万が一の事故に備えて装着しておきたいドライブレコーダー。
選ぶ際の基準となるポイントや機能を紹介します。

車用はダメなの?

バイクは雨で濡れます。
振動があります。
車用は雨や振動のことは考慮されていませんので、バイク用にしましょう。
まずは、購入前に知っておきたい基本情報。
知ってる情報は飛ばして下さい。
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基本パーツ。

- 本体。
- フロント(前方)カメラ。
- リア(後方)カメラ。
- スイッチ。
- バッテリーに繋ぐコード類と端子。
バッテリー内蔵の製品もあります。 - GPSアンテナ。
GPS機能付き製品の場合。
カメラについて。
台数・性能・録れる範囲など、製品によって色々と違いがあるので、
まずは基本を押さえて、それから商品説明を読むと分かりやすくなります。
カメラの数。
主に1台か2台。
・1カメラ。
カメラが1つの場合、前か後ろの片方しか撮影できません。
その代わり価格は安くなります。
1カメラの製品は死角を減らす為、なるべく広角に(左右に広く)撮影できるモデルがおすすめです。
・2カメラ。
カメラが2つの場合、前後の撮影が可能です。
ある程度広角のモデルなら、死角はかなり減ります。
事故の記録をしっかり残したいなら2カメラがおすすめです。
画質。

DAYTONA デイトナ バイク専用ドライブレコーダー「MiVue(R)M760D」
多くの製品が、フルHD(200万画素)以上の性能となっています。
ナンバープレートの数字がハッキリ読み取れる性能です。
- VGA(640×480画素)
- HD(1280×720)
- フルHD(1920×1080)
- WQHD(2304×1296)
- 4K(3840×2160)
数字が大きいほど高性能。
ただし、数字が大きいほどデータ容量が大きくなり、録画時間が短くなります。
画質を選択できる製品もあります。

画質を落として録画時間を長くする。といったことが出来ます。
画角。(視野角)
画角はカメラで映せる範囲。水平・垂直・対角で表されます。
- 水平は、左右(横方向)が映る範囲。
- 垂直は、縦方向が映る範囲。
- 対角は、画面の右上の角から左下の角のように斜めに結んだ線の長さ。
「広角120度」などと書かれているのは、水平(横方向)がどれだけ映るかを表しています。
水平は最低でも100度、出来れば120度以上がおすすめです。

「対角」は水平より大きい数字となるので、見間違えないようにしてね。
バイク用は360度カメラが少ないので、水平(横方向)を映せる広さが重要です。
取り付け位置に注意。
カメラを奥まった所に付けてしまうと、ライトなどバイクのパーツに阻まれてちゃんと映らないことがあります。
最初は仮止めにして、映像を確認してから取り付けて下さい。
フレームレート。(LED信号機に対応しているか)
フレームレート(fps)は1秒間に何枚撮影しているかを表します。
※撮影した画像をパラパラ漫画のようにすることで動いている映像となります。
フレームレートは、LED信号機に影響します。
LED信号機は細かく点滅を繰り返しています。
信号とフレームレートの間隔がピッタリ合うと信号が映らなくなります。
- 東日本の信号は、1秒間に100回点滅。
- 西日本の信号は、1秒間に120回点滅。
例えばフレームレートが25fpsは東日本の信号、30fpsは西日本の信号が映らない可能性があります。

事故のときなど信号はかなり重要となるので、フレームレートは必ず確認して下さい。
LED信号機対応と書かれていることも多いです。
HDR。WDR。
HDR(ハイダイナミックレンジ)
WDR(ワイドダイナミックレンジ)
機能的にはだいたい同じです。
暗い場所と明るい場所を同時に綺麗に映せる機能です。
暗い場所をしっかり映せる性能があるので夜間も綺麗に映ります。
特に、トンネルの出入口で有効となります。
※HDR・WDR機能が無いと、トンネルの入口手前でトンネル内が黒くなったり(黒つぶれ)、トンネルの出口でトンネルの外(画面奥)が白くなったり(白飛び)してしまいます。

HDR・WDRとは別の技術を使っている製品もあり、
「暗い場所対応」「露出補正」などと書かれていることが多いです。

DAYTONA デイトナ バイク専用ドライブレコーダー「MiVue(R)M760D」
録画方法について。
自動で録画を開始してくれる製品と、手動の製品があります。
ほぼ確実に商品説明に書かれているので確認して下さい。
常時録画。
常時録画タイプは基本的にエンジンと連動しており、
エンジンをかけると録画が始まり、エンジンを切ると録画が終了します。

常時録画の製品は、録画し忘れ・電源の切り忘れを防げます。
・ループ録画。
SDカードの容量が一杯になると上書きしていく機能。
主に常時録画タイプで採用されています。
手動録画。

使用時間3時間。肩、首にかけて使用。
自分で録画スタートボタンなどを押して録画を始めるタイプ。
ヘルメットや腕など体に取り付けるアクションカメラ(ウェアラブルカメラ)に多い機能です。
アクションカメラはスポーツ用で録画時間が短いものが多いのですが、短時間のドライブレコーダー代わりとしても使えます。
Gセンサー。イベント録画。
G(加速度)センサーは、一定以上の衝撃で作動します。
Gセンサー搭載モデルなら、
衝撃を感知した際に、前後十数秒ほどの映像を残しておけます。
イベント録画とも呼ばれます。
通常の映像とは別の場所に保存され、上書きされることなく残ります。
事故の証拠を確実に残したい人におすすめの機能です。

イベント録画は、自分で録画ボタンを押す手動式もあるので商品説明をよく読むようにして下さい。
・駐車監視機能。
Gセンサーを利用して、駐車中のイタズラなどを記録しようという機能です。
数は少ないですが、駐車中もずっと録画し続けるという製品もあります。
防水性能。
IP65・IP67・IPX6・IPX7などの記号で表されます。
最後の数字(4番目の数字)が防水性能です。
最後の数字 | 試験内容 |
---|---|
5 | 1分間に12.5Lの水をかける。最低3分。 |
6 | 1分間に100Lの水をかける。最低3分。 |
7 | 水深1mに30分間つける。 |
最後の数字が5以上であれば、そこそこ強い雨にも耐えることが出来ます。
6は、かなり激しい雨にも耐えられます。
※バイクで走行していない時の話です。
・走行中。
バイクで走行中は、雨の勢いにバイクのスピードがプラスされます。
最後の数字が5以下、又はただ防水とだけ書かれている製品は凄く激しい雨の高速道路走行などには耐えられないおそれがあります。
最後の数字が7でも激しい雨に耐えらる保証はありません。
※試験方法が違うので。
どれだけ激しい雨でもバイクに乗る。という人には、最後の数字が6の製品がおすすめです。
・洗い方。
せっけんや洗剤(界面活性剤)を含んだ水は浸透力が上がります。
最後の数字が7(水につけても大丈夫)だからといって、洗剤で洗ったりしないように注意して下さい。
洗車の際はビニール袋などで保護しましょう。
汚れの落とし方は説明書に従って下さい。
防塵(ホコリに対する)性能。
IP65・IP67・IP6X・IPX7などの記号の3番目の数字が防塵(ホコリに対する)性能です。
0~6までで、数字が大きいほど性能が高くなります。
3番目がXだと、防塵の検査はしていないということになります。
同様に、4番目がXだと防水検査をしていません。
3番目の数字 | 内容 |
---|---|
4 | 直径1mm以上のホコリを防ぐ |
5 | 75マイクロメートルのホコリが入っても作動する |
6 | 75マイクロメートルのホコリを防ぐ |
通常使用なら、5以上で問題ないでしょう。
給電方法。
バイクのバッテリーに繋ぐ方法と、内蔵バッテリーの 2つが主流です。
USB電源を使える製品もありますが、事故のときに少し外れやすいというデメリットがあります。
バイクのバッテリーに繋ぐ。
バイクのバッテリーから電気を得るので、長時間安定して使えます。
デメリットは、設置が少し難しいこと。
※取り付け方は後半で説明しています。
・バックアップ電源。
事故のときの衝撃などでコードが外れると、いきなり電源が切れてしまいデータが破損するおそれがあります。
バックアップ電源に切り替わる製品ならデータの破損を防げます。
バッテリー内蔵。
電源用のコードなどが必要ない為、取り付けが簡単。取り外しも簡単。
デメリットは、長時間使用できないこと。

バイクのバッテリー、内蔵バッテリー両方が使える製品もあります。
Wi-Fi。(無線LAN)
Wi-Fi対応モデルなら、スマホと連動できます。
主に専用アプリを使ってスマホから操作したり、スマホをモニターとして使用できます。
映像をスマホにダウンロード出来る製品も多く、ツーリング記録として残したい場合にも便利です。
その他。
・GPS。
GPS搭載モデルなら、通った道・現在地・速度・時刻が分かります。
事故状況をより詳しく残せます。
ツーリング記録を残したい人にもおすすめ。
・音声録音。
万が一の事故のときに、映像だけでなく音声もあれば証拠としてより分かりやすくなる可能性があります。
SDカードについて。
ドライブレコーダーで必要な情報を紹介します。
SDカードの書き込み回数。
書き込み回数の上限は、種類別で主に4種類。
上限が高いSDカードほど値段も高くなります。
種類 | 書き込み上限 |
---|---|
SLC | 約10万回 |
pSLC | 約2万回 |
MLC | 約1万回 |
TLC | 約1000回 |

TLCの場合、毎日1回書き込みすれば、寿命は2年9ヶ月。
ループ録画で上書きがあれば、寿命は更に短くなります。
SLCは高性能ですが、かなり高価です。
短時間しか乗らないならTLC。
乗る機会、時間が多いならMLCかpSLC。がおすすめ。
SLC・MLCなどの表記が無い製品も多いです。
そもそも記載していないメーカーも多いです。
「SDカード MLC」といったワードで検索して、商品情報を確認して下さい。
パナソニック・kenwood(ケンウッド)・Transcend(トランセンド)などのメーカーは記載があります。
録画できる時間。
フルHDでの録画時間。大まかな目安。
前後2カメラなら半分になります。
2GB | 8GB | 16GB | 32GB | 64GB | 128GB | 256GB | 512GB |
15分 | 1時間 | 2時間 | 4時間 | 8時間 | 16時間 | 32時間 | 64時間 |
使用SDカードの指定。
使用するSDカードの種類が指定されている場合があります。
だいたいカードに書かれた記号(ロゴ)から判別できます。


スピードクラスは2・4・6・10があって、数字が大きいほど高性能。
説明書など文章での表記は、Class2・Class4・Class6・Class10
UHSスピードクラスは、1と3。
文章での表記はUHS1・UHS3、又はU1・U3。
説明書や製品仕様で、Class10又は、UHS1かUHS3(U1かU3)という指定がよくあります。

Cの中に10。又は、Uの中に1か3と書かれた製品を使うようにして下さい。
その他の記号については、関連記事をご覧ください。
SDカードのフォーマット。
SDカードで書き込みを繰り返していると、消し切れない不要なデータが残っていきます。
フォーマット(初期化)という作業をすることで初期状態に戻します。
フォーマットの方法は製品によって違います。
説明書やメーカーサイトで確認して下さい。

多くのメーカーが、2週間に1回ぐらいのフォーマットを推奨しています。

数は少ないですが、フォーマット不要!というドライブレコーダーもあります。
SDカードの有名メーカー。
ドライブレコーダー用のSDカードは事故の映像をしっかり残す為に、なるべく信頼性の高い製品がおすすめです。
主要メーカー。
- Panasonic。
- SONY。
- TOSHIBA。
- Kioxia。キオクシア(東芝の分社)
- SanDisk。サンディスク
- Transcend。トランセンド
- Lexar。レキサー
SDカードのランキング、レビュー、商品詳細はこちらからご覧ください。
amazon microSDカードの売れ筋ランキング。リンクは全て別タブで開きます。
調べたい商品が決まっている方は、検索ボックスにメーカー名や「MLC」「pSLC」などのワードを足して検索して下さい。
バイク用ドライブレコーダーの取り付け。

- フロント(前方)カメラ。
- リア(後方)カメラ。
- スイッチ。
- GPSアンテナ。
(GPS機能付きの場合)
カメラの取り付け。

最初は仮止め。
コード類を全て繋いで、ちゃんと撮れるか確認してから取り付けましょう。
・ハンドルに取り付け。
フロントカメラは、スマホホルダーと同じような感覚で取り付けが可能。
バッテリー内蔵モデルは、カメラをヘルメットに取り付け出来る製品も多いです。
・ハンドル以外の場所に取り付け。
基本的には、付属の取り付け部品で取り付けます。
フロントカメラはライト周り。
リアカメラはナンバープレート周りに付けるのが定番です。
カメラがナンバープレートを隠したり、コードがナンバープレートにかかるのは法令違反です。
バイクはナンバープレートの周囲を覆う「フレーム」を付けることすら禁止されています。
※バイク用のフレーム・ステー等はナンバープレートの裏側に付けるようになっています。
念のため一部分でも隠れないように注意して下さい。
スイッチ、アンテナの取り付け。
スイッチは手が届きやすいハンドル周りなど。
GPSアンテナは、上部が金属パーツ・金属コーティングで覆われていない場所に取り付けます。
コードが届かないということもあり得ます。
最初は仮止めにして下さい。
本体の取り付け。
本体はシート下に収納するのが一般的です。
収納スペースがないバイクは、汎用のステー(取り付け部品)などを使って取り付けます。
取り付けられる場所は車種によって違ってくるので、事前に確認しておいて下さい。
よく分からない人は、詳しい人やバイク屋に相談して下さい。
ハンドルポーチ・タンクポーチ・ETC用のケースなど、バイク用の小型バッグに収納するという方法もあります。
本体を外に取り付ける場合は、「本体の防水性能」を確認しておいて下さい。
付属の取り付け部品では付かない車種もあります。
メーカーオプションの取り付け部品や汎用品を使って取り付けましょう。
リンクは全て別タブで開きます。
バイクのバッテリーと繋ぐ。
大まかな流れ。
- 本体、カメラ、(GPSアンテナ等)の位置を決めて仮止め。
- シート、タンク、カウルなど邪魔になる部品を外す。
- ショート回避の為、バッテリーのマイナス端子を外す。
- 電源コードをバッテリーのプラス端子に接続。
- 電源コードをエンジンONで12V、OFFで0Vになる配線と繋ぐ。
検電テスター、ギボシ端子、電工ペンチ・絶縁テープなどが必要。 - 電源コードをバッテリーのマイナス端子に接続。
- ちゃんと映るか確認。
- 本体、カメラ等の取り付け。
エンジンONと連動させるのは少し難しくなります。
エンジンONと連動させる為の取り付け方、必要な工具、部品などは下の記事を参考にして下さい。
記事後半の「取り付け方」で説明しています。
目次をクリックorタップで好きな場所に移動できます。
※ちょっとした違いがあります。
USB電源はコードが2つ。ドライブレコーダーは3つ。
ドライブレコーダーはバッテリーのプラス端子にもコードを繋ぎます。
※ドライバーでネジを緩めて繋ぐだけなので、プラス端子に繋ぐのは簡単です。
その他は基本的に同じです。
プロに取り付けてもらう。
バイク屋や大型用品店で取り付けてもらえます。

お店によっては、断られることもあります。
他の店を探しましょう。
取り付け工賃は、購入した店での取り付けなら1万数千円ほど。持ち込みは2万数千円ほどです。
※店、バイクの車種によって変わる可能性あり。
バイク用品店2りんかん作業工賃表。
別タブで開きます。

工賃は高めですが、取り付け用の工具を揃えても数千円はかかります。
自分で付けると失敗する可能性もあります。
不安な人は購入前にバイク屋に相談して下さい。

バイクに電源取り出し用のコード(電源取り出しハーネス)を付ける。
という方法もありますよ。
上記「関連記事」でも紹介しています。
車種専用品なら取り付けは簡単な場合もあるのでよく検討してみてね。
有名メーカー。
・ミツバサンコーワ。
必要な機能は全て揃っていて、レビューでの評価も高いです。
おすすめ。
・デイトナ。
フラッグシップモデルは必要な機能が全て揃っています。
左右の画角が少し狭め。
レビュー評価はそこそこ高め。
・キジマ。
必要な機能はだいたい揃っていますが、西日本のLED信号に非対応。左右の画角が少し狭め。
・vsysto。
ドライブレコーダー専業メーカー。
レビューも概ね高評価。
・アサヒリサーチ。
ヘルメットに取り付けるタイプを販売。白バイ隊員にも採用されています。
バッテリー内蔵で取り付けが簡単。
1カメラでイベント録画機能はありません。
低価格製品。
・blueskysea。
amazonでのレビューが多く、評価の高いモデル有り。
・AKEEYO。
amazonのレビュー数がかなり多い。
不具合報告もあるが、概ね高評価。
・Motocam。
レビュー評価は高めだが、東日本のLED信号に非対応のモデルあり。
バイク用ドライブレコーダーのランキング、レビューや商品詳細はこちらからご覧ください。
amazon バイク用ドライブレコーダーの売れ筋ランキング。リンクは全て別タブで開きます。
調べたい商品が決まっている方は、検索ボックスにメーカー名などを足して検索して下さい。
所長から一言。

事故に備えるなら、ぜひ欲しい機能。
- 前後2カメラ。
- フルHD。
- HDRかWDR。
- Gセンサー(イベント録画)。
- LED信号機対応。

SDカードの定期的なフォーマットも忘れずに。