バイク初心者向け 用品ガイド。※アフィリエイトリンク・Google AdSenseによる広告を掲載しています

【初心者向け】スムーズな発進【半クラッチのコツと練習方法】

カテゴリー ライディングテクニック(基本) ライディング テクニック(基本)
スポンサーリンク
山田
山田

エンストが怖くて素早くシュパッと発進できないんだよね。

神崎
神崎

スムーズに発進できない原因は、主に 2つ。

  1. クラッチレバーをゆっくりと緩(ゆる)めている。
  2. アクセルをゆっくり開けている。
鈴川
鈴川

教習所では問題ないんですけどね。

もちろん慣れていけば操作は徐々に速くなっていき、交通の流れに乗れるぐらいの走りは出来ます。
しかし、もっとスムーズに発進できれば渋滞で手が疲れにくくなったり、発進してすぐに曲がることが出来たりと色々なメリットがあります。

スポンサーリンク

スムーズな発進のコツ。

大まかな流れ。
クラッチレバーを切って(深くまで引いて) ギアを1速に入れてからの流れです。

  1. 片足でしっかり車体を支える。
     
  2. 半クラッチ位置までクラッチレバーを素早く緩める。
     
  3. クラッチを緩めたらほぼ同時にアクセルを素早く開ける。
    開けすぎには注意。
     
  4. なるべく早めにクラッチレバーを完全に放す。
     
  5. 早めに着いていた足をステップに乗せる。

なぜこのような操作方法になるのか、その理由と練習方法を説明していきます。

知っている情報は飛ばして下さい。
上の目次をクリック・タップで好きな場所に移動できます。

山田
山田

練習方法は最後のほうです。

片足でしっかり車体を支える。

発進の際には、体が後ろに もっていかれます。
両足を着いてシートにほとんどの体重を乗せた状態で発進すると、お尻を軸に体が動いてしまいます。

更に、バイクが股の間をすり抜けていくような感覚におそわれて腕に力が入ってしまいやすくなります。
腕に力が入ると繊細な操作が出来ません。

片足をステップに乗せることで、お尻を軸に体が動くことを防げます。
足の内側をしっかりとバイクに くっつければ(片足で軽いニーグリップ)、バイクがすり抜けていく感覚もなくなります。

基本的な足の着き方については、こちらをご覧ください。

別タブで開きます。

半クラッチ位置までクラッチレバーを素早く緩める。

クラッチレバーの仕組み
単純化したイメージ図。

まずは右側のレバーのイラストを見て下さい。
※レバーを引いていくイメージ図です。レバーが何本もあるわけではありません。
※遊び、半クラッチの範囲はバイクによって異なります。

  1. 遊び。
    カタカタと軽く動き、何の影響も及ぼさない部分。
     
  2. 半クラッチ。
    エンジンの力が微妙に伝わる部分。
     
  3. クラッチが切れている部分。
    エンジンの力が伝わらず、発進や加速は出来ない部分。

半クラッチの始まり位置までレバーを緩(ゆる)めてもエンストはしません。
そこから徐々に緩めていくとエンストします。

停止時は万が一に備えてクラッチレバーをかなり深く引いておくのが一般的です。
そこから ゆっくりとレバーを戻していっても時間のムダになってしまうので、半クラッチ位置まで、出来ればエンスト寸前の位置までレバーは素早く戻してしまいます。

・イラスト左側、ざっくり説明。

興味ない人は飛ばして下さい。

バイクのエンジンは高速で回転しています。
その力で様々な部品を回転させ、最後にリアタイヤ(後輪)を回転させることでバイクは前に進みます。

回転する部品のひとつにクラッチ板が有り、バネで押されて何枚もの板がくっついています。
クラッチレバーを引くことでバネを縮めて隙間を作ることが出来ます。
隙間が開くと空回りをしてエンジンの力がリアタイヤに伝わらなくなります。

半クラッチはクラッチ板がギリギリ接触している状態です。
クラッチ板が滑りながら回転してエンジンの力を緩やかにリアタイヤに伝えます。

エンジンの力をいきなり部品やリアタイヤに伝えると負荷がかかりすぎるので、半クラッチで滑らせて負荷を軽減します。

クラッチを緩めたらほぼ同時にアクセルを素早く開ける。

山田
山田

アクセルは ゆっくり開けていったほうが、スムーズに発進できるんじゃないの?

鈴川
鈴川

ゆっくり穏やかな発進は出来ます。

でも、バイクは ゆっくりなほど安定しません。

発進後にすぐ左折をするようなとき、ゆっくりソロ~っと発進したらバイクが安定するまでに時間がかかり上手く曲がることが出来ません。

他にも、半クラッチの時間が長くなるので、軽い渋滞のとき左手が疲れやすくなるというデメリットがあります。

アクセルをゆっくりと開けていくと?

発進するとエンジン回転数が下がる
  1. クラッチを切って(レバーを深く引いて)いるとき、アクセルはちょっとしか開けられない。
  2. バイクが動き出すとエンジン回転数が下がる。

1. クラッチを切って(レバーを深く引いて)いるとき、アクセルはちょっとしか開けられない。

多くの人が教習所の発進や坂道発進で経験していると思います。

クラッチが切れているときは、エンジンの力がリアタイヤに伝わらずに空回りしている状態なので、軽い力でエンジンを回せます。
走行中のような感覚でアクセルを開けると回転数が大きく上がってしまうので、アクセルはちょっとしか開けられません。

2. バイクが動き出すとエンジン回転数が下がる。

バイクを動かす為にエンジンの力が使われるので、エンジン回転数が下がります。
アクセルをちょっとしか開けていない状態からエンジン回転数が下がるので、ゆっくりソロ~っとしか発進できません。

動き出してからも、アクセルをゆっくり開けていては素早く加速していくことは出来ません。

慣れてくれば、ソロ~っと発進した後にアクセルを思いきって開けて帳尻を合わせることは可能です。
しかし、発進してすぐに曲がったり、軽い渋滞で半クラッチをあまり使わずに走ったりということは やりにくいままです。

神崎
神崎

私も初心者の頃に軽い渋滞で、

  1. クラッチレバーを握り込んで停止。
  2. 半クラッチでゆっくり進む。

をずっと繰り返して、左手がメチャクチャ疲れた経験があります。

クラッチレバーを「緩めながら」ではなく「緩めたら」アクセルを開ける。

ある程度の量までアクセルを素早く開けます。

素早く開ければ発進加速も素早くなります。
早く加速できれば、半クラッチの時間も減らせて、よりスムーズな発進となります。

アクセルを「大きく」開けるのではなく、「素早く」です。
開けすぎには注意して下さい。

アクセルを開ける量は車種で変わります。
1/3ぐらい開けても大丈夫な車種もあります。

鈴川
鈴川

少なくともクラッチを切っているときよりは多く開けても大丈夫です。
少なめから始めて、徐々にアクセルを開ける量を増やしていって下さい。

・雨の日は丁寧に。
上手く発進できるようになると、かなりの速度でのスタートダッシュが可能となります。

しかし、雨で路面が濡れていると滑りやすくなるので、晴れの日よりも抑えた走りにして下さい。
特に滑りやすいマンホールや横断歩道の白線が目の前にあるときは、穏やかな発進を心掛けて下さい。

なるべく早めにクラッチレバーを完全に放す。

半クラッチはエンジンの力が完全には伝わっていない状態です。
なるべく半クラッチの時間を短くしたほうが素早い加速ができます。

少し上にも書きましたが、渋滞のとき半クラッチの時間を短く出来れば左手が楽になります。
信号停止の多い街中でも左手の疲れを軽減できます。

あと細かい話ですが、半クラッチ状態のときはクラッチ板が滑ってすり減っていきます。
半クラッチの時間を短くすることで寿命が伸びます。

発進時の半クラッチは、感覚や経験で「ある程度のスピードが出るまで」行っている人が多いと思います。
しかし、アクセルを素早く開けてスムーズに発進できれば、ほとんど半クラッチを使わずに発進できます。

最初はそれまでの経験から、無意識に半クラッチを長めに使ってしまいがちです。
半クラッチの時間を徐々に短くしていって下さい。

早めに着いていた足をステップに乗せる。

片足はステップ、片足は横に出した左右アンバランスな格好より、両足をステップに乗せたほうが安定します。
足を出したままだと、路面より出っ張ったマンホールなどに足をぶつけてしまうおそれもあります。

早めにステップに足を乗せるようにして下さい。

ただし、歩くより遅いようなノロノロ走行のときは別です。
バイクはスピードが遅いほどふらつきやすいので、あまりにもスピードが遅いときは足を着きつつ進んで下さい。

余裕ができたら座りなおす。

多くの場合、停止時は理想の乗車姿勢とは違う体勢になっています。
両足をステップに乗せた後、正しい乗車姿勢となるように座り直すのを忘れないようにして下さい。

乗車姿勢の基本は、こちらをご覧ください。

別タブで開きます。

練習方法。

  1. 半クラッチの始まり位置を見付ける。
  2. エンストさせて動き出す位置を見付ける。
  3. 実際に発進してみる。

順番に説明していきます。

エンジン音で迷惑にならない場所で練習しましょう。

半クラッチの始まり位置を見付ける。

  1. エンジンをかけてギアを 1速に入れ車体を支える。
  2. フロントブレーキをかける。
  3. クラッチレバーをゆっくりと緩めていく。

エンジンをかけてギアを 1速に入れ車体を支える。

練習でエンストさせるので、1速に入れた後、しっかりと片足を着いて支える体勢を作ります。
つま先立ちになる人は、腰をずらして片足でしっかりと車体を支えます。

縁石などを利用できる場合は利用して車体を支えて下さい。

両足を着いて車体を直立させるより、片足で車体を少し傾けて支えるほうが安定します。

フロントブレーキをかける。

不用意に動き出さないようにフロントブレーキをかけておきます。

アクセルは開けずに練習しますが、万が一アクセルを開けてしまったときのことを考えて、強力なフロントブレーキをかけておきます。

リアブレーキは車体が安定するので、どちらかと言えばフロントブレーキだけをかけておいたほうがバイクの動きが分かりやすくなります。

左足を着いてリアブレーキをかけるのが安心できる人はフロントブレーキとリアブレーキでも構いません。

クラッチレバーをゆっくりと緩めていく。

アクセルは開けずに、クラッチレバーをゆっくりゆっくりと緩めていきます。
半クラッチの始まり位置で、バイクが動き出そうとする感じが体に伝わります。

具体的には、後ろ(リアサスペンション)が少し持ち上がり、前(フロントフォーク)が少し下がります。

半クラッチ位置に入ると、バイクが進もうとする動きを感じる

位置が分かったら、この位置まで素早くレバーを動かします。
何度か繰り返してだいたいの位置を掴んで下さい。

エンストさせて動き出す位置を見付ける。

フロントブレーキをかけたまま半クラッチの始まり位置から、更にレバーを緩めていくとエンストします。
わざとエンストさせて、エンストする位置を見つけます。

位置が分かったら、エンスト直前の位置まで素早くレバーを動かします。
何度も繰り返して出来るだけ正確な位置を覚えて下さい。

発進のとき、手元ばかりを見ていると上手く発進できません。
速度が遅いときは前を向いたほうが安定するのは、教習所の一本橋で経験している人も多いのではないでしょうか。
手元は見ずに、前を向いた状態でクラッチレバーを素早く動かす練習をして下さい。

バッテリーの状態に注意。

エンストさせて、エンジンをかけてを繰り返すとバッテリーが消耗していきます。
弱ったバッテリーでは練習しないほうが無難です。

また、練習後はバッテリー充電器を使う、小一時間ほど走行する(走行すると充電されていきます)などして、バッテリーを充電して下さい。

・エンストさせずに練習。
両足がベッタリと着く場合、フロントブレーキをかけずにバイクを動かしてしまうという方法もあります。
小排気量バイク以外なら大抵クラッチレバーを緩めるだけで ゆっくりと動き出します。
※レバー操作が雑になるとエンストすることはあります。

動き出す位置を覚えたら、その直前まで素早くレバーを戻す練習をします。

ただし、広い練習場所が必要で、止める時に不用意にフロントブレーキをかけると車体が大きく揺れます。
動かさずに練習したほうが安全ではあります。

バッテリー充電器の基本情報は、こちらをご覧ください。

別タブで開きます。

実際に発進してみる。

フロントブレーキはかけずに、

  1. クラッチレバーを素早く緩める。
  2. 緩めたとほぼ同時にアクセルを素早く開ける。
  3. 半クラッチの時間をなるべく短くする。

両足を着いての発進はやりにくいですし、手を動かす感覚・タイミングが掴めるまではエンストすることもあります。
片足でしっかりと車体を支えるようにして下さい。

・クラッチレバーを素早く緩める。
どうしてもエンストしまくる場合は、エンスト位置ギリギリより少し余裕を持たせた感じでクラッチレバーを緩めて発進してみて下さい。
手の動かし方に慣れてきたら、エンスト位置の直前あたりを狙って下さい。

・緩めたとほぼ同時にアクセルを素早く開ける。
アクセルを開ける量は車種によって変わってきます。
少なめから始めて徐々に増やしていくというやり方が安全です。
アクセルは「大きく」ではなく「素早く」です。

・半クラッチの時間をなるべく短くする。
発進した後は、半クラッチの時間を徐々に短くしていきます。
車種で多少の違いはありますが、最終的には 半クラッチの時間は ほんの少しで発進できるようになります。

・バッテリー充電。
何度もエンストしたときは、バッテリーが弱ってきている可能性があります。
バッテリー充電器を使うか、小一時間ほど走ってバッテリーを充電して下さい。

所長から一言。(まとめ)

所長
所長

ゆっくりとクラッチレバーをゆるめていきながら、ゆっくりとアクセルを開けていくのではなく、

エンストする手前までクラッチレバーをスパッとゆるめて、アクセルをスパッと開ける。

所長
所長

発進したら、半クラッチは長々と使わない。

早めに足をステップに乗せて、正しい乗車姿勢となるように座りなおす。