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空冷・水冷・油冷:エンジン冷却装置の種類

エンジン冷却のイメージイラスト
鈴川
鈴川

常にガソリンを燃焼させているエンジンは、ほうっておくとどんどん熱くなっていきます。

電動バイクのバッテリーやモーターも、走行しているとだんだん熱くなっていきます。

神崎
神崎

そのままだと熱によるエンジンの変形やバッテリーの劣化が起こるので、エンジン(バッテリー)を冷やす為の仕組みが必要となります。

山田
山田

空冷エンジンとか水冷エンジンとか、名前は聞いたことあるよ。

鈴川
鈴川

今回は、エンジン冷却装置の種類とその特徴について解説します。

目次をクリック・タップで移動できます。

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空冷

空冷エンジン、冷却フィン

走行風でエンジンを冷やすのが空冷式。

エンジン上部の熱くなりやすい部分(シリンダー)の周りに、「冷却フィン」と呼ばれる薄い板を取り付けます。

電動バイクの場合は、バッテリーの周りに「冷却フィン」を取り付けているモデルがあります。

基本的に冷却フィンは金属で出来ています。
金属は熱伝導率が高い(熱が移動しやすい)為、風が当たる面積を増やすことで冷却効果を高めることが出来ます。

空冷エンジンのフィン、簡略図
フィンを付けて表面積を増やす。

エンジンの熱を空気中に放熱するための面積も増え、更にフィンを薄くすれば、分厚い部分よりも冷えやすくなります。

また、フィンの形状や隙間の大きさを工夫することで、風を通りやすくすることも可能です。

空冷式のメリット。

  • 特別な装置がいらない為、軽量にできる
  • 特別な装置がない為、メンテナンスが楽
  • パーツ数を減らせるので値段が安くなる
  • 古くからある冷却システムなので、エンジン外観のデザインにノスタルジックな魅力を感じる人も多い

空冷式のデメリット。

  • 他の方式に比べて、冷却効果が低い
  • 停止中は走行風が当たらず、ほとんど冷却できない
  • 排気ガス規制をクリアしにくく、かなり種類が減っている

一般的に、排気量が大きくなるほど発生する熱も多くなります。
冷却効果が低めの空冷エンジンは、小排気量のバイクによく採用されます。

強制空冷(クーリングファン)

スクーターのクーリングファン

小型のファン(クーリングファン)で、エンジンに風を当てる。
もしくは、エンジン周りの熱気を外に排出します。

エンジンが後方にあって、走行風が当たりにくいスクーターなどで採用される方式。

主に、クランクシャフト(エンジンの往復運動を回転運動に変えるパーツの軸)に小型のファンを取り付ける形です。
エンジンをかけていればファンは回る為、停止中でも冷却できます。

※バッテリーで可動する電動ファンを取り付けるという方法もあります。

水冷

水冷エンジン

水冷は、冷却水をエンジンの周りに循環させて冷却する方式。
冷却水はラジエターというパーツで放熱します。

エンジンに冷却用の「フィン」は必要ありませんが、ラジエターには冷却用の「フィン」が有ります。

一般的にバイクのラジエターには、凄く薄いフィンが使われます↓

バイクのラジエター、フィン
鈴川
鈴川

ラジエターのフィンは、薄くて簡単に曲がったり潰れたりするので、洗車のときに強く水を当てたりしないようにしましょう。

水冷エンジンの構造:簡略図

水冷エンジンの構造、簡略図-1

エンジンの周囲を流れて熱くなった冷却水を、ラジエターで放熱。

ウォーターポンプで冷却水をエンジンに送り、
エンジン内部にいくつも設けられた通路(ウォータージャケット)を通って熱を吸収し、
熱くなった冷却水はラジエターで放熱、
そしてラジエターホースで再びエンジンへと向かいます。

続いて、ラジエターキャップの仕組み。

ラジエターキャップ

ラジエターキャップとリザーバータンク(リザーブタンク)の役割

水冷エンジンの構造、簡略図-2

ラジエターキャップで圧力を調節。
リザーバータンクでラジエターに流す冷却水の量を調節します。

※文字だとちょっと分かりにくいので、簡略化したイラストと共に説明していきます。

冷却水が沸騰すると、気泡が出来て流れが悪くなったり、ラジエターキャップから水蒸気が吹き出したりするおそれがあります。
そして、冷却水が沸騰したままだと、エンジンを冷却できずに故障する可能性もあります(いわゆるオーバーヒート)

「ラジエターキャップ」で冷却水の経路を密閉することで、ラジエター内の圧力を高くすることができます。(熱膨張によって冷却水の体積が増えて圧力がかかる)

ラジエターキャップ:簡略化した断面図↓

ラジエターキャップ簡略図、適温

冷却水が適温のときは、圧力弁(加圧弁と負圧弁)は隙間なく密閉されています。

冷却水の温度が上がっていくと、熱膨張と呼ばれる現象によって体積が増えていきます。
ラジエターキャップで密閉されている為、冷却水の温度上昇と共に だんだん圧力がかかっていきます。

圧力が高くなると水が沸騰する温度は100度以上になります。
ラジエターキャップで圧力をかけて冷却水が簡単に沸騰してしまうことを防ぎます。
※沸点は だいたい120度ぐらいに上がる。

しかし、圧力を高くし過ぎるとパーツが破損するおそれが出てきます。

そこで、一定以上の圧力になると加圧弁(主圧弁とも言う)が開き、冷却水を「リザーバータンク」へ逃します

ラジエターキャップの仕組み、構造、簡略図

温度が低くなれば、負圧弁が開いてリザーバータンクからラジエターに流れます

イラストでは省略していますが、圧力弁にはバネが使われています。
バネの力で冷却水に圧力をかけ、圧力が高くなり過ぎるとバネが更に縮んで隙間が出来ます。

バネは徐々にゆるんでいきます。
また、密閉する為にゴム(ゴムシール)が使われており、ゴムは熱によって劣化していきます。

ラジエターキャップは、定期的な点検(もしくは交換)をすることをおすすめします。
メンテナンスに興味がない人は、定期点検の際にバイク屋に聞いてみてください。

サーモスタットとファンの役割

水冷エンジンの構造、簡略図-3
エンジンが冷えているときは、ラジエターに冷却水を流さない。

ラジエターに向かうホースと、エンジンへ向かうホースの分岐点にあるのが「サーモスタット」

サーモスタットで、ラジエター方向に流す冷却水の量を変えて温度調節をします。

冷却水が熱すぎるとオーバーヒートなどエンジンが壊れるおそれがありますが、温度が低い場合にはエネルギーロスが起こります。
また、低すぎると不具合が起こる(オーバークール)こともあります。

エンジン始動直後は、冷却水をラジエターに流さず、エンジン内を循環させる。
温まってきたら徐々に冷却水をラジエターへ流していきます。

神崎
神崎

ちなみに、冷却水の適温は80度前後です。

・ラジエター冷却用のファン
通常、ラジエターの裏側には冷却用の「ファン」が設置されています。
信号停止など走行風を受けれないときに、ラジエターへ風を送ります。

水冷式のメリット

  • 他の方式よりも冷却性能が高い
  • 停止時もファンで冷却できる
  • エンジン周りに冷却水が流れる通路があるおかげで、エンジン音が遮断される。空冷よりちょっと静か。

水冷式のデメリット

  • パーツ数が多くなり重量が増す
  • パーツ数が増えると値段も高くなる
  • 冷却水の管理が必要
  • 無機質なエンジン形状になる

水冷エンジンに空冷エンジンのようなダミーのフィン、デザインとしてのフィンを付けているバイクもあります。

水冷エンジン、ダミーのフィン

クラシカルなバイクで、昔ながらの外観にこだわりたいモデルなどに採用されます。

空水冷式

エンジンの走行風が当たりやすい場所は空冷。
走行風が当たりにくい場所や熱くなりやすい部分は水冷。
といったように空冷式と水冷式の両方を使った冷却方式。

水冷式のパーツを小さく出来る為、
・重量を減らせる。
・昔ながらのデザインを崩しにくい

というメリットがあります。

一方、水冷式ほど全体を均一に冷却することは出来ません。

油冷

油冷エンジン
スズキ:Vストローム250。油冷エンジンで有名なメーカーといえば、スズキ。

エンジン内部の潤滑と冷却を行っているエンジンオイルを利用する方式。
エンジンオイルを、熱くなる部分に(更に追加して)流します。

油冷エンジンの冷却システム:簡略図

油冷エンジンの構造、簡略図

「エンジンオイル」を高温になるエンジン上部に流します。
※ピストンの周りの壁(シリンダー)や、エンジン最上部(シリンダーヘッド)に流れるようにする。

高温になるけど循環させにくい部分(ピストンの裏側)には「オイルジェットノズル」でエンジンオイルを吹き付けて冷却することもあります。

細いノズルで吹き付けることでも、エンジンオイルを少し冷たくできます。
※口を開けて息を吐くより、口をすぼめて息を吹くほうが涼しい風が出る原理。

熱くなったエンジンオイルは、「オイルクーラー」というパーツで放熱します。
水冷式のラジエター(少し上で説明)と似た構造で、オイルが通過する間に走行風で放熱させます。

オイルクーラーで温度が下がったエンジンオイルで、再びエンジンを冷やします。

空冷式に付けるオイルクーラー

オイルクーラー

空冷エンジンのバイクにオイルクーラーを付けたモデルもあります。

他の方式に比べて冷却性能が低い空冷式は、エンジンオイルも高温になりがち。
高温の状態が続くとオイルは劣化してしまいます。
そこでラジエターと同じような構造のオイルクーラーにエンジンオイルを通過させて放熱します。

結果的にエンジンもほんの少し冷却できます。

※水冷エンジンに、冷却水でエンジンオイルを冷やすオイルクーラーが付いているモデルもあります。

油冷式のメリット

  • 冷却水と冷却水用のパーツがいらない為、水冷式より軽量にできる
  • 空冷式よりも冷却性能が高い

油冷式のデメリット

  • 水冷式に比べると冷却性能は劣る
  • 空冷式に比べるとパーツ数が増える

空油冷式

基本は空冷エンジンで、一部に油冷システムを使っているバイク。

BMWやハーレーなど、伝統的なエンジンデザインのモデルを販売し続けているメーカーがよく採用しています。
※エンジンの外観は、昔ながらの空冷デザイン。熱くなる部分は油冷で冷やす。

BMWのボクサーエンジン

BMW伝統のボクサーエンジン。
冷却フィンのあるシリンダー部分が左右に大きく張り出すという作り。

ハーレーのVツインエンジン

ハーレー伝統の45度Vツインエンジン。
冷却フィンのあるシリンダー2つが、45度の角度で「V」の字型となる作り。

所長から一言(まとめ)

所長
所長

空冷:
走行風で冷やす。
シンプルで軽量。
冷却効果は低く、車種は少ない。

水冷:
冷却水で冷やす。
冷却効果が高い。
パーツ数が多く、重量が増える。

油冷:
エンジンオイルで冷やす。
水冷より軽い。
空冷より冷やせる。
冷却効果は水冷に劣る。
空冷より重量が増える。


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