ライディングパンツ、ライディングジャケトの「プロテクター収納ポケットに入れる」タイプのプロテクター。
プロテクターが別売りの場合、又は付属のプロテクターが、「重い」「分厚い」「通気性が悪い」といった不満がある場合に、取り替えて使用します。
※「D3O」(ディー スリー オー)は、D3O社が開発した衝撃吸収素材です。
※「D3O GHOST」はD3O社が開発したバイク用プロテクターで、フリュガン以外にも数多くのメーカーが採用しています。
特徴。
- かなり薄い。
- かなり柔らかい。
- 軽い。
- 通気性が良い。
- 安全性は、CEレベル1。
同じ形状で少し分厚いCEレベル2もあります。 - プロテクター収納ポケットと大きさが合わないと使えない。
最初は基本情報です。
知ってる情報は飛ばして下さい。
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D3Oについて。
D3O社が開発した衝撃吸収素材。
普段は柔らかく、衝撃を受けると硬くなり、衝撃を反発・吸収・分散する素材です。
・薄くても衝撃吸収能力が高い。
・すぐに元に戻って再び衝撃を吸収できる。
・めっちゃオレンジ色。
といった特徴を持っています。
似たような素材を作っているメーカーはいくつかありますが、D3O社は※元祖的なメーカーです。
※素材の特性は前から知られていました。プロテクターという形にして特許を取得したのがD3O社です。
販売当初は、「性能は良いんだけど、通気性が悪く夏は使いにくい」というイメージでした。
現在は、通気性の良い製品がメインとなっています。
参考リンク:D3O公式サイト。 別タブで開きます。
D3Oと似た素材と、採用している主なメーカー。
・PORON:パワーエイジ。
・HILON:南海部品。KADOYA。
・SAS-TEC:デイトナ。
・KNOX MICRO-LOCK:JAPEX。
・D3O:HYOD(ヒョウドウ)。BELSTAFF。FOX。FURYGAN。ICON。Rukka。SCOTT。SHOT。THOR。XION。ハーレー。トライアンフ。KTM。ロイヤルエンフィールド。
Furygan(フリュガン)について。
フリュガンは、フランスを代表するバイク用品メーカー。
1969年バイク用グローブのメーカーとして創業。1971年から他のウェア類も販売。
プロテクターにD3Oを採用。
D3O付きグローブ、エアバッグベスト、エアバッグ用のD3Oプロテクターなど安全性にもこだわりのあるメーカーです。
2023年に日本進出。
D3Oを使ったグローブが、色々なバイク雑誌などで紹介されました。
また、大型バイク用品店でサンプルを置いてプロモーションをしていました。
2023年にバイク用品好き(私)の中で、ちょっと話題になったメーカーです。
参考リンク:Furygan公式サイト(フランス)。 別タブで開きます。
(日本語の)参考リンク:株式会社LINKS → 取扱商品 → Furygan。 別タブで開きます。
サイズ。重さ。
実測値。
- 縦:約 235mm
- 横:約 147mm
- 厚さ:7mm弱
公式サイト記載のサイズと重量。
※同じ形状で厚さが違うCEレベル2のプロテクターもあります。
- 縦:240mm
- 横:147mm
- 厚さ:6.5mm。
(CEレベル2は 11mm)
- 重さ:94.1g。
(CEレベル2は 120g)
他のプロテクターとの厚さ比較。
・2006年ごろのCEマーク付き膝プロテクター。
衝撃吸収性能は、現在のCEレベル1 に相当。
厚さは約20mm。
・RSタイチ:ステルスCEニーガード(スリム)
CEレベル1。
厚みは約7.5mm。
サポーター込みだと9mm弱。
数あるプロテクターの中でも かなり薄いほうですが、D3O GHOSTは更に薄い 7mm弱です。
別メーカーのパンツ、ジャケットに使えるのか。
基本的には、D3O GHOSTを採用しているメーカーのジャケット・パンツに使用しますが、サイズが合えば他のメーカーのジャケット・パンツにも使えます。
柔軟性が高い為、付属のプロテクターもしくは収納ポケットとだいたい同じ大きさであれば、取り替えることが出来ます。
※湾曲しているプロテクターは、プロテクターの形に沿って計って下さい。
D3O GHOST サイズ(公式)。
縦:240mm
横:147mm
厚さ:6.5mm
・注意点。
ライディングジャケット・パンツの「プロテクター収納ポケット」に入ったとしても、形状やサイズが大きく違っていれば保護範囲が変わってしまいます。
着用してみて、膝・肘を適切に守れない位置になってしまったときは、使わないようにしましょう。
裁縫が得意な人なら、収納ポケットの位置を修正できるかもしれませんね。
柔軟性。
指2本で、小さく丸めることが出来るほどで、かなり柔軟性は高いです。
素材自体は輪ゴムのような質感で、ちょっと硬めです。
三角形同士を繋いでいる部分を薄く小さくすることで、非常に高い柔軟性を確保しているようです。
装着イメージ。
向かって左に装着。右は付けずに比較。
ピチピチではなく、少し余裕のあるジーンズに付けてみました。
膝を伸ばしている状態では、ほぼ違和感なし。
かなり薄く、柔軟性が高いので、膝を曲げてもあまり目立ちません。
もの凄く柔軟性が高いおかげで、膝を曲げ伸ばししてもほぼ突っ張ることはなし。
更に薄い為、ニーグリップの邪魔になりません。
肘(ひじ)に付けた場合は、分厚いプロテクターと比べて、それほどの違いは感じませんでした。
ただ、バイクから降りてバッグを肩にかけたり、リュックを背負ったりするときに恩恵を感じやすいと思います。
色。
おもて側は、D3Oの特徴であるオレンジ色。
うら側は、メッシュ生地が張り付けてあり黒色です。
・白いメッシュジャケットの肘に装着。
- 左:D3Oは、鮮やかなオレンジ色が特徴です。
薄い色のメッシュジャケットなどに付けた場合、目立ってしまう可能性があります。
- 右:しかし、D3O GHOSTは裏側が黒色のメッシュ。
裏返して装着すれば目立ちにくくすることが出来ます。
裏返して使っても大丈夫なことは、公式サイトに書かれています。
安心して裏返して下さい。
参考リンク:Furygan公式サイト(フランス)。 別タブで開きます。
安全性。
バイク用プロテクターの安全性を示す有名な制度に「CEマーキング」というものがあります。
欧州委員会(EUの行政機関)が定める制度で、EU加盟国でプロテクターを販売する場合、様々な検査を受けなければなりません。
衝撃吸収試験などの検査を受けて、合格すれば「CEマーク」というマークを製品に表示できます。
検査内容は、EN1621-1という規格で定められています。
安全性に関わる衝撃吸収検査は、レベル1とレベル2の2種類。
どちらを取得してもいいのですが、レベル2のほうが厳しい内容となっています。
商品説明には「CEレベル1」「CEレベル2」と表記されることが多いです。
「EN1621-1 レベル1」といった書き方はあまり見かけません。
一般的に、レベル2のプロテクターは安全性の向上と引き換えに、分厚くなります。
D3O GHOSTも、レベル2のほうが分厚くなっています。
CEレベル1: 6.5mm。
CEレベル2: 11mm。
CEマークの検査内容などは、こちらをご覧ください。
この後は細かい記号の説明です。興味ない人は飛ばして下さい。
CEマークに書かれている記号。
D3O GHOST本体に色々な記号付きのCEマークが付いています。
左上から順番に説明していきます。
- CE:これがCEマーク。
- UKCA:EUを離脱したイギリス向けのマーク。
意味的にはCEマークと同じ。
- EKS:使える部位を表す記号。
Elbow(肘)、Knee(膝)、Shoulder(肩)
- TYPE A:大きさを表す記号。
「TYPE A」と「TYPE B」の2種類。TYPE Bは大型で、体格の大きい人用。
- 1:レベル。
1ならCEレベル1。2ならCEレベル2。
- EN1621-1:2012:CEマーク用の規格の名前。
部位を表す記号の一覧。
- 肩:S
shoulder - 肘:E
elbow and forearm - 尻:H
hip - 膝とスネ上部:K
knee and upper tibia - 膝とスネ:K+L
knee, upper and middle tibia - 膝の下:L
leg below protector “K”
※EN1621-1より抜粋。
お手入れ。
汚れは、湿らせた布で拭く。
D3Oは、洗濯するなど水や洗剤で洗うことは推奨されていません。
保管方法は、直射日光・高温多湿を避けて保管。
ウェア内に付けるプロテクターなので、まあ これは問題ないでしょう。
参考:D3O公式サイト。 別タブで開きます。
所長から一言。(まとめ)
・安全性が高い。CEレベル1取得。レベル2もある。
・薄い。CEレベル1は6.5mm。CEレベル2は11mm。
・柔軟性が高い。小さく丸められるぐらい柔らかい。
・通気性バツグン。
・裏側は黒色のメッシュ。オレンジ色が透けて見えるときは裏返して使用可能。
D3O GHOSTは、D3O社のプロテクターで、Furygan以外にも色々なメーカーが採用しています。
肘・膝用は、「CEレベル1」と「CEレベル2」があります。
※似た商品で、腰・肩用があるので間違えないように注意して下さい。
膝用プロテクターの基本情報は、こちらをご覧ください。
肘用プロテクターの基本情報は、こちらをご覧ください。