
数多くの盗難映像・押収された工具・破壊された防犯ロックなどから、
バイク窃盗団がよく使う工具は判明しています。

その工具を使った沢山のテスト動画から、
破壊されにくい防犯ロックも分かっています。

数は少ないですが、アラームの音を簡単に小さくする方法なども投稿されています。
その情報を元に、アラームの効果的な設置場所や使い方が考えられます。

じゃあ、盗まれないように出来る?

特殊な工具・道具を持っている窃盗団もいるでしょうから、盗難の確率をゼロには出来ません。
しかし、
窃盗団はなるべく時間をかけないように行動しています。
盗難映像でも手慣れている窃盗団は急いで行動しており、十数秒から数分で盗んでいきます。
時間がかかって一旦諦めたといった情報もあります。
見るからに時間がかかりそうな対策をしておくことは重要です。
特殊な工具を使わなければならないほど盗難対策が出来ているバイクは狙われにくくなります。
盗難防止ロックとアラームの種類については、こちらをご覧ください。
目次をクリック・タップで移動できます。
バイクの盗難(窃盗)方法
YouTubeなどに盗難映像、盗難被害のニュース映像があります。
主に3パターン。
- 車に積む。
- 押して移動。
- エンジンをかけて乗って逃げる。
1. 車に積む。
出来るだけ近くに車を止めて、バイクを押して車まで移動。
2~3人で前輪を持ち上げて車に乗せる。
2~3人で後輪を持ち上げて車に詰め込む。
十数秒で盗んでいる映像もあります。
2. 押して移動。
押して防犯カメラの映る範囲から消えていきます。
延々と押していくことは考えにくく、おそらく たいていは車に積んで逃げていると思われます。
防犯ロックが付いているほうのタイヤを台車に乗せて移動している映像もあります。

昔は、いくつかの防犯専門業者が「台車移動はやりにくい」「台車に乗せて移動なんてしないだろう」と言っていました。
残念ながら、台車移動をスムーズに簡単に行っている盗難映像もありました。
3. エンジンをかけて乗って逃げる。
特殊な道具を使ってエンジンをかけ、そのまま乗って逃げます。
人気のある車種ほど、手法・道具が知れ渡っていると考えられます。
警視庁が公開している資料では、バイクのキー(鍵)を付けっぱなしの状態でバイクから離れて盗まれている例も多いです。
参考:警視庁ホームページ →ページ上部の検索ボックスに「オートバイ 盗」などのワードを入れて検索してみてください。
参考:警視庁 発生状況・統計
参考:警視庁 犯罪発生情報
バイクの盗難件数の推移
| 件数 | 検挙人数 | 検挙率 | |
|---|---|---|---|
| 2020年 | 9018件 | 全体で888人 少年が773人 | 16.5% |
| 2021年 | 7569件 | 全体で727人 少年が620人 | 17% |
検挙されているのは、ほとんどが少年。
これ以外のデータもだいたい同じです。
本格的?な窃盗団、又は若い犯行役以外はぜんぜん捕まっていないということになります。
参考:警視庁 年間の犯罪
近年の盗難件数を見ると年々減っていますが、バイク販売台数も年々減っています。
単純に盗難の確率が減ったとは言えないようです。
参考:日本自動車工業会 →統計・資料→二輪車
メインキー、ハンドルロック
警視庁が公開している資料によると、東京のオートバイ窃盗状況は、
鍵を付けたまま盗まれたのが、約25パーセント。

めんどくさがらずに、鍵をかけてハンドルロックもしましょう。
ハンドルロックだけでは動かしにくくなるだけです。
強引に破壊されている盗難映像もあります。
多くの車種にイモビライザーとアラームが付いている、又はオプションで付けれます。
イモビライザー
ICチップ付きの鍵。
ICチップ内のIDコードと鍵の両方が一致しないとエンジンがかかりません。
ほとんどの車種で採用されています。
しかし、バイクの場合はエンジンがかからなくても押して移動できます。
エンジンがかからなくてもパーツを売りさばくことが出来てしまいます。
残念ながらイモビライザーだけでは大きな効果は見込めません。
アラームや防犯ロックを併用することが大事です。
イモビアラーム(アラームイモビライザー)
アラーム機能が付いたイモビライザー。
基本的に振動で音が鳴ります。
振動で音が出て、更にエンジンがかからなくなるタイプもあります。

アラームが鳴っても自分が近くにいないと気付きません。
長時間駐車するなら、防犯ロックも併用しましょう。
盗難映像に共通する要素。
- 鍵を付けっぱなし
- 防犯ロックを使っていない
- 破壊されやすい防犯ロックのみ使っている
強力な防犯ロックを使って、次に説明する「地球ロック」をすることで盗まれにくく出来ます。
地球ロック

駐輪場の柱など、動かせない構造物とバイクを防犯ロックで繋ぐことを「地球ロック」と言います。
防犯ロックを使った盗難対策の基本中の基本です。

出来るだけ破壊されにくい物に繋ぐのがベスト。
ただ、簡単に破壊されそうな物だとしても、繋いでおけば時間を稼げますから地球ロックしておきましょう。
駐輪環境的に地球ロックが無理な場合もあります。
繋げる物が無いということもあり得ます。
そんなときは、簡易的な地球ロックができる製品を利用してください。

「アンカープレート」「ペール缶アンカー」「簡易アンカー」などと呼ばれる製品。
タイヤの下に置く金属プレートや、コンクリートブロック、コンクリートを詰めたペール缶(小さいドラム缶)などに防犯ロックを通す場所が付いたもの。
かなりの重量がある為、簡単に移動できなくなります。
前輪と後輪が乗るような「長いアンカープレート」だと、台車 1台での移動はかなり やりにくくなります。
防犯ロックを付ける場所

- ホイール。
- ブレーキディスクローター。
- フロントフォーク。
- アンダーブラケット、又はその上の空間(ステアリングステム)。
- フレーム。
- スプロケット。(ドリブンスプロケット)
- スイングアーム。
1. ホイール。
前輪は外しやすく、実際に外されて盗まれた画像などが複数あります。
一般的に後輪のほうが外すのに手間がかかります。
可能であれば後輪にロックを付けてください。
※自分のバイクの前輪と後輪の外しやすさが分からない場合は、バイク屋に聞いてみてください。
太いロックを通しやすく、ロックを通す場所として基本の場所。
バイクカバーもホイールに通すことを想定した穴が開いている製品が主流です。
2. ブレーキディスクローター。
ボルトを外すだけで空回りしてバイクを移動できます。
地球ロックしていないと簡単に無効化されてしまいます。
ブレーキディスク専用の「ディスクロック」は基本的に小型で、アラームが付いた製品もあります。
ディスクロックは出先や、防犯ロック・又はアラームを追加したいときの利用に向いています。
3. フロントフォーク。
前輪とハンドルの間にあってサスペンションの役割をする棒状の部品です。
ここに付けただけでは移動できてしまうので地球ロックが必須です。
タイヤよりも上の位置に通した防犯ロックを取るには、タイヤとフロントフェンダー(泥よけ)を外さなければなりません。
前輪より少し時間を稼げます。
4. アンダーブラケット、又はその上の空間(ステアリングステム)

- トップブリッジ(アッパーブラケット)
- アンダーブラケット(ロアーブラケット)
- ステムシャフト
ステアリングステムは、フロントフォーク2つを繋いで固定している部品全体の名称です。
ここに付けただけでは移動できてしまうので地球ロックが必須です。
アンダーブラケットが頑丈な作りなら、壊されにくく外されにくい場所となります。
ハンドルの軸(ステムシャフト)や、フロントフォークのいちばん上のほうに通せれば、かなり外しにくくなります。
隙間が小さい車種が多く、防犯ロックを通しにくいのが難点。
5. フレーム。
タンクやエンジンなどを固定するバイクの骨格。
数は少ないですが、フレームに防犯ロックを通せる車種もあります。
フレームに付けただけでは移動できてしまうので地球ロックが必須です。
アンダーブラケットやスイングアームと比べると若干破壊しやすくなります。
有名掲示板にて自称元窃盗団の男が「フレームを切断してでも盗む」といった言葉を残しています。
6. スプロケット。(ドリブンスプロケット)
チェーンを回す歯車形状の部品。
ディスクロックや南京錠などを通せる場合があります。
後輪に固定されている為、ブレーキディスクのように簡単には無効化されません。
ブレーキディスクよりも少し防犯効果が高まります。

私はディスクロックをスプロケットに付けていますが、
チェーンオイルで汚れやすいという欠点があります。
7. スイングアーム。
車体と後輪を繋いでいる部品です。
数は少ないですが、防犯ロックを通せるような車種があります。
付けただけでは移動できてしまうので地球ロックは必須。
破壊しにくく外しにくい部品です。

防犯ロックを付ける場所。
地球ロックをする場合のベストは、
ステアリングステム・スイングアーム・頑丈なフレーム。

でも、車種や地球ロックする柱の位置などによっては、無理な場合があるよね?

- 地球ロックできる場所にメインの防犯ロック。
- 他の場所にサブの防犯ロック。
- そして車体アラーム。
というのが、
現実的かつ効果的だと思います。
万全を期すのであれば、
盗難防止ボルト。
通常の工具では外せないボルトです。
ボルトの大きさが合えば、色々なパーツを盗まれにくく出来ます。
ブレーキキャリパーのボルトを「盗難防止ボルト」に変えるとタイヤを外しにくくなります。
知識と特殊な道具のある泥棒には通用しませんが時間を稼げます。
時間がかかると判断されれば、狙われにくくなります。
※ブレーキは重要部品です。バイク屋と相談してブレーキキャリパーに使用できる専用品を使って下さい。
フロントフォーク(タイヤより上の位置)に防犯ロックを通して、フロントフェンダーのボルトも盗難防止ボルトに変えると更に時間を稼げます。
窃盗団が使用する工具
YouTubeなどに数多くあるバイク盗難映像に窃盗団がよく使う工具が映っています。
押収された工具の画像にも同じものが映っています。

防犯の為、工具の画像は載せません。
工具の名前もすぐには分からないように書いています。
盗難映像や、防犯ロックの破壊テスト動画から検索用のワードなどを得て調べいくと分かります。
主に3種類の工具が使われています。
- 硬い金属を切断する工具。
- ワイヤーなど柔らかい金属を切断する工具。
- 大きな音や火花が出るが、ほとんどの製品を切断できる工具。※日本での使用例は少ない。
この 3種類の工具を使ったテスト動画がYouTubeで大量にアップされています。
テスト動画を見ることで工具の詳細が分かります。
・てこの原理。
鉄骨やバールのようなものを使った破壊動画も少しだけ存在します。
「工具」という感じではありませんが、てこの原理での破壊についても解説します。
硬い金属を切断する工具

U字ロック、チェーンロック、多関節ロックなど硬い金属のかたまりを切断する工具。
長くなります。
結論だけ知りたい人は、オレンジの枠で囲った POINTをチェックして下さい。
防犯チェーンを販売している「Almax社」がYouTubeで、窃盗団がよく使う工具を使った破壊動画を公開していました。
自社のチェーンだけでなく、かなり有名なメーカーのチェーンもテストしていました。
Almax社が動画を公開してから、同じようなテスト動画が投稿され始め、現在は「chain cut test」などで検索すると大量に出てきます。
※日本語の「チェーン 切断 テスト」といったワードでは、参考になりにくい動画が上位に出てくるので、最初は英語で検索するのがおすすめです。
※音や火花が出る切断工具については、後ほど説明します。
切断時に大きな音が出る。
一瞬ですが、大きな音が出ます。
音を小さくする方法はありますが、動画を見てどのような音か知っておくと、盗難時に気付きやすくなるかもしれません。
雨の日は音が聞こえにくい為、より注意が必要です。
多少面倒でも雨の日は防犯ロックを追加で設置すれば、盗難の可能性を減らせます。
「ロックを浮かせると破壊されにくい」は、間違った情報でもある
防犯について調べていると、
「ロックを浮かせると破壊されにくくなる」という言葉をよく目にします。
テスト動画をいくつか見てもらえれば分かるのですが、
大きい工具を使う場合は浮いているほうが力を入れやすくなります。
ただし、小さい工具では、高い位置まで浮かせていると地面を利用できずに力を入れにくくなります。

おそらく、小さい工具を隠し持って街中を物色している海外の自転車泥棒に対して使われていた言葉が、間違って広まってしまったものだと考えられます。
大きい工具を使うにはある程度のスペースが必要。
工具の後ろ側に 1mほどのスペースが必要です。
大きい工具に対しては、浮かせるよりも車体や柱などを利用して工具が使いにくい位置に付けることのほうが重要です。
硬い金属用工具の性能
※市販の最大サイズの工具の性能です。
工具のサイズが大きくなるほど性能が上がります。
盗難動画、テスト動画では、
焼入れされた線径(太さ)14mmまでの防犯ロックは切断されています。
有名メーカーの焼入れされた16mm以上の防犯ロックは切断できていません。
※強度の高い素材を使っていない格安製品や、焼入れが出来ない一般的なステンレス・特殊ステンレス、強度が低いアルミ・特殊アルミ・チタンなどは、16mm以上でも切断される可能性があります。
この工具は22mm(角材のような角形だと19mm)ぐらいまで挟むことが可能です。
22mm以上になると上手く力を入れられず切断しにくくなっていきます。
22mm以下でも、太くなるほど切断しにくくなっていきます。
※強度が低い角形19mmの防犯ロックの切断テスト画像が複数枚公開されていました。
太すぎて短時間では切断できなかったという経過が分かる画像です。
工具を防犯ロックにセットする為の時間は、だいたい数秒から十数秒。
セットした工具の後ろ側に 1mほどのスペースが必要。
強度の低い金属
防犯ロックに使われる金属の中には、強度よりも「錆びにくさ」や「軽さ」を重視した製品があります。
主に 3種類。
- ステンレス(特殊ステンレス)
- アルミ(特殊アルミ)
- チタン
強度の低い金属その1:ステンレス・特殊ステンレス
金属は熱処理(防犯ロックでは「焼入れ」と表記されることが多い)を行うと、強度や硬度(かたさ)を上げることが出来ます。
いちばんメジャーなステンレス(SUS304)は焼入れが出来ません。
強度・硬度(かたさ)はかなり低くなります。
有名な「かてーな」というチェーンも特殊ステンレスの製品より、同じメーカーの焼入れされた特殊鋼のほうが強度は高くなっています。
太さと強度の比較。
等級10はJIS規格で最高ランクのチェーン。
等級8はひとつ下のランク。
| チェーン | 太さ | 強度 |
|---|---|---|
| 等級10 | 11.2mm | 200kN以上 |
| 等級8 | 12.5mm | 200kN以上 |
| ステンレス | 19mm | 198kN |
| 特殊ステンレス (かてーな標準) | 16mm | 200kN |
| 焼入れした特殊鋼 (かてーなEX) | 14mm | 300kN |
| 等級10 | 14mm | 315kN以上 |
| 等級8 | 14mm | 250kN以上 |
| 等級10 | 16mm | 400kN以上 |
| 等級8 | 16mm | 315kN以上 |
19mmのステンレスチェーンは、最高ランクの11.2mmのチェーンと同じぐらいの強度です。
ただし、同じ強度でも太いほうが切断しにくくなる為、強度の数値よりは防御力は高めと言えます。
参考:toishi.info/金属の引張強さの一覧
※引っ張り強さの数値は強度を表すのによく使用されます。
防犯ロックによく使われるマンガン鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼などに比べて、ステンレス(SUS304)やチタン(チタン合金は高強度)は かなり強度が低いことが分かります。
・硬度(素材の硬さ)
硬いほうが切断しにくくなりますが、硬すぎると割れやすくなる為、硬さにもだいたいの限界値があります。
参考:toishi.info/金属の硬度の一覧表。
メジャーな特殊鋼のクロムモリブデン鋼・工具鋼などと比べてステンレス (SUS304)やアルミ、チタンは かなり柔らかいことが分かります。
参考:武藤工業株式会社 熱処理研究室。
参考:加藤製作所。かてーな!!BIKE
参考:JIS規格 巻き上げ用チェーンスリング。
ステンレスは強度が低い、柔らかいという弱点があります。

しかし、錆びにくいという大きな利点があります。
チェーンが太いほど工具に力を入れにくくなっていきます。切断に時間がかかります。
ステンレスチェーンを使用するなら出来るだけ太い製品にするべきでしょう。
※焼き入れが出来るステンレスもあるのですが、サビやすくなってしまい、値段もかなり高くなってしまいます。
サビにくいというメリットが無くなるなら、通常の焼き入れ鋼を使ったほうが安く作れるので、焼き入れ出来るステンレスが防犯ロックとして使われることは ほとんどないでしょう。
強度の低い金属その2:アルミ・特殊アルミ
アルミは、強度・硬度ともにステンレスや普通の鉄 (SS400)より低く、焼入れされた特殊鋼には全く及びません。
アルミの防犯ロックは自宅用には向いていないと言えます。
軽いので出先用、特に自転車用としての需要があります。
強度の低い金属その3:チタン
チタンは硬いイメージがありますが、強度・硬度ともにそれほど高くはありません。
※チタンにも色々とあって、かなり強度の高いチタン合金もあります。
チタンは軽くて自転車用として人気です。
しかし、
海外の自転車専門サイトやYouTubeで、窃盗団がよく使う工具を使用して、太いチタン製のロック・大きい板状のチタン製ロックを短時間で切断しています。
防犯ロックに使われているチタンはあまり強度が高くないようです。
素材に関する細かい話。
※興味ない人は飛ばしてOK。
高強度のチェーンは、「JIS等級10・等級8」の2種類があります。
等級10が最高ランクで等級8は少し強度が低くなります。
有名メーカーのチェーンの素材を調べると、ほとんどが「マンガン鋼」ベースの素材。
硬度(硬さ)・強度を上げる焼入れ(熱処理)がされています。
マンガン鋼の強度は等級8に少し劣る値となっています。
有名メーカーの防犯チェーンは焼入れの回数を増やしたり、表面を硬くする処理を施したりして強度を上げています。
多くの製品が等級8相当の強度だと考えられます。
ちなみに、最高ランクの等級10チェーンを販売している有名メーカーは2つ。
・キトー
・pewag
キトーは日本の会社でチェーンのみならネットで購入できます。
バイク用ではないので南京錠などは付いていません。
更に、リンク 2つをまとめて施錠する必要があります。

もしキトーのチェーンを購入したいのであればチェーンの太さや隙間と南京錠のサイズをしっかり確認して下さい。
太さ16mmとなると、U字ロックがないと施錠できない可能性が高いです。
※一部のチェーンでクロモリ鋼を使用、U字ロックでニッケルクロモリ鋼を使用と、商品説明に書かれているのを見たことがあります。
どちらも、よく使われるマンガン鋼よりも強度は高めです。
強度に関する細かい話。
※興味ない人は飛ばしてOK。
チェーンの強度は「破断荷重」「引張強度」という言葉で表されます。
長期間使用することを想定して余裕を持たせた値は「安全荷重」「使用荷重」と言います。
引張試験。
チェーンの検査は使われている素材ではなく、完成したチェーンを引っ張って破断させます。
参考:昭和機械商事株式会社。
引っ張られて、接している部分の何処かが切れる形です。
ハサミで切断する時と同じ「せん断」という切れ方になります。
ただし切断する工具は、ハサミのような形だけではありません。
ニッパーのような鋭い刃の工具もあります。
基本的に工具の刃はかなり硬い金属が使われます。
切断テスト動画でも工具の刃が少し食い込んでいる製品が多いです。
よっぽど硬いチェーンでない限り、切断に対する強度は破断荷重(引張強度)の数値より少し低くなると考えられます。
硬い金属製の防犯ロックの性能
主に、U字ロック・チェーンロック・多関節ロックです。
有名メーカーの焼入れされた防犯ロックのおおよその強度。
- 線径(太さ)10mm以下
1分以内に切断される
小型の工具で切断している例もある
- 線径10mm
1分前後で切断される
中型以上の工具が必要
- 線径12mm
2分前後で切断される
中型サイズの工具を使って切断できない例もある
キトーの等級10(JIS最高ランク)チェーンは12.5mmが、最大サイズの工具でも切断できないという例がある。
- 線径14mm
切断には2分以上かかる
最大サイズの工具が必要
工具の扱いに慣れておらず、切断できない例もある
- 線径16mm以上
基本的には切断できない
※焼入れ出来ない一般的なステンレス・特殊ステンレス、強度が低いアルミ・特殊アルミ・チタンの場合は更に太いものが必要
※15mmは製品数が少なくハッキリとは分かりません。
ただ、14mmの切断に2分以上かかっていたりするので15mmはそれ以上かかるか、切断できないということになるでしょう。
※数少ない最高ランクのチェーンを販売している「キトー」「pewag」のチェーンは、もう少し切断耐性が高い可能性があります。
※一部のチェーンやU字ロックの上位モデルなどは、強度が高い素材(主にクロモリ、ニッケルクロモリ)を使用しており、もう少し切断耐性が高い可能性があります。
円形と角形

金属の防犯ロックは主に「切断面が丸になる円形」と「四角になる角形」があります。
一部、六角形や五角形の製品もあります。
同じ太さでも角形のほうが体積が大きくなり切断に対する強度が上がります。
※切断工具の刃が簡単に食い込んでいくような柔らかい素材の場合は、角に(1点に)力が集中して切れやすくなる可能性があります。
また、角形は円形よりも切断工具を大きく開く必要があり少し切断しにくくなります。
ハサミを使った参考画像↓

硬い金属は、切断工具の刃がなかなか食い込んでいかないので、割るように切断します。
その為、全ての力が中心に向かうのが理想です。
太い角形は、大きく開いた刃が角の2ヶ所(上の画像で言うと右端の2ヶ所)に当たり、横(上の画像で言うと左方向)にも力が向かいやすいので円形よりも切断しにくくなります。
※だいたい角形13mm以上ぐらいになると、切断工具の刃を大きく開かないといけなくなります。
※柔らかい素材の場合は「刃がどんどん食い込んでいって切断する」という別の形の切断となります。
六角形や五角形も小さい切断工具では、角と面に刃が当たるなどして、うまく力が伝わらず多少切断しにくくなります。

六角形で、角から角までの対角線の長さを線径(太さ)として記載している製品を見たことがあります。
角から角までだと、円形よりも体積は小さくなってしまいますから、 商品説明や仕様をよく確認してください。
油圧工具・電動工具
焼入れされた16mmの金属を切断できる工具も存在します。
焼入れされた16mmのチェーンを切断しているテスト動画もあります。
ただ、工具の値段が高く、高出力のものは電源などが必要で運用しにくい面があります。
ちょっと嫌な表現となってしまいますが、そこまでの工具を用意しなくても盗めるバイクが沢山ある為、使用されたという情報はほとんど見当たりません。
絶対に盗まれたくない人は、最強ロックと呼ばれるキタコロックの上位モデルや、Almax社が特注で作っている焼入れされた22mmのチェーンロックなどで対抗することが出来ます。
硬い金属用工具への対策法
- ベスト
窃盗団がよく使う工具では切断できない「焼入れされた16mm以上」の防犯ロックで地球ロックをする。
更にアラームや他のロックも併用して出来る限り時間がかかるようにする。
- 次点
慣れていないと切断が困難な「焼入れされた14mm」の防犯ロックで地球ロック。
更にアラームや他のロックも併用して出来る限り時間がかかるようにする。
- そこそこ
切断に2分ぐらいかかる「焼入れされた12mm」の防犯ロックで地球ロック。
更にアラームや他のロックも併用して出来る限り時間がかかるようにする。
- 最低限
切断に1分ぐらいかかる「焼入れされた10mm」の防犯ロックで地球ロック。
出来る限りアラームや他のロックも併用する。
硬い金属用の工具:まとめ
窃盗団がよく使う「硬い金属を切断する工具」の盗難動画、テスト動画を確認していくと、
焼入れされたチェーンロックは、線径(太さ)14mmまで切断されています。
焼入れされた製品で16mm以上は切断されていません。
焼入れされたチェーンロックは、12mm前後になると切断に2分ぐらいかかることが多くなってきます。
14mmは2分以上、切断できない例もあります。
そして切断時に大きな音も出ます。
12mmクラスでも他のロックと併用すれば、そこそこ時間を稼げます。
14mmや16mmで地球ロックすれば、かなり盗まれにくく出来るでしょう。
※焼入れ出来ない一般的なステンレス・特殊ステンレス、強度が低いアルミ・特殊アルミ・チタンは、テスト動画以上に太い製品が必要です。
ワイヤーなど柔らかい金属を切断する工具

ワイヤーロック、スチールリンクロック、特殊繊維のロックなど、柔らかい素材を切断する工具。
結論だけ知りたい人は、オレンジの枠で囲った POINTをチェックして下さい。
硬い金属を切断する工具は、柔らかい物は切断しにくいという特徴があります。

実際の盗難映像、テスト動画でも、
ワイヤー・スチールリンクなどの柔らかい金属・薄い金属・特殊繊維には柔らかい金属専用の工具が使われています。
柔らかい金属を切断する工具の性能
この工具は大きく分けて2種類の形があります。
- 硬い金属用と似た形の工具
- 少し時間がかかるが かなり太いものでも切れる工具
1. 硬い金属用と似た工具
最大サイズの工具で、32mmまで切断できます。
工具を防犯ロックにセットする為の時間は、早ければ数秒で終わります。
柔らかい素材の防犯ロックは、軽くて扱いやすい為、かなり早い時間で工具のセットが完了します。
最大サイズの工具を使う為には、防犯ロックに工具をセットした状態で、後ろ側に 1mほどのスペースが必要です。

ちなみに私は、使わなくなった電線などを撤去するアルバイトをしたことがあり、この工具を利用したことがあります。
2. 少し時間はかかるが かなり太いものでも切れる工具
こちらは、いきなり強い力は出せず、工具をセットして徐々に力が加わっていくという形です。
工具のセットから切断までの時間は、だいたい数十秒ほど。
しかし工具はコンパクトで50mm・60mmといった太さでも切断可能です。
バイク泥棒はなるべく時間をかけたくないようで、盗難映像では、だいたい時間のかからないほうの工具を使っています。
ワイヤーロックとスチールリンクロック(※1)は、ごく一部の特別な製品を除いて全て切断されています。
しかも2秒・3秒といった短時間で切断されています。
ほとんど音も出ません。
多くの特殊繊維のロック(※2)も、この工具を使って短時間(数秒)で切断されています。
※1. スチールリンクロック:細いワイヤーの上に薄い金属パイプを被せたロック。
※2.特殊繊維系は切断しにくい製品もありますが、硬い金属用の工具を使って数秒で切断している動画もあります。
動画を見ると「ああ、なるほど」と感じる切断方法です。
この方法はまだあまり広まっていないようなので、防犯の為に詳細は伏せます。

2秒で切断とか流石に無理でしょ?
・盗難映像も沢山ある。
ワイヤーロック・スチールリンクロックを数秒で切断している実際の盗難映像もあります。
ワイヤーロックなどは自宅のメインロックには向いていません。

ただ、防犯ロックを何も付けていないよりは遥かにマシです。
※防犯ロックを持ち上げて→工具をセット→切断→工具を引っ込める→切ったロックを外す。と、すぐに切れたとしても多少の時間は稼げます。
ワイヤーロックしか持っていないとしても、毎回しっかり取り付けましょう。

ちなみに私も最初に買ったのはワイヤーロック。
防犯ロックについて調べるまでは、長年ワイヤーロックのみでした。
そしてバイクを盗まれました。
ヤマハのマジェスティという当時人気のビッグスクーターを盗まれました。
※人気のある車種は要注意。

私はワイヤーロックしか付けていなかったバイクを盗まれてから、盗難対策や防犯ロックについて色々と調べるようになりました。
音と火花が出るが、ほとんどのロックを切断できる工具
大きな音と火花が出る工具です。
この工具を使用した海外の盗難映像が少しだけ存在します。
盗難映像は少ないですが、テスト動画は大量にあります。
焼入れされた16mm以上の製品もほとんどが切断されています。
しかし、この工具を使うと、アラームより目立つ耳障りな音がします。
よほど悪い駐輪環境でない限り気が付くような音です。
嫌な言い方になりますが、
ここまで音を出さなくても盗めるバイクが沢山ある為、日本で使用されたことはあまりないようです。

この工具を使われる事は ほとんど無いとはいえ、
作業服を着たり・鍵屋の扮装をして盗みにくる可能性も否定できません。
自分以外の人がバイクを動かそうとしていたら警察に通報してもらうように、家族や近所の人に頼んでおきましょう。
てこの原理。
鉄骨やバールのようなものを差し込んで、てこの原理で破壊。
強度が低く短いロックが破壊されています。
※主に安い U字ロック。
強力なロックや長いロックをてこの原理で破壊している動画は見当たりません。
よく「ジャッキを使われないように出来るだけ隙間を無くせ」と言われますが、てこの原理に関しては隙間が大きいほうが支点が定まらずに時間がかかっています。
基本的に隙間が小さいほうが、てこの原理での破壊がやりやすくなります。

実は画像の右側のほうが、U字ロックが動いてしまって、テコの原理による破壊がやりにくい。
※実際の盗難映像でも確認済み。
※もちろん、棒を差し込めないぐらいの隙間に出来たり、差し込めても動かせないようになっていれば大丈夫です。
対策。
・強度の高い U字ロックを使う。
・バイク本体や壁などがジャマになって 長い棒が使いにくい位置にロックする。
ジャッキでの防犯ロック破壊について。
ジャッキ関連について調べると、小さい隙間に使える改造したジャッキや特殊な油圧工具を使っていたという情報が見つかります。
ただし、情報数は少なく、切断工具での窃盗が大半です。
まずは、切断工具に対する防犯を考え、可能であればジャッキ対策もする。という形が良いでしょう。
実際に使われていた工具や手法を見ると、
・簡単に破壊されないロックを使う。
・フロントフォーク上部などバイク本体が邪魔となって工具を使いにくい位置にロックを付ける。
といったことが重要なようです。

ひとつ上で紹介した、テコの原理での破壊に対する対策と同じですね。
てこの原理(捻り)・U字部分を引き抜く破壊について。
U字ロックについて調べていると、
「ジャッキを使われないように隙間をなくせ」という言葉をよく目にします。
すでに述べた通り、てこの原理での破壊動画を見ると隙間が大きいほどU字ロックが動いて時間がかかっています。
隙間が小さいほど「支点」が定まり短時間で破壊しています。
ジャッキの情報は少ないのですが、改造したジャッキでものすごく小さい隙間にも使用できる。
といった情報が見つかります。
別の工具を使った引き抜きでの破壊も、ものすごく小さい隙間でも破壊できる。
という情報が見つかります。
実際に使われた工具を調べると、
隙間をなくすことよりも「てこの原理」「引き抜き」をされにくい位置に付けることが重要です。
安い(強度の低い)U字ロックを「てこの原理」で破壊している盗難映像はありますが、「引き抜き」の盗難映像はありません。
引き抜きは、工具もかなり特殊なものが必要です。
一方、てこの原理は長い棒があれば可能です。

強力なU字ロックを使っていて破壊されなかったとしても、
破壊を試みられるだけで嫌ですよね。

テコの原理、引き抜き対策では、
長い棒で「てこの原理」での破壊を試されないようにすることが、いちばん重要だと考えられます。
防犯アラーム
主に2種類。
- アラーム付き防犯ロック
- 車体(内部に設置する)アラーム
アラーム付き防犯ロック

ディスクロックやU字ロックにアラーム機能を付けたものが主流。
数は少ないですが、アラーム付きのチェーンロックやワイヤーロックなどもあります。
アラーム付きの防犯ロックは、よっぽど分かりにくい位置に設置しない限りアラームの位置がバレています。
手でスピーカー部分を押さえたり、何かで包んだり、覆ったりして音を小さくすることが可能です。
- 水没させる
- ショートさせる
- 特殊な機器で無効化する。
といった情報も見つかります。
アラーム付きの防犯ロックは、車体アラームの補助、車体アラームが無い場合の時間稼ぎアイテム。
といった位置付けとなります。

アラーム無しよりは遥かにマシだから、
車体アラームが無い場合は、アラーム付きの防犯ロックをチェックしてみてください。
車体に取り付けるアラーム

バッテリーに接続、又は電池式や充電式でシート下などに設置するアラームです。
最初からアラームが付いたバイクや、メーカー純正オプションで付けられるバイクもあります。
設置できる場所は車種によってだいたい決まっています。
車種専用設計のアラームは、知識のある泥棒なら場所が分かります。
しかし、全てのバイク泥棒がバイクに詳しいわけではないですし、何かで包んだり、覆ったりすることも出来ない為、見えているアラームよりは防犯効果は高くなります。
他の用途のアラーム、防犯ブザー
窓用アラーム、ドア用アラームなど、2つの部品が離れることでアラームが鳴る製品は、バイクカバーに付けたり、防犯ロックに付けたりして運用することが出来ます。
窓用アラームは、衝撃を検知して鳴る製品もあります。
設置には工夫が必要ですが、元窃盗団による証言で、「バイク泥棒が想定していないアラームは、かなりの効果がある」といった情報があります。
アラームを付けていれば、泥棒に無効化させる時間を与えることが出来ます。
車体内部に設置するアラームは、場所の特定にも時間をかけさせることが出来ます。
また、「アラームが鳴ったとたん、バイク泥棒が逃げていった」という盗難映像や盗難情報も見つかります。
出来るだけアラームは設置するようにしてください。
GPS、スマートトラッカー(スマートタグ、紛失防止タグ)

移動させられた(もしくは移動中)のバイクの位置をスマホなどで確認できます。
外されたり、無効化されない限り有効です。
無効化できる特殊な機器が有り、知識と装備が揃っている窃盗団には無効化されてしまいます。
ただ、全てのバイク泥棒が知識豊富で色々な道具を持っているわけではないですから、ある程度の効果は見込めます。
実際に効果があった事例がココセコムのホームページから確認できます。
参考:ココセコム公式ページ 車・バイクの「貢献事例」から取り戻した例がいくつか見れます。
アップルのエアタグなど紛失防止タグを使うという方法もあります。

見つかれば外されますから、なるべく分かりにくい場所に設置するようにしてください。
所長から一言(まとめ)

出来るだけ太い焼入れされた防犯ロックで地球ロック。
サブの防犯ロックとアラームも併用して、盗むのに時間がかかるようにする。
さらなる防犯を考えるなら、GPSも利用。
- ワイヤーロック、スチールリンクロック、特殊繊維のロックは、数秒で切断される。
自宅のメインロックには向いていない。
ただし、何も付けていないよりは時間を稼げる。
- 焼き入れされた16mmの防犯ロックは、窃盗団がよく使う工具では切断できない。
※ステンレス(特殊ステンレス)、アルミ(特殊アルミ)、チタンは強度が低く、もっと太いものが必要。工具の限界は22mm。角形19mmぐらい。
- 焼き入れされた14mmは、工具の扱いに慣れた人じゃないと切断できない。
切断するのに 2分以上かかる。
- 焼き入れされた12mm、13mmは、切断に 2分前後かかる。
- 焼き入れされた10mmは、切断に 1分前後かかる。
10mm・12mmクラスの防犯ロックを使う場合は、複数のロックとアラームを併用して時間がかかるようにしておくと、狙われにくくなります。
- アラームを設置していれば、無効化する為に時間をかけさせることが出来る
- 全ての泥棒がバイクに詳しいわけではない為、アラームで撃退できる可能性もある
- GPSでバイクを取り戻した事例もある

可能な限り盗まれないようにするには、
太さ16mm以上の焼入れされた防犯ロックで地球ロックしましょう。

バイク側も地球ロック側もなるべく破壊されにくい場所を選ぶ。
そして出来るだけ工具が使いにくくなる位置にロックを付けましょう。

ステンレス(特殊ステンレス)、アルミ(特殊アルミ)、チタンは強度が低く、もっと太いものが必要。
よく使われる切断工具の限界は22mm、角形だと19mmぐらい。
ワイヤーロック、スチールリンクロック、特殊繊維は強度が低く、メインのロックには向いていません。
- ロードサービスは何度でも無料。
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JAFの入会方法やメリットは、こちらの記事をご覧ください。
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