1. 止まっているときは、ギアチェンジ出来ない事がある。
2. クラッチレバーは、半クラッチの位置までチョンと一瞬引くだけでOK。
3. 全ての操作を同時に一瞬で行ったほうがスムーズにギアチェンジ出来る。

「教習所では教えてくれない?ギアチェンジのひみつ」ベスト3。
※わたしの独断。

教習所で聞こうと思っても、知らなきゃ聞きようがないですし、
知らないまま卒業してる人は多いんじゃないですかね。

私は、信号停止でギアチェンジ出来なくてバイク屋に文句を言いに行ったら、
「バイクってそういうもんですよ」「えぇぇぇ?」
そしてバイク屋のおっちゃんに対応策を教えてもらいました。
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知ってる情報は飛ばして下さい。
基本情報。

1. クラッチレバー。
レバーを引くとエンジンから伝わる力を弱めたり、切ったり出来ます。
全てのタイミングを完璧に揃えればレバーを引かなくてもギアチェンジ出来る瞬間があります。
しかし路面のギャップなどで乱れることもあるので、レバーを引いたほうが精神的にも余裕ができて安全です。
2. チェンジペダル。シフトペダルと言うこともあります。
左足で操作します。
下げるとシフトダウン。
上げるとシフトアップ。
ペダルの下に足を入れるときは横から回して入れます。
かかとは動かさずに、足先を回すようにすると姿勢が崩れにくいです。
足を前後に動かす方法だと、ステップに乗っている体重が一瞬抜けます。
ギアチェンジの度に姿勢が少し崩れますから、あまりオススメは出来ません。
膝から動かす形となるので、膝の曲がりのキツい車種だと疲れてきます。
クラッチレバー。

1. 遊び。
2. 半クラッチの範囲。
3. エンジンの力が伝わらなくなる範囲。
1. 遊び。
カタカタと抵抗なく動く部分。
何の影響も及ぼさない部分です。
レバーを引いていない時と変わりはありません。
レバーを引いていないとき。
何枚もあるクラッチ板がバネで押されて固定されています。
エンジンの力がクラッチ板を回します。
クラッチ板が最終的にリアタイヤを回してバイクが前に進みます。
2. 半クラッチ。(半クラ)
バネが少し縮んでクラッチ板に少しだけ隙間ができます。
クラッチ板が滑って、しっかりとは回りません。
エンジンの力が完全には伝わらなくなります。
エンジンの力が伝わりにくいので、発進のとき急に飛び出すのを抑えることが出来ます。
ショックが出やすいシフトダウン時の衝撃を緩和することも出来ます。
ゆくっりギアチェンジを行った場合もショックが出やすくなります。
初心者のうちは、ゆっくりレバーを放していくやり方で半クラッチ部分を使っている人も多いはず。
3. エンジンの力がほぼ伝わらない部分。
クラッチが完全に切れた状態。「クラッチを切る」などと表現されます。
バネが縮んでクラッチ板に隙間ができて、空回り状態となります。
通常は、いちばん範囲が広くなっています。
走行中に限界まで引く必要はありません。
停止時は、万が一に備えて深めに引いて下さい。

多くの車種で、ある程度の位置調節が可能です。
初心者の方は自分で色々と動かすと、一般的な設定が分からなくなるかもしれません。
バイク屋などに相談して調節してもらうのがオススメです。
チェンジペダル。(シフトペダル)

2速からペダルを上げると3速に入ります。(ペダルは元の位置に戻ります)
3速からペダルを上げると4速に。
4速からペダルを下げると3速に。
という動きで、ひとつづつ変わっていきます。
3速から5速のように飛ばすことは出来ません。
1速と2速の間にニュートラル(エンジンの動きが伝わらない箇所)があります。
軽くチョンと動かすとニュートラルに入ります。
しっかり操作するとニュートラルを飛ばして1速や2速に入ります。

ニュートラルに入れたいのに1速、2速を繰り返す。
あるあるですね。
慣れてきてもたまにやっちゃいます。
焦らずに、ちから加減を覚える良い機会だと捉えましょう。
ギア抜け。
例えば、3速から4速にしようとした時に、3と4の間で止まってしまうこと。
ニュートラルと同じような状態になります。
軽く「チョン」と操作すると起こりやすい現象です。
チェンジペダルはしっかりと操作して下さい。
対処方法。
クラッチレバーを半クラッチ位置より深く引いて、元のギア(上記の例なら3速)に戻す。

頻繁にギア抜けするときは、どこかの部品が寿命か故障という可能性が高いです。
バイク屋に相談して下さい。
教習所方式のギアチェンジ。
- アクセルを戻す。
- クラッチレバーを引く。
- ペダルを操作。
- クラッチレバーをゆっくり放していく。
(半クラッチ部分で衝撃を緩和) - 半クラッチ位置からアクセルを徐々に開けてスピード調節。
減速して停止するときは、半クラッチを長めにして衝撃を逃がしながらシフトダウン。
教習所方式は、丁寧に行うと時間がかかります。
慣れてきたら、全ての操作を早く行うようにしていって下さい。
丁寧すぎるギアチェンジによるリスク。
- 操作に集中して時間がかかれば安全確認など他の行動に影響が出ます。
- 公道でゆっくり操作しているとスピードが落ちていってしまいます。
- レバーを引いている時間が長くなり左手が疲れます。
- ゆっくり操作するほどギアチェンジした時にショックが出やすくなります。
衝撃を逃がす為に半クラッチを多用することとなります。 - 半クラッチを長く使えば使うほどクラッチは磨耗していきます。

ただし、クラッチの寿命がすぐに来るわけではありません。
運転に慣れるまでは、クラッチの磨耗など考えなくてもOKです。
レバーを引いたまま連続でギアチェンジはダメ。
- ギアチェンジ出来ないときがあります。
- 不安定な状態が続きます。
エンジンの力が伝わっていないとバイクは不安定になります。 - 加速が必要になったときに対応が遅れてしまいます。
- 左手が疲れます。
スピードに合ったギアで走らないと、すぐに加速できないおそれがあります、
特に上り坂で減速したときにシフトダウンをサボると、そこから加速が必要になった場合、かなり対応が遅れてしまいます。
停止時にギアチェンジする方法。
止まっているときにギアが入らない(ギアチェンジ出来ない)ことがあります。
バイクの構造上よく起こる現象です。
なるべく停止する前に 1速まで落として下さい。
ただ、急ブレーキなどギアチェンジ出来ずに停止してしまう場合もあるでしょう。
そんなときの対処法が いくつかあります。
1. 車体を前後に10~20センチほど動かしながらギアチェンジ。
ほぼ確実にギアチェンジ出来ます。
動いている時にペダルを操作して下さい。
足がしっかり着いて動かせないとやりにくいのが欠点です。
※エンジンが止まっているときは、クラッチレバーを握らないほうがギアチェンジしやすいことが多いです。
2. ブレーキをかけながら半クラッチのギリギリ手前ぐらいにしてギアチェンジ。
ギアチェンジ出来ることがあります。
動き出さないように必ずブレーキをかけておいて下さい。
この方法は、エンストするリスクがあります。
バイクが動きだそうとするぐらいクラッチを緩めるとエンストします。
エンストすると「1.車体を前後に10~20センチほど動かしながらギアチェンジ」の方法に変えて下さい。
3. アクセルを少しだけ開ける。エンジンの回転数が落ちてきたところでギアチェンジ。
タイミングが合えばかなりの確率でギアチェンジ出来ます。
回転数はあっという間に落ちるので焦らず何度か試してみて下さい。
クラッチレバーを引いている状態では、アクセルが抵抗なく簡単に回ります。
開けすぎに注意して下さい。2~3回やれば感覚は掴めます。
2500回転ぐらい回ればだいたいギアチェンジ出来ます。
車体を動かしながら~がベストです。
3番のアクセルを開ける方法は、知らない人からすると「停止時にブオンブオンやってる」ように見えてしまいます。
跨がったまま動かせない場合、静かな路地などでは、降りて動かすことも考えてみて下さい。

公道デビューした頃の自分に教えてあげたい。
スムーズなギアチェンジ方法。
シフトアップ。
1、アクセルをほんの少し一瞬だけ戻す。
1、クラッチレバーを半クラッチの位置まで一瞬だけ引く。
1、左足でペダルを上げる。
全てほとんど同時に一瞬で行います。
感覚的にはアクセルを1cm戻して、またすぐ元の位置へ。
クラッチレバーは遊び含めて2~3cm「チョン」と引く。
※車種、セッティングなどで多少 変わります。

レバーもペダルも抵抗なく動く「遊び」が終わる位置まで動かしておいたほうがやりやすい可能性が高いです。
早く済ませれば余裕が生まれて安全運転につながりますし、スピードもほとんど落ちません。
クラッチの磨耗も最小限にできます。
最初から一瞬でやろうとしても、上手くいかないかもしれません。
少しずつ早くしていけば出来るようになります。

体が固く、指の柔軟性も足首の柔軟性もダメダメ。
そんな私でも出来るようになりました。
みんなすぐ出来ますよ。きっと。
ほとんど同時に行えば、クラッチレバーを引かなくてもシフトアップ出来ます。
しかし、路面の凹凸で操作がズレたり、ギアが入らなかったり(ギア抜け)したときに
クラッチレバーに指がかかっていれば対処しやすくなります。
レバーを引かずにタイミングがズレた状態でギアチェンジすると、いかにも「ギアが痛みました」という嫌な音がします。
実際ちょっと痛んでます。
もちろんチェンジも出来ていません。
長距離ツーリングで左手が疲れて痛いなど特別な理由がない限り、
慣れてきてもレバーは引くことをおすすめします。
初心者向けシフトダウン方法。
6速→5速→4速のシフトダウンは、シフトアップと同じ方法でほぼ問題ありません。
- アクセルを完全に戻して停止に向けて減速しているとき。
- アクセルを大きく開けて回転数が高いとき。
- 3速・2速・1速へのシフトダウン。
これらの場合は、ショックが出やすいので衝撃を吸収する必要があります。
大前提。
回転数が下がるまで待つ。
なるべく2,000回転以下、出来れば1,500回転以下。
1、アクセルを戻す。
戻して減速しているときはそのまま。
1、クラッチレバーを半クラッチ位置よりちょっとだけ多めに引く。
1、ペダルを踏んで下げる。
※ここまでは、ほぼ同時に。
2、半クラッチ位置でちょっとだけ待ってショックを吸収。
エンジン回転数が1,500回転以下でスピードが遅いときはショックもほとんどありません。
このような場合、すぐにクラッチを放したほうがスムーズにチェンジ出来ます。
車種によって微妙に違うので、自分のバイクの特徴に合わせて下さい。
2、ブレーキをかけている場合は、ブレーキ操作も疎かにせず速度調節。
加速が必要になったときは、半クラッチ位置からアクセルを開けていく。
教習所方式との違いは、
・レバーは半クラッチ位置より少し多めに引くだけでOK。
・ペダル操作は、レバーとほぼ同時でOK。
というところですね。
ブリッピングシフトダウン。
6速で60キロのときエンジン回転数は3000回転。
5速で60キロのときエンジン回転数は4000回転。
4速で60キロのときエンジン回転数は5000回転。
といった感じで同じスピードでもギアを下げると回転数が高くなります。
・エンジン回転数が高くなると、エンジンブレーキが強くなります。
・ギアが低くなるほどエンジンブレーキが強くなります。
この回転数が上がる事とギアが下がることで急に強くなるエンジンブレーキがシフトダウンの主な衝撃となります。
シフトダウンの瞬間にアクセルを開けて回転数を上げる。
これで衝撃を減らすのがブリッピングシフトダウンです。
アクセルを開けますから、通常はアクセルを戻して減速しているときに使う手法です。

連続で素早くシフトダウン出来ます。
エンジンブレーキを適切な強さで使えるので、制動距離を短く出来ます。
方法。
0、アクセルを戻して(場合によってはブレーキをかけながら)減速。
1、(ブレーキをかけたまま)アクセルを一瞬開けて衝撃の出ないちょうどいい回転数まで上げる。
1、半クラッチ位置までレバーをチョンと引く。
1、ペダルを踏んで下げる。
※全ての操作をほぼ同時に一瞬で行う。

え?
ムリムリ。

私も初めて聞いたときは、
「いやいやムリでしょ」
って思ったよ。
最初は低回転で、クラッチレバーを少し深く引いて。
回転数が高いとアクセルを大きく開けなければなりません。
エンジンブレーキも強くかかるので、シビアに回転数を合わせないとショックが出ます。
できるだけ回転数が低くなってきてから行うと、アクセルを開ける量が少なくて済みます。
エンジンブレーキも弱くなってくるので、ピッタリ回転数を合わせなくてもショックが出にくくなります。
クラッチレバーも半クラッチ位置より少し深く引いて、全体的に ゆっくりと操作。
徐々に早くしていくのがオススメです。

ブレーキレバーを4本指で操作していると、かなり難しいです。
基本の姿勢を崩さないのは、人差し指1本・人差し指と中指の2本。
腕を上下させることなく操作できます。
シフトダウンも完全にタイミングが合えばレバーを引かなくてもギアチェンジ出来ます。
ただ、かなり難しいです。
ほんとに難しいので、初心者は好奇心で試してみたりしないようにして下さい。
公道では迷惑にならないように。
連続でブリッピングシフトダウンをすると、連続でアクセルを煽ることになります。
低回転で大きな音を立てないようにしても、バイクに興味のない人からは
「無茶な運転をしてる」
と思われてしまうかもしれません。
特に狭い路地や近くに歩行者がいる場合は、やらないほうが懸命です。
オートブリッパー。
シフトダウンのとき、自動的にアクセルを開ける操作と同じ効果を出してくれる装備。
主にスポーツタイプのバイクに搭載されています。
後付け出来る車種もあります。
どんな時も、適切な量だけアクセルを開けてくれるというものではありません。
街中でなるべく迷惑にならないようにアクセルを小さく開けたときのような設定が主流です。
回転数が高いとき以外は、アクセルを開ける操作も半クラッチも不要になります。
楽になりますが、歩行者がいる狭い道などで意図せず発動してしまうデメリットがあるとも言えます。
アシスト&スリッパークラッチ。
半クラッチを使わなくても自動で半クラッチのような状態を作り出してくれる装備。
シフトダウンによるショックを抑えるときに効果的です。
主にスポーツタイプのバイクに搭載されています。
後付け出来る車種もあります。
構造上の副産物として、クラッチレバーが軽く動くようになります。
デメリット。
- 頼り過ぎるとギアチェンジ操作が上達しない。
- 作動させればクラッチは磨耗していく。
- 値段が高い。
無意識に素早くギアチェンジが出来るようになれば、運転に集中できて安全につながります。
アシスト&スリッパークラッチに頼りきっていると、付いてないバイクに乗り換えたときに困ることになります。
すぐにクラッチの寿命が来ることはありませんが、磨耗していけば性能は低下していきます。
値段も高いので、可能であれば磨耗させないほうがいいでしょう。

アシスト&スリッパークラッチが付いていても、
素早く性格なギアチェンジの技術は身に付けておいたほうがいいですね。
バイク専用グローブを使おう。
主な特徴。
- 各所に滑り止めが付いている。
- グリップを握っても突っ張らない形。
- 破れやすい場所に補強がされている。
- 安全性の高い製品が多い。
全体的に革で出来ていたり、適切な場所に滑りにくい素材が使われていたりします。
滑って逃げていく力が減り、
レバー操作が軽くなります。アクセルも軽くなります。
微妙な操作もやりやすくなります。
初心者こそ専用のグローブを使うことをオススメします。
所長の次回予告。

次回予告!
・・・何にしましょ?
Uターン。かな。