冬用の肌着、アンダーウェアについて。
バイク用・スポーツ用・アウトドア用・作業着・普段着。
色々あるけど、どれがいいの?
全て試してきた私の場合、
「走る場所」「立ち寄る場所」で着る種類(素材)を決めます。
ざっくり言うと、汗がいっぱい出るか、汗はあまりかかないか。
これで、ベストな素材が決まります。
昔のブログで色々と試した感想を簡単にまとめています。
※2010年なのでリンク切れ、間違い等あります。
肌着ではなく、中間に着るインナーはこちら。
基本情報。
知ってる情報は飛ばして下さい。
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吸湿発熱とは?
人間は冬でも微妙に汗をかいています。
汗として出ていなくても、水蒸気として放出されています。
汗や水蒸気を吸収して熱に変えるのが、「吸湿発熱インナー」です。
「ヒートインナー」「あったかインナー」という表記もよく見られます。
吸湿発熱の仕組み、原理。
興味ない人は飛ばして下さい。
完全には解明されていませんが、発熱する要因と考えられているのは、4種類。
- 湿潤熱。
- 吸着熱。
- 凝縮熱。(凝集熱)
- 水和エネルギー。
湿潤熱。
乾いた固体(吸湿発熱インナーの裏地)に汗が吸収されると、汗で濡れて表面の状態が変わります(乾いた状態ではなくなります)。
一般的に、乾いた表面から濡れた表面に置き換わるときに熱を発生します。
簡単に言うと、生地が汗を吸収するときに熱を発生します。
湿潤熱を得るために、発熱インナーは水分を吸収する素材がよく使われています。
逆に夏用の吸水速乾インナーは、水分を吸収しないポリエステルがよく使われます。
吸着熱。
自由に動いていた(汗の)水分子が、裏地に付くと動きが止まります。
止まると動いていたエネルギーが別のエネルギー(熱)に変換されます。
運動エネルギーが熱エネルギーに変換されることで発熱します。
吸着熱に関しては、発熱インナーの販売メーカーや、検査をする会社も説明しており、ほぼ間違いない発熱の要因だと考えられます。
凝縮熱。(凝集熱)
よく知られている気化熱の逆パターンです。
水が蒸発するときに周囲の温度を奪うのが気化熱。
汗の水蒸気が水に変わるときに発熱するのが凝縮熱。
生地が湿ったままにならないように、発熱インナーの多くは多少の速乾性も合わせ持っています。
水和エネルギー。
科学種と水が結合することを「水和」と言います。
結合するときのエネルギー(水和エネルギー)が熱として放出されます。
水分を吸収する生地の素材に水分子(汗)が引き寄せられ結合する(水和する)ときに発熱します。
吸湿発熱インナーの発熱のメカニズムは完全には解明されていません。
「吸湿発熱 仕組み」などで検索してもほとんどが「吸着熱」又は「凝縮熱」の説明のみです。
販売メーカーや検査している会社ですら、吸着熱か凝縮熱の説明しかしていないケースがほとんどです。
※初回投稿(2023年1月)時点の話です。
まだよく分かっていないことがある。ということはご了承ください。
・参考資料。
今回 4種類の説明で参考にしたのは、以下の論文です。
参考リンク:綿布の吸湿発熱。 PDFファイル。
参考リンク:合繊系高吸水繊維の繊維構造と湿潤熱。 PDFファイル。
参考リンク:吸放湿繊維材料の水蒸気吸脱着に伴う熱量変化及び発生機構の分析。 PDFファイル。
冬用に速乾素材が必要な理由。
まず、吸湿発熱インナーの生地の構造から説明します。
- 裏地で汗を吸収して発熱させる。
- 中間層は隙間を多くして保温、断熱。
- 表生地で汗を拡散、蒸発を促す。
繊維の織り方などを工夫してこのような構造となっています。
表生地の工夫によって ある程度の速乾性を備えている製品が多いのですが、汗が出過ぎると「速乾」性能が追い付かずに濡れた状態が続きます。
汗冷え。
汗で生地が濡れたままだと、汗が冷えて寒くなることがあります。
水(汗)は空気の20倍以上の熱電導率の為、汗が残ったままでいると乾いているときより冷えやすくなります。
いわゆる「汗冷え」という現象です。
限界までは「発熱」が機能して暑すぎると感じ、汗が乾ききらないと次第に寒くなっていきます。
寒いけれど汗をかく「雪山用のインナー」は、速乾性能や汗冷えを防ぐことに重点が置かれています。
バイクでも、高速道路や山道を走って寒くない服装にすると、
街中はかなり暑く、暖房の効いた屋内は暑すぎることがあります。
アウターを脱いだぐらいでは、なかなか汗が止まらないということも起こります。※経験談。
冬の登山用に習って、速乾素材のウェアを着ることで「暑すぎる」「汗が出過ぎる」状態を軽減できます。
バイク専用のアンダーウェア。
バイク用品メーカーも冬用インナー(冬用アンダーウェア)を販売しています。
発熱素材を使用しているもの、使用していないもの、前面が防風素材のもの等、色々ありますが
いちばん大きな特徴は、バイクに乗ったときの姿勢を考慮して作られていることでしょう。
- 手を前に出してハンドルを持っても手首が出ない。
- 膝を曲げても足首が出ない。
- 前傾姿勢でも腰が出ない。
- 突っ張らないようストレッチ素材を使用。
バイク用以外のアンダーウェア。
手首と足首が出る。前傾姿勢で腰が出る。出ないまでも突っ張る可能性があるということを考えておいて下さい。
上に着る服や、リストバンド、レッグウォーマー、長めのソックス、腹巻きなど色々な方法で対策が可能です。
いちばん外側に着るアウターや、中間着のインナーがバイク用なら、それほど問題にはなりません。
冬の重ね着 (レイヤリング)。
バイクに乗るときの重ね着は、3段階に分けて考えます。
- ベースレイヤー。(肌着)
- ミドルレイヤー。(中間着)
- アウターレイヤー。(上着)
通常、ミドルレイヤーの厚さや枚数で温度調節をします。
・夏:ミドルレイヤー無し。
・春秋: 1枚。
・冬: 2枚。
など。
しかし、冬はベースレイヤー(肌着)も重ね着をしたほうが快適なことがあります。
あまり汗をかかない場合。
ほとんど汗をかかないなら、ベースレイヤー(肌着)は吸湿発熱インナー 1枚でOK。
ブカブカだと汗が肌に残りやすく、発熱も感じにくくなるので、ピッタリとフィットする製品のほうが暖かさを感じやすくなります。
寒く感じるときは、着ぶくれしない範囲で厚手のインナーにするか、2枚重ねて下さい。
吸湿発熱インナーが流行りだした当初は、薄手の製品が主流でした。
しかし、バイク用品メーカーはかなり早い段階から厚手の製品をラインナップに加えていました。
現在は「薄いのに暖かい」を売りにしていたユニクロも厚手の製品を販売しています。
厚手のほうが空気の層(断熱層)を多く取れて暖かくなります。
たくさん汗をかくことがある場合。
冬のバイク走行でも汗をかくことがあるなら、ベースレイヤー(肌着)は少し厚手の速乾素材がおすすめ。
ブカブカだと肌に汗が残りやすいので、なるべく体にフィットする製品にして下さい。
発熱インナーと同様に、厚手のほうが暖かく感じます。
夏用の速乾インナーは寒いからダメ。
という説明をよく見かけますが、私の経験上では寒く感じたことはありません。
※街中走行では暑いぐらい防寒がしっかり出来ていること前提です。
ベースレイヤー(肌着)の重ね着。
もし、汗をかくこともあるけれど、それ以外のシュチュエーションでは寒く感じてしまうなら、速乾インナーの上に発熱インナーを着て下さい。
速乾インナーが汗を吸い取り、その汗を発熱インナーが吸収して発熱という形になります。
発熱インナーが肌に直接触れないことで「発熱で暑すぎる状況」を緩和できます。
また、肌の上に速乾性能の高いウェアを着ることで「汗冷え」のリスクも軽減できます。
発熱インナーを足すと暑く感じてしまうときは、薄手で高性能な速乾インナーの上に厚手の速乾インナー。
これは、冬の登山での重ね着に近いパターンです。
雪山用の重ね着(レイヤリング)。
たくさん汗をかくので、発熱よりも速乾性能を重視します。
・昔ながらの基本的な重ね着。
- ベースレイヤー。(肌着)
速乾インナーや汗冷えしにくいウール。 - ミドルレイヤー。(中間着)
断熱効果の高い空気を溜める保温層。 - アウターレイヤー。(上着)
風を防ぐ素材。
・更に速乾性を重視した重ね着。
- ドライレイヤー。
吸水性能重視の薄い速乾インナー。 - ベースレイヤー。
速乾インナー。 - ミドルレイヤー。
- アウターレイヤー。
参考リンク:アウトドアブランド finetrack。
速乾インナーの下に、吸水性を重視したインナーをもう 1枚着ます。
ドライレイヤーで吸収した汗をベースレイヤーが吸収することで、より肌に汗が残りにくくなります。
ベースレイヤー(肌着)の種類、厚さを色々と変えて
「ベースレイヤー(肌着)の重ね着」
をすることで、様々なシチュエーションに対応できます。
素材。
大きく分けると、化学繊維と天然繊維の 2種類となります。
よほど過酷なシチュエーションでない限り、細かい性能差を気にする必要はありませんが、走行風で汗冷えの危険があるバイクでは汗冷えしにくさは重要です。
また、化学繊維が肌に合わない人は、素材名を必ずチェックしましょう。
化学繊維。
・レーヨン。
吸湿発熱インナーでは定番の素材です。
吸水性能が高いが、乾きにくいという性質を持っています。
プラスに帯電しやすい素材です。
多くの服に使われているポリエステルがマイナスに帯電しやすいので、ポリエステルと擦れると静電気が発生します。
汗冷えの可能性が高く、金属部品で静電気が恐いバイクでは、レーヨンを多く使った製品はあまり向いていません。
・アクリル繊維。ポリエステル繊維。
アクリルはウール、ポリエステルは綿に似せて作られた繊維です。
水分を吸収しないので、単体で発熱インナーに使われることは少なく、他の素材と併用されます。
ポリエステルは、速乾インナーでは定番の素材です。
ポリエステルの比率が高い製品は、速乾性能を上げやすくなります。
ポリエステルの速乾インナー、ポリエステルの比率が高い発熱インナーは、バイクに向いている素材と言えます。
しかし、化学繊維は静電気が起こりやすく、肌に合わないという可能性があります。
気になる場合は、次の天然繊維がおすすめです。
天然繊維。
・綿(コットン)。
吸水性は高いが、乾きにくくレーヨンほど発熱しないという特徴から、発熱インナーが登場した当初は使われにくい素材でした。
現在は裏地、表地の形を工夫するなどして性能が向上し、吸湿発熱インナーの主流となってきています。
化学繊維より肌に優しい傾向があり、化学繊維が肌に合わない人は、なるべく綿の比率が高い製品が向いています。
汗冷えが気になる人は、「綿の速乾インナー」プラス「綿の発熱インナー」の重ね着にしてみて下さい。
・ウール。
吸水性能、発熱性能、保温性能が高く、更に汗で冷えにくいという冬用として理想的な素材。
ただし値段が高い、虫食い対策が必要というデメリットがあります。
アウトドアブランドが、雪山用の高級インナーとして販売しています。
天然素材と日本製にこだわったアンダーウェアを提案する
steteco.com(ステテコドットコム)
別タブで開きます。
ステテコの生地には凹凸のある「綿クレープ」を採用。
肌に張り付きにくく、吸水速乾性に優れ、ストレッチ性もあります。
有名メーカー。
吸湿発熱インナー、速乾インナーを販売している有名メーカーの一覧です。
調べる際の参考にして下さい。
バイク、アウトドア、スポーツ、作業着、一般で分けています。
あいうえお順。
バイク用品メーカー。
・RSタイチ。
・クシタニ。
・コミネ。
・ゴールドウイン。
・HYOD(ヒョウドウ)。
・ヘンリービギンズ。
・ラフ & ロード。
アウトドア用品メーカー。
・ノースフェイス。
・パタゴニア。
・ミレー。
・モンベル。
スポーツ用品メーカー。
・アディダス。
・アンダーアーマー。
・デサント。
・ナイキ。
・ボディメーカー。
・ミズノ。
作業着。
・ワークマン。
一般。
・イオン。
・おたふく手袋。
・グンゼ。
・しまむら。
・ドンキホーテ。
・無印良品。
・ユニクロ。
・ワコール。
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