配線コードの接続に使う「エレクトロタップ」と「接続コネクター」の取り付け方や注意点などを解説。
エレクトロタップは、接触不良が多いって聞くよ?
接触不良になったときの確認方法と対処法も説明しますよ。
・エレクトロタップ。
・接続コネクター。
どちらも電工ペンチによる細かい作業が必要ないというのが大きな魅力です。
エレクトロタップよりも接触不良が起こりにくい「スプライス端子」については、こちらをご覧ください。
※電工ペンチ、絶縁テープが必要で、取り付けは少し難しいです。
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基本情報。
- エレクトロタップ。
- 接続コネクター。
エレクトロタップ。
コードの途中に別のコードを接続できます。
バイクに最初から付いているコードに別のコードを接続するという目的で使うのが一般的な使い方です。
「エレクトロタップ」は総称で、メーカーごとに呼び名が違います。
例:配線コネクター。配線タップコネクター。プライヤータップコネクター。
接続コネクター。
配線コード同士(コードの先端と先端)を接続するのに使います。
付け外しが可能な製品と出来ない製品があるので注意して下さい。
メーカーによって呼び名が違います。
車用品の有名メーカーであるエーモン工業は「接続コネクター」
端子類の専門メーカーであるニチフでの商品名は「圧接形中継コネクター」
エレクトロタップの取り付け方。
- 配線コードの太さを確認。
- 配線コードを挟み込む。
順番に説明していきます。
配線コードの太さを確認。
- 心線。(芯線)
電気の流れる金属部分。 - 被覆(ひふく)。
ショートを防ぐ絶縁する部分。
日本のJIS規格では、配線コードの太さは 心線の断面積で表します。
心線 1本ではなく、心線全体の断面積です。
・JIS規格の単位。
面積の単位なら通常は平方ミリメートルで表しますが、配線コードの太さには「sq (スケア) 」が使われます。
ただし数値は同じなのでややこしくはありません。
例えば、0.5sqは、0.5平方ミリメートル。
バイクでよく使われるのは、0.5sq・0.75sq・1.25sq・2.0sqです。
・AWG。
アメリカン ワイヤー ゲージ(American Wire Gauge)というアメリカの規格で、JIS規格とは数値が異なります。
・DIN。
ドイツの規格でBMWなどに使われていることがあります。
1.25sqと2.0sqに当てはまる太さはありません。
しかし、バイクの電装品なら0.5sqか0.75sqで十分です。
AWGの太さと、近い数値のsq、DINの対応表。
AWG | 心線の 直径 | 心線の 断面積 | sq | DIN | 被覆を 含めた直径 (目安) |
---|---|---|---|---|---|
AWG20 | 約0.8 | 約0.52 | 0.5sq | 0.5 | 1.9~2.4 |
AWG18 | 約1.0 | 約0.82 | 0.75sq | 0.75 | 2.1~2.6 |
AWG16 | 約1.3 | 約1.3 | 1.25sq | なし (1.5) | 2.7~2.9 |
AWG14 | 約1.6 | 約2.0 | 2.0sq | なし (2.5) | 3.1~3.4 |
被覆の厚みは製品によって違うので、被覆を含めた全体の直径はだいたいの目安となります。
・バイクに最初から付いているコードの太さ。
まずはコードの被覆を隅々まで見て下さい。
被覆に太さ(sqやAWG)が書かれていることがあります。
書かれていない場合は、全体の直径、心線が見えるときは心線の直径を参考にして下さい。
エレクトロタップの種類。
- 白。0.2~0.3sq
- 赤。0.5~0.85sq
- 青。1.25~2sq
- 薄赤。0.35~1.25sq
配線コードの太さによって、使える製品が決まっています。配線コードの太さに合った製品を選ぶようにして下さい。
メーカーによってラインナップが微妙に違うので、商品説明をよく確認して下さい。
配線コードを挟み込む。
接続したいコードをストッパー(上のオレンジ丸)がある溝にセットして、プライヤーで挟みます。
プライヤーをしっかり握りこめば、パチッという音と共にロックされます。
ペンチだと挟む部分がかなり斜めになってしまって、力を伝えにくいので、プライヤーを使うのが無難です。
内部の金具(下のオレンジ丸)で被覆が削れて、金具と心線が接触するという構造です。
金具の隙間にコードが収まるようにします。
挟み込むときズレないように確認しながら作業して下さい。
続いて、ストッパーが無いほうの溝に、バイク側の配線コードをセット。
同じようにプライヤーで挟み込みます。
取り付け完了。
色と見た目から「カニ」と呼ばれたりします。(本当の話)
エレクトロタップの接触不良。
エレクトロタップは、内部の金具で被覆を削り取って、金具と心線を接触させるという構造です。
・赤色:0.5sq~0.85sq
・青色:1.25sq~2.0sq
など、使える配線コードの太さに幅を持たせている為、被覆が削りきれずに接触不良を起こすことがあります。
エレクトロタップの接触不良が疑われる場合は、外して中を確認します。
エレクトロタップの外し方。
- マイナスドライバーを隙間に差し込んで回す。
- 隙間が広がるので、深く差し込んで回したり、テコの原理で押し上げる。
- 開いたところ。
ストッパーの無い側が隙間が大きいので、ストッパーの無いほうから開けます。
雑に行って、配線コードを傷付けてしまわないように注意して下さい。
配線コードは指で引っ張ると抜けます。
ただし、かなり固くて抜けにくいです。
心線を傷付けないように、ゆっくり慎重に引っ張って下さい。
もう一方は、ラジオペンチで挟んで開きます。
開きにくいときは挟む位置を変えてみて下さい。
両方とも開いた状態で配線コードを抜こうとして引っ張ると、金具が取れてしまいます。
両方開けた状態でコードを引き抜くときは、金具をラジオペンチで押さえてから引っ張ります。
配線コードの削れ具合を確認。
画像上のように心線が見えていないと電気が流れません。
少ししか見えていない場合も、バイクの振動などで接触不良が起こる可能性があります。
下のように心線が綺麗に見えていれば、金具と心線が接触して電気が流れます。
対策。
心線が綺麗に見えるまで、カッターナイフで被覆を切ります。
画像上のように横だけを切ります。
下のように被覆を全部取ってしまうと、金具との間に隙間が出来てユルくなってしまいます。
振動の強いバイクでは動いて接触不良になったり、心線にダメージを与えるおそれがあります。
バイクに使用するなら、横だけ切って 出来るだけ被覆は残すようにします。
金具と心線がちゃんと接触する位置でエレクトロタップを閉じれば完了です。
エレクトロタップをもう一度使うことは可能ですが、販売メーカーは再利用を推奨していません。
金具が微妙に広がっている可能性があるそうです。
なるべく新しいものに取り替えるようにして下さい。
接触不良ではなく、取り外してしまうときは、金具で削れている部分に「絶縁テープ」を巻いて保護します。
心線の状態が悪い場合。
心線に傷が多かったり、たくさん切れていたときは、別の方法に切り替えることをおすすめします。
※被覆が全部取れてしまっただけの場合は、位置をズラすことで対処できることがあります。
一般的なのは、配線コードを切断して分岐用の部品を取り付けるというパターンです。
- ダブルタイプのギボシ端子。
- 分岐ハーネス。
配線コードの長さが足りていれば、メス側が二股のギボシ端子。
切断したことで配線コードの長さが足りなくなったら、分岐ハーネスを使います。
ダブルタイプのギボシ端子を取り付けるときは、バッテリーのプラス側から来ているコードに「メス」のギボシ端子を付けるのが基本です。
分岐ハーネスを使うときも、バッテリーのプラス側から来ているコードに「メス」のギボシ端子を付けるのが基本です。
他の2本のコードに「ギボシ端子オス」を付けて分岐ハーネスと接続します。
配線コードの長さに余裕があれば、
3本の配線コードの先端を「はんだ付け」したり、「圧着スリーブ」で3本まとめて圧着することも出来ます。
心線を差し込んで軽く固定する「差込み型コネクター」という分岐用のコネクターもあります。
ただ、強く固定されないので、振動の多いバイクには向いていません。
エレクトロタップを選ぶ際の注意点。
特に外車は要注意。
日本のJIS、アメリカのAWG、ドイツのDINで配線コードの太さが微妙に違います。
JIS規格の(sq表示の)配線コードなら、日本メーカーのエレクトロタップを使うのが無難です。
外車や配線コードの種類が分からないときは、バイク屋に聞いて下さい。
エレクトロタップのレビューや商品詳細は、こちらからご覧ください。
amazon「エレクトロタップ」検索結果。 楽天市場「エレクトロタップ」検索結果。 Yahoo!ショッピング「エレクトロタップ」検索結果。リンクは全て別タブで開きます。
接続コネクターの取り付け方。
- 配線コードの太さの確認。
- 配線コードをセットして挟み込む。
順番に説明していきます。
配線コードの太さの確認。
エーモン工業の場合、
黄緑色の接続コネクターは、0.2sq~0.5sq。
緑色は0.5sq~0.75sqが使用可能となっています。
他の有名メーカーも黄緑色は0.2sq~0.5sqですが、その他の色はメーカーによって違いがあるので、商品説明や仕様を確認して下さい。
配線コードをセットして挟み込む。
- 太さの合った配線コードを差し込む。
- 突き当たるまでしっかり差し込む。
- 引っ掛かって差し込みにくいときは、指で回しながら差し込む。
回していると引っ掛かからないポイントでスッと入ります。
プライヤーでしっかりと挟み込む。
両側にあるツメにかかって固定されます。ちゃんとかかっているか確認して下さい。
赤矢印がツメ。
プライヤーで挟みこむと、黄緑色のパーツの隙間にハマります。
接続コネクター同士の接続。
片方を180度回転させると、差し込んで接続できるようになっています。
ツメ(出っ張り)が窪みにハマるまでしっかりと差し込みます。
※180度回転させなくても接続できる製品もあります。
外し方。
外すときは、ひねったりせずに真っ直ぐ引っ張ります。
最初はちょっと固くて抜けにくいです。
なかなか抜けないときは、ツメが外れる方向に曲げてから引っ張ります。
壊さないように慎重に行って下さい。
横に連結させていくことも可能です。
- 両側に出っ張りと窪みが有り、
- 上下にスライドさせて
- 連結。
連結部分は両側にあるので、3個、4個・・・と、いくつも連結が可能です。
日本のJIS、アメリカのAWG、ドイツのDINで配線コードの太さが微妙に違います。
外車や配線コードの種類が分からないときは、バイク屋に聞いて下さい。
接続コネクターのレビューや商品詳細は、こちらからご覧ください。
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