バイクに乗りながらスマホやタブレットの充電が出来るUSB電源。
グリップヒーター、電熱ウェア、ナビ、アクションカメラなども、USB電源から充電できるモデルがあります。
取り付けが難しいイメージがあるんだよね。
有名メーカーには、取り付けが簡単な製品もあるよ。
後半で、コード接続に必要な部品・工具も説明します。
取り付けが簡単な おすすめ製品は、こちらをご覧ください。
・注意点。
基本的に「使用中の差し込み口」は防水ではありません。
ドライブレコーダーなど、作動しなくなると困る物は接続しないほうが無難です。
※防水ケースを加工して被せるなど対策は可能です。
・熱暴走。
スマホを充電しながら長時間使っていると、熱暴走(熱くなりすぎて止まってしまう)のおそれがあります。
しばらくスマホが使えませんし、バッテリーは熱くなると劣化します。
可能性は低いですがスマホやUSB電源が故障してしまうこともあります。
冷却シートを貼ったり、クールタオルを敷いたりして応急処置は可能です。
熱暴走について検索すると、このような対策方法が沢山でてきます。
しかし、バッテリーの劣化を完全には防げません。
スマホ販売メーカーも充電しながらの使用は推奨していません。
ほとんどの人がバッテリーの劣化は諦めて充電しながら使っていると思いますが、熱暴走が起こるまで酷使するのは、なるべくやめましょう。
それでは基本情報から説明していきます。
知ってる情報は飛ばしながら見て下さい。
基本情報。
- USBポート。(差し込み口)
- プラス配線。
- マイナス配線。
- 変圧器。
1. USBポート。
USBポートは、電源取り出し用の差し込み口が付いているところです。
「USB電源本体」と書かれていることもあります。
一般的に、ハンドル周りなどスマホホルダーと近い位置に取り付けます。
「スマホとUSBポートを繋ぐケーブル」いわゆる「充電ケーブル」を使うことでスマホの充電が出来ます。
※スマホ以外の電気製品でも充電ケーブルを使って充電できる製品があります。
差し込み口の形状。
差し込み口の形状に合った充電ケーブルが必要です。
USBポートは主に「USB Type-A」と「USB Type-C」の2種類。
スマホ側の差し込み口は「USB Type-C」が主流。
使用する機器とUSBポートの形状に合った充電ケーブルを用意して下さい。
古いiPhoneは「Lightning」
かなり古いandroidスマホは「Micro USB Type-B」です。
充電ケーブルを購入する前に、しっかり確認して下さい。
2. プラス配線。(ACC配線)
バッテリーのプラス端子、もしくはプラス端子と繋がっている線 (コード) に接続します。
「プラス配線」ではなく、「ACC配線」と表記される場合もあります。
ACCはアクセサリーと読みます。
一般的に、
プラスの線は赤色。マイナスの線は黒色です。
バッテリーに直接つなぐと、使っていないときでもバッテリーが少しずつ減っていきます。
バッテリーの消費を抑える為に、メインキーONで12V(ボルト)、OFFで0(ゼロ)Vになる線に繋ぐ形が主流です。
メインキーONで12V、OFFで0(ゼロ)Vになる線を「(バイク側の) ACC配線」「ACC電源(線)」と呼びます。
コードの長さは製品によって違います。
たいてい商品説明に書かれているので確認して下さい。
購入前に、配線コードの長さが足りるのか実際に自分のバイクで取り付けたい場所を計っておきましょう。
ON、OFFスイッチが付いた製品や、配線コードを簡単に外せる製品なら、バッテリーに直接つないでもバッテリーは ほとんど減りません。
3. マイナス配線。
バッテリーのマイナス端子、又はボディーアース(※)に繋ぎます。
※ボディーアース。
バイクの金属部品の多くは、バッテリーのマイナス側と繋がっていて、マイナス配線の代わりに使えます。
バッテリーのマイナス端子の代わりに、金属のボルトなどを使うことをボディアースと言います。
4. 変圧器。
変圧器は、バッテリーからの12V(ボルト)の電気をスマホ充電などに適した5Vに変換します。
USBポート内やコードの途中にあります。
・変圧器がコードの途中にある場合。
変圧器は少しかさ張りますし、変圧器の近くのコードを強く曲げると断線のおそれがあります。
熱くなる場所、熱がこもりやすい場所も避けなければなりません。
取り付ける場所をよく考えて設置して下さい。
USB電源の種類と特徴。
基本情報が続きます。
知ってる情報は飛ばして下さい。
USBポートの数。
USBポートはスマホの充電ケーブルなどを繋ぐ為の「差し込み口」
数は 1ポートか 2ポートが主流です。
- USBではなく「シガーソケット」
- USBとシガーソケット。
- USBが2ポートとシガーソケット。
- ワイヤレス充電できるスマホ ホルダー型。
シガーソケット。
車に付いていることが多い電源取り出し用の丸い差し込み口です。
一般的にUSBポートより出力が高め。
消費電力が高いグリップヒーターなどに向いています。
シガーソケットには、USB2ポートや3ポートが付いたカーチャージャー(変換アダプター)など色々なアクセサリーを付けることが出来ます。
・シガーソケットの注意点。
- バイクの振動でカーチャージャーが外れる危険性があります。
なるべく横向きには取り付けず、少し上を向くように取り付けたり、あまりハミ出さないカーチャージャーを使うなどして下さい。
- バッテリーの充電が追いつかない場合があります。
バイクはある程度エンジン回転数が上がると(アクセルを回すと)バッテリーに電力が供給されます。
しかし、小排気量のバイクは供給される電力が低めです。
消費電力の高い機器、又は一度に沢山の機器を充電するとバッテリーが減っていきます。
小排気量のバイクで多くの機器を充電したいなら、モバイルバッテリーの併用をおすすめします。
カーチャージャーを輪ゴムやヘアゴムで固定している人もいますね。
カーチャージャーは100円ショップでも売っているので、落ちないように固定できるか安い製品で試してみてもいいですね。
100円ショップで100~500円ぐらい。
基本的にUSBポートの数が増えると値段が高くなります。
使用目的に合わせて選びましょう。
- 充電するのがスマホだけなら、1ポートかワイヤレス充電タイプ。
- 2つの機器を充電したいなら、2ポートタイプ。
- 3つ以上の機器、消費電力の高い機器を充電するならシガーソケットが付いたタイプ。
という感じですね。
・ワイヤレス充電タイプの注意点。
Apple社が、バイクの振動がiPhoneのカメラ機能に影響するおそれがあると発表しています。
スマホの固定は揺れを抑える「防振マウント」を使用して、長期間の常用はなるべく避けるようにと注意喚起をしています。
スマホ ホルダーに貼り付けるワイヤレス充電器があります。
貼り付けタイプなら、防振マウントが使えます。
一部のバイク用品メーカーは、同社のスマホホルダーを防振に出来るアダプターをオプションで販売しています。
USB電源の出力。
スマホは、1A(アンペア)ぐらいで充電できます。
しかし、
高速充電や使用しながらの充電、スマホ以外の充電となると 2A(アンペア)以上が望ましいです。
・W(ワット)数で表記されている場合。
計算上は10W(ワット)以上となります。
2A×5V=10W。
・消費電力の高い機器も多い。
高速充電用のケーブルには、18Wや20W対応の製品があります。
グリップヒーターは、10W~40Wぐらい必要です。
スマホを高速充電したい。
色々な機器を接続したい。
という人は、なるべく出力が高めのUSB電源を選びましょう。
多くの製品が2A以上の出力となっていますが、「2ポートの合計が2A」といった製品もあります。
商品説明や仕様をよく確認して下さい。
シガーソケットは出力が高めの場合が多いです。
高速充電について。
- PD (パワー デリバリー)
- QC (クイック チャージ)
対応製品には、「PD3.0」や「QC3.0」といった表記がされています。
数字は大きいほど新しい規格です。
使用する機器だけでなく、充電ケーブルも対応していないと高速充電は出来ません。
androidは、多くの製品がQCとPDに対応しています。
iPhoneは、PDのみ。QC2.0・QC3.0には対応していません。QC4以降はPDと互換性があるので高速充電できます。
給電方法。
主にバッテリー直結とACC連動。
ショート回避の為の順番。
・バッテリーの端子を緩めてコードを外すときはマイナスから。
・コードを繋ぐときはプラスから。
バッテリー直結。略して「バッ直」
バッテリーのプラス端子にプラス配線、マイナス端子にマイナス配線を繋ぎます。
メリットは配線の接続が簡単。
デメリットはバッテリーが徐々に減っていくこと。
USBポートに何も接続していなくても微妙に電気が流れており、バッテリーが徐々に減っていきます。
・オンオフのスイッチが付いた製品を使う。
・長時間使わないときはコードを外す。
などである程度の対策は可能です。
バッテリー直結はバッテリーのボルトに挟み込むだけで取り付け可能で、電気の知識がなくても接続することが出来ます。
このことから、「取り付けが簡単」と書かれていることも多いです。
しかし、
バッテリーからUSBポートまでコードむき出しというわけにはいきません。
たいていタンクやカウルなどを外す必要があります。
初心者の方は、作業前にバイク屋に相談することをオススメします。
外さなければならないパーツと必要な工具、外すボルトの位置などを教えてもらいましょう。
ACC連動。
USB電源のプラス(ACC)配線を、
メインキーをONにした時だけ12V、OFFのときは0(ゼロ)Vとなる線(バイク側のACC配線)に繋ぎます。
「検電テスター」でACC配線を探して、取り付け部品を使ってACC配線に繋ぎます。
取り付け部品によっては配線の加工が必要となります。加工する為の専用の工具も必要です。
※詳しい内容はこの後の「取り付け方」で説明します。
メリットは、バッテリーが減っていかないこと。
デメリットは、バッテリー直結よりも配線を繋ぐのが難しいこと。
USB電源の防水性能。
基本的に、USBポート(差し込み口)にフタをしている時の防水性能です。
バッテリーなどに繋ぐ配線の接続部分も防水ではありません。
USBポートのフタが傘代わりになったり、差し込み口を引っ込めたり出来る製品がありますよ。
強い雨は防げませんが、雨が降ってきたときに ちょっと余裕を持って対応できます。
性能は IP表示というもので示されます。
具体的には「IP55」「IP56」「IPX5」「IPX6」など。
防水性能は、最後の数字(4番目の数字)です。
最後の数字 | 試験内容 |
---|---|
5 | 1分間に12.5Lの水をかける。最低3分。 |
6 | 1分間に100Lの水をかける。最低3分。 |
7 | 水深1mに30分間つける。 |
最後の数字が5であれば、そこそこ強い雨にも耐えることが出来ます。
6は、かなり激しい雨にも耐えられます。
洗剤を含む水は浸透力が上がります。
洗車のときは外すか、ビニールを被せるなどして保護して下さい。
ちなみに、3番目の数字は防塵(ホコリ)に対する性能です。
0~6までで、数字が大きいほど性能が高くなります。
3番目がXだと、防塵の検査はしていないということになります。
取り付け方。
おおまかに分けて 3つの方法があります。
- 取り付け用の工具、部品を買って自分で取り付ける。
- 簡単に取り付けられる製品にする。
- お店で取り付けてもらう。
順番に説明していきます。
自分に必要ない情報は飛ばして下さい。
取り付けは、
- 色々な工具が必要。
- 作業する場所が必要。
タンクやカウルを外す場合はかなり広いスペースが必要。 - 時間が必要。
作業場所によっては、一気に終わらせないといけない。
と、知識がある人でも難しいことがあります。
取り付けが難しそうなときは、
簡単に取り付けられる製品にするか、お店で取り付けてもらうことをおすすめします。
お店で取り付けてもらう場合、USB電源を そのお店で購入するのが基本です。
※持ち込みは受け付けてくれなかったり、工賃が高くなったりします。
取り付けが簡単な製品。
別タブで開きます。最後にも関連記事の一覧があります。
取り付け方の説明が続きます。
自分に関係ない情報は飛ばしてください。
自分で取り付ける。
USB電源を自分で取り付ける方法。大まかな流れ。
- 正常に動くかテスト。
- シート、タンク、カウルなど邪魔になるパーツを外す。
- ACC配線を探す。
ボディアースを使うならボディアースの場所も探す。 - ショート回避の為にバッテリーのマイナス側を外す。
- USB電源のプラス(ACC)配線をバイクのACC配線に接続。
- USB電源のマイナス配線をバッテリーのマイナス端子(又はボディアース)に接続。
- 正常に動くかテスト。
- 配線を目立たないように処理。
- 外したタンクやカウルの取り付け。
あくまで基本的な方法で、全ての車種に当てはまるものではありません。
ちゃんと繋いでいるのに、電気の流れが安定しない・少ない・走り出すと切れるといったことは起こり得ます。
上手くいかないときはバイク屋に相談して下さい。
1. 正常に動くかテスト。
USB電源のプラス(ACC)配線をバッテリーのプラス端子に、マイナス配線をバッテリーのマイナス端子に接触させます。
固定できるなら仮固定します。
USBポートにスマホなどを繋いで正常に作動するか確認します。
取り付けた後で不良品だったら目も当てられませんから、最初に動作確認しておきます。
2. シート、タンク、カウルなど邪魔になるパーツを外す。
USBポートを仮留めして、配線をどこに繋ぐか考えます。
配線を目立たないように設置する為に邪魔なパーツを外します。
例えば、
USBポートをハンドルに、配線をシート下のバッテリーに繋ぐと、バッテリーとハンドルの間にあるタンクが邪魔になります。
配線をタンクの下に通すなら、タンクを外す必要があります。
初心者の方は、作業前にバイク屋に相談して下さい。
必要な工具や外すボルトなどを教えてもらいましょう。
メジャーな車種ならネット上に情報がある場合も。
スクーター。セパレートハンドルのバイク。
・セパレートハンドル。
ハンドルが1本のバーで繋がっておらず、右側と左側を分けて(セパレート)取り付けられているハンドルです。
低めに設置できるという特徴があります。
ハンドル周りが樹脂パーツで覆われているスクーターや、セパレートハンドルの車種は、ハンドルのパイプ部分の露出が少なく、USBポート・スマホホルダーなどのアクセサリーを取り付けにくくなっています。
取り付け用の対策品が色々と販売されていますので、購入前にチェックしておいて下さい。
- 「クランプバー」と呼ばれるバーを付けて、クランプバーにUSBポートを付ける。
- 最初からバーが付属しているUSB電源を使う。
- グリップの横にも付けられる細いUSB電源を使う。
- カウル付きの車種ならカウル内に取り付ける。
クランプバーは、取り付ける場所によって形状が違います。
取り付け場所は主に「ミラー」「ハンドル」「ハンドルポスト」
ハンドルポストは、ハンドルを固定している部品です。
固定しているボルトを少し長めのものに交換して、クランプバーをハンドルと一緒に共締めします。
3. ACC配線を探す。ボディアースを使うならボディアースの場所も探す。
ACC配線は、メインキーONで12V、OFFで0(ゼロ)Vになる線。
「検電テスター」という工具を使って調べます。
価格は500円~1500円ほど。
- ヘッドライト。
- テールランプ。
- ウインカー。
- ホーン。
- ブレーキスイッチ(ブレーキランプ)。
- メーター類。
- イグニッション(メインキー)。
- ヒューズ。
コード付きのヒューズに取り替えられます。
これらから伸びている配線を辿って探します。
取り付けやすい場所から調べていくといいでしょう。
ヒューズの位置は取扱説明書に載っています。
バイクのバッテリーは12V(ボルト)ですが、すごく古いバイクのバッテリーは6Vだったりします。
USB電源は、基本12V用です。
12Vが必要な電子機器は、6Vバッテリーでは使えませんので注意して下さい。
検電テスターの使い方。
検電テスターのクリップをバッテリーのマイナス端子、又はこの後に説明するボディアースに付けます。
テスターの先端を配線の被覆に突き刺すか、配線の先端にある金属部品に当てて調べます。
※突き刺した場合は、絶縁テープ (ビニールテープ) を巻くなどして穴を塞いでおきます。
基本的に、バイクの配線の先にはカプラー (コネクター) やギボシ端子など何らかの部品が付いています。
カプラーやギボシ端子は付け外し可能なので、調べたいところを外します。
外した部品の隙間にテスターの先を差し込んで金属部分に当てれば、コードの被覆に穴を開けずに済みます。
ヒューズも隙間から調べられます。
どこにも繋がっていないカプラーがあれば、まず最初に調べてみてください。
ACC専用の可能性が高いです。
テスターのクリップをバッテリーのマイナス端子に接続、
テスターの先端を皮膜に突き刺すか、カプラーなどの金属部分に当てたら、
キーON・OFFを繰り返して、ONで電気が流れOFFで流れなくなる線を探します。
検電テスターを突き刺した場合は、絶縁テープ (ビニールテープなど) を巻いてください。
・検電テスターの詳しい使い方は下のリンクが参考になります。
車での説明ですがとても分かりやすいです。
参考リンク:DIYラボ 検電テスターの正しい使い方。
リンクは別タブで開きます。
・サーキットテスター。
検電テスターの上位モデルのようなテスターです。
価格は1000円~10000円ほど。
電気の流れだけでなく、電圧(ボルト)や電流(アンペア)の数値が分かります。
参考リンク:DIYラボ テスターの使い方。
別タブで開きます。
検電テスターのコードが短いと、バッテリーのマイナスから調べたい場所まで届かないことがあります。
届かない場合はボディアースとなる場所にクリップを取り付けます。
ボディーアース。
バッテリーのマイナス端子から出ている配線は、フレームなどの金属パーツに繋がっています。
マイナス端子と繋がっている金属パーツにも電気が流れているので、金属パーツのボルトなどをマイナス端子の代わりに使うことが出来ます。
プラスチックパーツに付いているボルトや塗装されたボルトは電気が流れないので使えません。
完全に離れた場所の金属パーツもダメです。
・ボディアースとして使える場所の確認。
検電テスターのクリップをバッテリーのプラス端子に付けて、調べたい場所にテスターの先を当てます。
プラス端子に付けたクリップの金属部分が車体金属に当たるとショートする可能性があります。
バッテリーが奥まった場所にあって、クリップを付けにくいときなどは無理にやらないで下さい。
慎重に行うなら、バッテリーのプラス端子に付けた検電テスターのクリップを、絶縁テープ (ビニールテープ) でグルグル巻きにします。
他の方法として、
USB電源のプラス(ACC)をバッテリーのプラスに、マイナスをボディアースに使いたい場所に接触させます。固定できるなら仮固定します。
USBポートにスマホなどを繋いで作動すればボディアースとして使える場所です。
4. ショート回避の為にバッテリーのマイナス側を外す。
取り付け作業の前に、バッテリーのマイナス端子に付いている配線を外しておきます。
USB電源など電装品の説明書にもほぼ必ず書いてある簡単なショート回避の方法です。
忘れずに行って下さい。
マイナス端子を外す際、バッテリーのマイナス端子に工具が触れている状態で、プラス端子にその工具の端(金属部分)が触れるとショートしてしまいます。
バイクのバッテリーは、プラスドライバーで外すタイプが多いので滅多に起こることではないですが、注意して作業して下さい。
5. USB電源のプラス(ACC)配線をバイクのACC配線に接続。
「はんだ付け」もしくは、「接続する為の部品」を使って接続します。
- エレクトロタップ。
- 接続コネクター。
- ギボシ端子。
- 電源取り出しハーネス。
- ヒューズ電源。
接続部品の説明が続きます。
知っている人、自分で取り付けない人は飛ばして下さい。
エレクトロタップ。
「配線コネクター」「結線コネクター」と呼ばれる場合もあります。
USB電源のプラス(ACC)配線とバイクのACC配線を挟み込むだけで接続が可能。
金属部分が皮膜に刺さってコードの芯線に接触する。という仕組みです。
使う工具も車載工具によく入っているプライヤーがあればオーケー。
先の細いラジオペンチはしっかり挟めないので使わないようにして下さい。
※色で使用できる太さが分けられています。配線の太さは必ずチェックして下さい。
※太さの違うコードを接続できる「異線径配線コネクター」「異線径分岐タップ」という商品もあります。
・メリット。
コードの途中に挟み込むので、(バイク側の)配線の先端がどのような形状でも関係なく加工も必要なし。
とても簡単に接続できます。
・デメリット。
皮膜に傷が付く。
他の方法より少しかさ張る。
脱着できない。
詳しい使い方は、こちらをご覧ください。
別タブで開きます。最後にも関連記事の一覧があります。
・接触不良。断線。
エレクトロタップを調べると、接触不良と断線の情報が複数見つかります。
- 太さの合わないエレクトロタップを使用。
- プライヤーではなくラジオペンチを使用。
- 皮膜の硬化(経年劣化で硬くなる)などコード側の問題で金属部分が芯線に触れていない。
皮膜がちゃんと切れていない場合、カッターで芯線を露出させると接触不良が直ることがあります。
詳しくは上記「関連記事」をご覧ください。
接続コネクター。
配線コードの先端に取り付けて、コード同士を接続できます。
特別な作業は必要なく、配線を差し込んでプライヤーで留めるだけ。
外すことも出来ます。
・デメリット。
配線の先端にしか使えないこと。
先端に使うには、後で説明する「電源取り出しハーネス」「ヒューズ電源」などを先に設置して、そこから出ているコードの先端を使うパターンが簡単です。
しかし先端によく使われているのは次で説明する「ギボシ端子」です。
詳しい使い方は、こちらをご覧ください。
別タブで開きます。最後にも関連記事の一覧があります。
ギボシ端子。
2ヶ所あるツメを配線コードに圧着する(強く押し付ける)ことで取り付けます。
取り付け後は付け外しが出来ます。
取り付けには「電工ペンチ」「圧着ペンチ」という工具が必要です。
電工ペンチの価格は500円~3000円ほど。
圧着ペンチは主にプロ用で、5000円~1万数千円ほど。
ギボシ端子には「オス」と「メス」が有り、メスはスリーブ (絶縁用の透明カバー) で全体が覆われています。
ショートを防ぐ為に、バッテリーからの電気が来るバイク側のACC配線にメス端子を取り付けます。
先端に使うには、この後で説明する「電源取り出しハーネス」「ヒューズ電源」などを先に設置して、そこから出ているコードの先端を使うパターンが簡単です。
「電源取り出しハーネス」「ヒューズ電源」は、取り付けるまでもなく最初から「ギボシ端子メス」が付いている製品が多数あります。
- 電工ペンチで配線の皮膜を剥き、スリーブ(絶縁カバー)を通しておきます。
- バイクのACC線にメス端子、USB電源のプラス(ACC)線にオス端子を付けます。
- 電工ペンチでギボシ端子を圧着させ、スリーブを被せます。
- オス端子とメス端子を接続。
オス端子のくぼみがハマってしっかり固定されるまで差し込みます。
メリットは、ギボシ端子を使用している製品が多いこと。脱着できること。
デメリットは、配線の先端にしか使えないこと。
詳しい取り付け方は、こちらをご覧ください。
別タブで開きます。最後にも関連記事の一覧があります。
・ギボシ端子のサイズに注意。
バイク用品メーカーと、カー用品メーカーでよく使われるサイズが違います。
同じサイズのギボシ端子を使うようにして下さい。
- バイク用品:CA/CB103、3.5mm。
- 車用品:CA/CB104、3.96mm。
サイズはメス端子とオス端子の接続部分の大きさです。
正確には「メス端子先端の内径」「オス端子の先端部分の外径」です。
また、バイクメーカーでも使用サイズが異なります。
・ホンダ:3.5mm
・ヤマハ:3.96mm
・スズキ:3.5mm、3.96mm
・カワサキ:独自のサイズ。
バイクに最初から付いているギボシ端子のサイズと、
バイク用品に付いているギボシ端子のサイズが違う場合があります。
事前に計っておくか、バイク屋に聞くなどして確認しておいて下さい。
・配線の先端を抜き出すのはちょっと難しい。
カプラー(コネクター)に付いている配線を抜いて先端を加工するには「端子抜き」という工具を使います。
マチ針を使うといった方法も紹介されていますが、ちょっと難しいと思います。
※「電源取り出しハーネス」「ヒューズ電源」などを使うほうが簡単です。
参考リンク:バイク雑誌ヤングマシン USB電源取り付け記事。
参考リンク:DIYラボ カプラー(コネクター)からの、端子の外し方・抜き方。
スプライス端子。
配線の先端だけでなく、途中でも接続が可能。
「電工ペンチ」と、絶縁の為のカバーに「熱収縮チューブ」か「絶縁テープ」が必要です。
電工ペンチは、500円~3000円ほど。
熱収縮チューブと絶縁テープは、100円~1000円ほど。
安いテープは耐久性に不安があります。使用するなら、たまに剥がれていないかチェックして下さい。
取り付け方は、こちらをご覧ください。
別タブで開きます。最後にも関連記事の一覧があります。
- 熱収縮チューブを完全に覆える大きさに切る。
絶縁テープの場合は最後に巻き付けます。 - 電工ペンチで配線の皮膜を剥き、熱収縮チューブを通しておきます。
- 芯線を2本まとめて軽くひねって軽く巻き付ける。
- 電工ペンチでスプライス端子を圧着。
- 熱収縮チューブをドライヤーやライターの熱で収縮させる。
又は絶縁テープを巻き付ける。
- 電工ペンチで(バイク側ACC配線の)途中の皮膜2ヶ所に切れ込みを入れ、カッターナイフで縦に切って皮膜を剥く。
- USB電源のプラス(ACC)配線の先端の皮膜を剥いて、芯線を軽くよじってまとめる。
- バイク側の皮膜を剥いた所に、USB電源側の芯線を軽く巻き付ける。
- 電工ペンチでスプライス端子を圧着。
- 絶縁テープを巻き付ける。
・メリット。
エレクトロタップと同じく配線の途中にも使える。
エレクトロタップよりかさ張らない。
・デメリット。
作業の手間がかかる。
脱着できない。
電源取り出しハーネス。
バイク側のACC配線を簡単に取り出せるコードです。
多くの車種に合うように、沢山の種類があります。
商品説明などをよく見て適合する製品を選んで下さい。
指定のカプラーを外して間に付けるだけで「ギボシ端子メス」の付いたACC配線となります。
USB側にギボシ端子オスを付けて接続します。
※最初からギボシ端子オスが付いているUSB電源も多いので、接続がかなり簡単になります。
ある程度どんな車種にも取り付けられるハーネスもあります。
キタコなど有名バイク用品メーカーが、ブレーキスイッチに取り付ける「電源取り出しハーネス」を販売しています。
ブレーキスイッチのプラス線の間に付属のハーネスを付けるだけ。
「ギボシ端子メス」の付いたACC配線となります。
マイナスは近くでボディアース。
配線をバッテリーまで持っていく必要もないので、配線処理も簡単になる可能性が高いです。
ブレーキスイッチに平型端子(187型)を使っていれば取り付け可能。
よく使われる平型端子の種類は 3種類。
種類 | A | B |
---|---|---|
250型 | 約 7.3mm | 約 6.35mm |
187型 | 約 5.6mm | 約 4.75mm |
110型 | 約 3.9mm | 約 2.79mm |
幅を計れば、何型が使われているか分かります。
ヒューズ電源。
コード付きのヒューズです。先端には「ギボシ端子のメス」
USB電源のプラス(ACC)配線の接続先として使うことが出来ます。
使われているヒューズの形状とアンペア数が同じものが必要です。
取り付ける為の工具は「ラジオペンチ」か「ヒューズクリップ」
ラジオペンチは100円~2000円ほど。
ヒューズクリップは100円~300円ほど。
ヒューズボックス(ヒューズをまとめて設置している箱)の位置は取扱説明書に載っています。
ヒューズ電源のコードを出す隙間がないときはボックスを少し切るなどの加工が必要です。
- キーONで12V、OFFで0(ゼロ)Vとなるヒューズをヒューズクリップ又はラジオペンチで引き抜く。
- 形、アンペア数が同じ「ヒューズ電源」に付け替える。
向きに注意。コードが出ているほうと電気が来るほうを合わせます。 - USB電源のプラス(ACC)配線に「ギボシ端子オス」を取り付ける。
ギボシ端子のサイズを要確認。 - オス端子とメス端子を接続。
オス端子のくぼみがハマってしっかり固定されるまで差し込みます。
詳しい取り付け方は下のリンクを見て下さい。
参考リンク:DIYラボ ヒューズ電源の正しい付け方。
別タブで開きます。
・USB電源などの機器に最初から「ギボシ端子」が付いているときの注意点。
「USB電源のギボシ端子」と、「ヒューズ電源に付いているギボシ端子」の大きさが違うことがあります。
対策法は、どちらかのギボシ端子を根本から切って、大きさの合うギボシ端子に付け替えます。
どちらを切るかは配線の長さなどで決めて下さい。
バイク用品メーカーと、カー用品メーカーでよく使用されるサイズが違います。
バイク用品:CA/CB103、3.5mm。
車用品:CA/CB104、3.96mm。
汎用のヒューズ電源のギボシはだいたい4mmサイズなので必ず確認するようにして下さい。
6. USB電源のマイナス配線をバッテリーのマイナス端子(又はボディアース)に接続。
バッテリーの充電でよくバッテリーを外すなら、ボディーアースにしておくほうが楽になります。
(付け外しする配線が一つ減るので)
ボディアースについては、上記の 3番。
「3. ACC配線を探す。ボディアースを使うならボディアースの場所も探す」を見て下さい。
7. 正常に動くかテスト。
配線を全て繋いだ段階で、正常に作動するか確認します。
ACC連動にした場合は、ちゃんとキーのONとOFFに連動しているか確認して下さい。
8. 配線を目立たないように処理。
・最初は仮固定。
セロテープやビニールテープ、できれば跡が付きにくいマスキングテープなどで仮固定します。
ハンドルを左右に切れるか、見た目がおかしくないか確認してから、本格的に固定してください。
元からある配線に沿わせていくのが無難です。
ハンドルを左右に目一杯切っても配線が突っ張らないようにします。
長すぎる場合はスペースに余裕がある場所で纏めます。
固定用にタイラップ(結束バンド)が付属していることもありますが、足りないことや失敗することも考えて多めに用事しておくことをおすすめします。
9. 外したタンクやカウルの取り付け。
配線を挟み込まないように注意して取り付けて下さい。
有名メーカーの取り付けが簡単な製品。
バイク用品メーカーが、電装品の取り付けが簡単になるキットを販売しています。
特に、ブレーキの根本に接続できる製品は、配線の処理が簡単になる可能性が高いです。
デイトナ。
ACC配線をブレーキレバーの根本から取れる製品が数多くラインナップされています。
- ブレーキスイッチのプラス線の間に付属のハーネスを付けるだけで「ギボシ端子メス」の付いたACC配線となります。
USB電源側の配線コードに「ギボシ端子オス」が付いていれば、そのまま接続するだけです。
- マイナスは近くのボルトに挟み込んでボディアース。
配線をバッテリーまで持っていく必要もないので、配線処理も簡単になる可能性が高いです。
※ブレーキスイッチに平型端子(187型)を使っていない車種には接続できません。
購入前に確認して下さい。
187型・A 約5.6mm。B 約4.75mm。
ブレーキスイッチに付いている平型端子オスの Bの幅を計って下さい。
検電テスターが必要。
なくても なんとかなりますが、数百円から買えるので準備しておくことをおすすめします。
※コードが短すぎると、バッテリーまで届かないことがあるので注意。
詳しくはこちらをご覧ください。
別タブで開きます。最後にも関連記事の一覧があります。
他にも、車種専用の電源取り出しハーネスや、3~4の電源をまとめて取り出せる製品があります。
公式:YouTube デイトナ D-UNITプラス配線接続。
別タブで開きます。
4つの電源を取り出せる、コンセントのタコ足のような製品です。
ACC電源3つはギボシ端子、常時電源1つはボルト固定。
※ギボシ端子のサイズは必ず確認しておいて下さい。
・ギボシ端子のサイズ。
バイク用品メーカーと、カー用品メーカーでよく使われるサイズが違います。
同じサイズのギボシ端子を使うようにして下さい。
- バイク用品:CA/CB103、3.5mm。
- 車用品:CA/CB104、3.96mm。
サイズはメス端子とオス端子の接続部分の大きさです。
正確には「メス端子先端の内径」「オス端子の先端部分の外径」です。
また、バイクメーカーでも使用サイズが異なります。
・ホンダ:3.5mm
・ヤマハ:3.96mm
・スズキ:3.5mm、3.96mm
・カワサキ:独自のサイズ。
キタコ。
車種専用の電源取り出しハーネス(簡単にバイク側のACC線を取り出せるコード)が沢山あります。
指定のカプラーを外して間に付けるだけで「ギボシ端子メス」の付いたACC配線となります。
USB電源側の配線コードに「ギボシ端子」が付いていれば、そのまま接続するだけです。
商品説明などに適合車種がかかれているので確認して下さい。
公式:キタコ USB電源・電源取り出しハーネス。
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参考リンク:バイク用品販売webike公式YouTube。
取り付け動画です。別タブで開きます。
ブレーキレバーの根本(ブレーキスイッチのプラス)に付けるハーネスもあります。
ブレーキスイッチのプラス線の間に付属のハーネスを付けるだけで「ギボシ端子メス」の付いたACC配線となります。
ひとつ上で紹介したデイトナと同じく、ブレーキスイッチに平型端子(187型)を使っている車種なら取り付け可能です。
※ギボシ端子、平型端子のサイズは必ず確認して下さい。
キジマ。
・配線の接続が簡単なバッテリー直結。
・使っていないときはほとんど電気が流れない。
という製品があります。
バッテリー直結の弱点である、バッテリーが徐々に減っていくのを抑えます。
参考リンク:バイク雑誌オートバイ webオートバイの記事。
取り付け記事です。別タブで開きます。
ブレーキレバーの根本に付けるハーネスもあります。
ブレーキスイッチのプラス線の間に付属のハーネスを付けるだけで「ギボシ端子メス」の付いたACC配線となります。
ふたつ上で紹介したデイトナと同じく、ブレーキスイッチに平型端子(187型)を使っている車種なら取り付け可能。
※ギボシ端子、平型端子のサイズは必ず確認して下さい。
カエディア(kaedear)
ON、OFF可能な製品があります。
バッテリー直結できるので、配線コードの接続が簡単になります。
※ただし、配線コードの処理でタンクを外さなければならない可能性があります。
ニューイング(NEWING)
ニューイングのUSB電源は、どこのレビューでも評価が高いです。
ただしバッテリー直結。
配線の接続は簡単ですが、バッテリーが徐々に減っていきます。
・長時間使用しない時は外す。
・定期的にバッテリー充電をする。
・配線の先を切って加工して、ACC配線に繋ぐ。
などの対策が必要です。
※配線コードの処理でタンクを外さなければならない可能性があります。
お店で取り付けてもらう。
- 工具類を揃えるのに使う金額。
- 作業の手間と時間。
- 作業場所の確保。
- 失敗のリスク
これらを考えると、個人的には お店で付けてもらうのもぜんぜん有りだと思います。
バイク屋や大型バイク用品店で取り付けサービスを行っている店舗があります。
取り付けではなく、電源(ACC配線)取り出しと書かれている場合が多いです。
詳しくは、お近くの店舗に確認してみて下さい。
電源取り出しの工賃。
ナップス:https://www.naps-jp.com → 店舗情報 → PITサービス
2りんかん → PITサービス
バイクワールド:http://bike7.jp/ → ピットサービス
ライコランド:https://www.ricoland.co.jp/ → ピットサービス
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※「店で商品を買った場合」という条件があったりするのでよく確認して下さい。
※店舗によって出来るサービス・価格が違うことがあります。お近くの店舗名で検索して下さい。
他にも「バッテリー直結だが、オンオフのスイッチ付き」という製品が沢山あります。
ランキング、レビュー、商品詳細は下記リンクからご覧ください。
リンクは全て別タブで開きます。
欲しい商品が決まっている方は、検索ボックスにメーカー名などを足して検索して下さい。
所長から一言。
取り付け不良による火災が数多く起こっています。
取り付けに不安がある人はプロに頼みましょう。
自分で取り付けるなら、取り付けた後バイク屋にチェックしてもらうと安心ですね。
ちなみに、
私はバイク屋にお世話になったら、オイル交換でいつもより高級なオイルにしていました。
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