いでいるときでも、身の安全を優先しましょう。
自転車専用通行帯。
主に青色 (まれに茶色) で太めのラインが引かれています。
自転車「専用」なので、バイクや車が入ってはいけません。
侵入しないようにギリギリぐらいまで左に寄って二段階右折を行います。
交差点に入ると、次で紹介する自転車ナビラインになるなど「専用」ではなくなることが多いです。
自転車ナビマーク、自転車ナビライン。
白や青の矢印のみが描かれています。
自転車の走行位置や走る向きを示していて、バイクや車も侵入できます。
※もちろん自転車の通行を妨げてはいけません。
50cc以下(定格出力0.6W以下)のバイクは、自転車に注意しながら左端を走行します。
路側帯。
白線で区切られた路側帯 (路肩) は、歩行者と軽車両 (自転車など) 用です。
※途切れ途切れの破線ではなく、直線の白線。
自転車ナビラインだったとしても、白線があれば、車やバイクは侵入出来ません。
白線で区切られた路側帯に駐停車する場合は、道路端から75cm以上あけるように決められています。
白線と破線 2本の場合は、駐停車も禁止。
白線 2本の場合は、歩行者専用で駐停車も禁止。
参考リンク:e-Gov 法令検索 (https://www.e-gov.go.jp)
原付一種向けの便利アプリ。
ナビタイム:ツーリングサポーター。
ナビタイムジャパンのマップ & ナビアプリ。
ナビ機能は有料。
マップ上に「二段階右折回避ルート」を表示できます。
ツーリングサポーター android:Google Play
ツーリングサポーター iPhone:App Store
所長から一言。(まとめ)
二段階右折が必要。
・3車線以上。
・二段階右折の標識がある。
3車線以上でも二段階右折が不要。
・二段階右折禁止の標識がある。
・信号がない交差点。
二段階右折の方法。
・右ウインカーを出して徐行で直進。
・交差点の端で右に向きを変えて停止。
・ウインカーを消す。
・向きを変えた側の信号が青になったら発進。
注意点。
・左折巻き込まれに注意。
・赤信号で矢印が左折のときは進んではいけない。
・無理そうな場所では右折を諦める。