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【初心者向け】倒れたバイクの引き起こし【簡単解説】

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大前提として、事故で転倒した場合や体にダメージのある場合は、
安全の確保や警察・救急車を呼ぶことを優先してください。

神崎
神崎

自分ひとりでバイクを起こすときの基礎知識と基本的なやり方を説明します。

山田
山田

やり方だけパパッと説明してよ。

神崎
神崎

やり方しか知らないと、
マフラーの熱で服を溶かすとか思わぬ失敗をするよ。

鈴川
鈴川

誰かを助けるときも、理屈を知っていたほうが的確なアドバイスが出来ます。
基本の知識があれば、車種が変わっても応用が効きます。

別タブで開きます。
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引き起こし方法。

1、エンジンを止める。

もしエンジンがかかったままなら、※キルスイッチかキー(バイクの鍵)でエンジンを切ります。

※キルスイッチは、たいていハンドルの右側に付いています。
押す(オフにする)だけでエンジンを停止できる部品です。
緊急時に使う重要な部品なので、あらかじめ位置と操作方法をチェックしておきましょう。

2、周囲の確認と安全確保。

例えば、見通しの悪いカーブの先で転倒したなら、何らかの方法で後続車に伝わるようにしておかなければ危険です。
交通量の多い幹線道路なら、近くの信号が赤になって流れが止まってから引き起こすほうが安全かもしれません。
あまりないとは思いますが高速道路では、赤い三角板を置かないと違反になります。

神崎
神崎

焦ってすぐ起こしに行かず、まずは周囲の状況を確認。

3、タイヤが回らないようにする。

起こしている最中や、起こした瞬間にバイクが動くのを防ぎます。
途中で動くと力が逃げるので、なるべくやっておきたい対策です。

山田
山田

走行後は、
エンジンとマフラーが熱くなっています。

気をつけて作業して下さい!

神崎
神崎

・・・

右側に倒れている場合。

後輪が回るならギアはニュートラルになっています。
チェンジペダル(左足のペダル)を操作してギアを1速か3速に入れると後輪はほとんど動かなくなります。
 
止まっているバイクは、クラッチレバーを握ってもなかなかギアチェンジ出来ない場合があります。
止まっているバイクは後輪が動いていると確実にギアチェンジ出来ます。
クラッチレバーを握っていなくても後輪を動かしながらギアチェンジが可能です。

鈴川
鈴川

後輪を10センチぐらい(どちら向きでもOK)動かしながらギアチェンジして下さい。
クラッチレバーは握らなくても大丈夫。
 

後輪がほんのちょっとしか回らなくなれば、1速か3速に入ったという事です。

サイドスタンドを出しておくと、勢い余って反対側に倒すことを防げます。

左側に倒れている場合。

もしギアチェンジ可能なら1速か3速に入れて下さい。
 
手が入らずに不可能なら、フロントブレーキ(右手のレバー)を何かで縛って固定して下さい。
パーキングブレーキがある車種ならパーキングブレーキをかけて下さい。

手が大きい人は、フロントブレーキ(右手のレバー)を握りながら起こすことが可能かもしれません。
違和感なく出来そうならやってみて下さい。

ブレーキを縛る物。
お勧めはタオルやハンカチ。ヘアゴム。
 
荷物を固定するゴムネット。
タンクバッグ、シートバッグ付属のベルト。
などで代用できることもあります。

何もないときは、手首部分を絞り込めるグローブやジャケットを被せて絞り込めば固定できる場合もあります。
ただし、伸びたり破れたりする可能性があることは理解しておいて下さい。

固定する手段がないときは、とにかく気を付けるしかないです。
タイヤの前後に何か置いておくと多少マシになります。

4、体勢を整えてバイクを持つ。

引き起こしの基本姿勢

基本的な流れ。

  1. ハンドルを地面の方向へ切る。
  2. しゃがんで片足を後ろに。(陸上の短距離走 スタート時のような姿勢)
  3. ハンドルと※グラブバーなど頑丈で掴みやすいところを持つ。
  4. 出来るだけ体をバイクに密着させる。

※グラブバーは 2人乗りのとき、後ろの人が手で持って体を支えるパーツです。たいてい後部シートの横か下に付いています。

ハンドルを地面の方向へ切る。

ハンドルを地面と反対に切って持ち上げると、バイクが自分の向こう側へと動いてしまいます。
フロントブレーキが固定されていれば大丈夫ですが、外れる可能性も考えて地面の方に切っておきましょう。
持ち上げている最中に動かないように、限界まで切っておいて下さい。

しゃがんで片足を後ろに。

倒れた車体はタイヤを中心に半円を描くように起き上がっていきます。
力を入れる方向としては斜め上。
真上に持ち上げるのではなく斜め上に押していく感じです。
片足を下げると斜め上に押しやすくなります。

ハンドルとグラブバーなど頑丈で掴みやすいところを持つ。

初転倒では、焦って適当なところを持ってしまいがち。

※テールカウルを掴んで持ち上げて「バキッ!」
シートを持とうとして持ちにくくて苦戦。
なんてことにならないように、前もって掴む場所を決めておきましょう。

※テールカウル。シート後方あたりからテールランプ(ブレーキランプ)の間にあるプラスチックパーツのことです。シートのみでテールカウルの無い車種もあります。

体をバイクに密着させる。

上に持ち上げるだけなら必要ありません。
しかしバイクを起こすには斜め上、前に押していく力も重要です。
体を密着させれば、体全体で押せます。
手と太もも、手とお腹など 手だけよりも力を伝えやすくなります。
 
「体勢が悪いから仕切り直し」なんて場合も、ゆっくり元に戻しやすいです。

山田
山田

膝が入るスペースがあれば、片膝を入れてみて下さい。
太ももを使って押しやすくなる場合があります。

「両ひざを入れる」という説明を見たことがありますが、最初から両ひざを入れると正座状態になって立ち上がれません。
片膝にして下さい。

5、上ではなく斜め前へ、脚の力で押すように持ち上げていく。

脚の力で前に押すイメージ

腕より脚のほうが何倍も力が強いので、脚の力を使います。
手は持ち上げる為に引っ掛けておくフックだと思ってください。

タイヤが地面に着いた後は、タイヤを支点に半円を描くように起き上がっていきます。
真上ではなく斜め上に力を入れて起こしていきます。
タイヤが着くまでは支点となる部分がない為、上方向も意識して力を入れます。

弧を描くように起き上がる

タイヤが着いた後は前に押すことを より重視すると起こしやすくなります。
上に持ち上げるよりも前に押すほうが力を入れやすいからです。
お腹がシートの上に乗るぐらい思いきって押してください。
 
しゃがんでいる状態から立ち上がる上向きの力と合わせて、斜め上に押していって下さい。

神崎
神崎

前に押すことを意識し過ぎると、お尻が上がってしまうことがあるので注意して下さい。

鈴川
鈴川

お尻が上がっているということは、脚が伸びきっています。
前には押せますが、斜め上には押せなくなります。

タイヤが滑って動くほど地面が滑りやすいときは、一人で引き起こしをするのは危険です。
助けを呼ぶことを考えて下さい。

ある程度起き上がってきたら。

反対側へ倒さないよう慎重に力を入れて真っ直ぐになる直前ぐらいまで起こして下さい。
バイクはハンドルを切った方向と逆に傾く性質があり、いきなり真っ直ぐまでは起こさないほうが無難です。
先にサイドスタンドを出しましょう。
右側に倒れていてサイドスタンドを既に出している場合は、ゆっくりサイドスタンド側へ傾けていって下さい。
 
センタースタンドの場合は、真っ直ぐ直立させる前にハンドルも真っ直ぐにしましょう。

起こした後。

まず、(必要があれば)出来るだけ安全な場所、邪魔にならない場所に移動。

破損している箇所がないか確認。

レバーやペダルが曲がってしまうことがよくあります。
ガソリンやオイルが漏れていないか、ライトが割れていないかなどもチェックして下さい。
 
自分で直せない破損があったら、諦めてバイク屋を(助けを)呼びましょう。

レバーやペダルの曲がりは車載工具で直せる可能性がある。

アクスルレンチ(取っ手に丸い穴の「9」みたいな形をした工具)や、メガネレンチ(両端に穴がある)をレバー又はペダルに差し込みます。
そのまま引っ張るのではなく、てこの原理を使って直します。
レバーやペダルと同じ向き同じ角度、1本の棒となるようにすると「てこの原理」が使えてある程度 元に戻せます。

神崎
神崎

レバーは折れやすいので、慎重にゆっくりゆっくり直して下さい。

山田
山田

出先で完璧に戻すのは難しいです。

後日ちゃんと修理、または交換しましょう。

キルスイッチでエンジンを止めている場合は、キルスイッチをオンにする。

あまり使わない部品なので意外と忘れやすいです。

エンジンが かからない場合。

何も問題が無くてもエンジンがかからないことがあります。
転倒センサーという安全装置が働いてエンジンを停止させています。
キーとキルスイッチを両方オフにして、もう一度やり直すとだいたい かかります。

古いバイクは、5分ぐらい待つとエンジンがかかることがあります。
ものすごく簡単に言うと、
バイクが倒れてガソリンが変なところに入った。
起こして少し待ってる間に元に戻った。
という感じです。ホントに。
 
詳しく知りたい人は「バイク キャブレター オーバーフロー」で検索してみて下さい。

所長から、一言。

所長
所長

バイクを倒してしまうと、気恥ずかしさと焦りでなかなか冷静になれないかもしれません。

所長
所長

しかし、
ベテランでも、元レーサーでも倒すことはあります。

「だって倒れる乗り物なんだもん」

倒れるんだからしょうがないんです。落ち着いて対処しよう。