
かっこいいミラーに変えたいんだけど・・・
必要な工具が書いてないことが多いし、「逆ネジ」「保安基準」とか言われても分かんないっす。

保安基準 (法律関係) について簡単に解説したあと、
「逆ネジ」「変換アダプター」などについて説明します。

ミラーを販売している有名メーカーは「適合車種」を載せていることが多いです。
「保安基準適合品」と明記している製品も多いです。
詳しいことが分からないときは、
「保安基準適合品」で、「適合車種」に自分のバイクが載っている製品にしておけば安心です。
最初は保安基準について。
「保安基準適合」と書かれている製品を選ぶなら問題はないので、飛ばしてください。
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バイク用ミラーの保安基準。

バイク用ミラーの保安基準。
簡単な まとめ。
- 一定の方向を保持できて、方向の調節も出来ること。
- 歩行者等に接触した場合に、衝撃を緩衝できること。
- 後方確認がしやすい構造であること。
- 振動で見えなくなったりしないこと。
- 左右の車線上、後方50mの交通状況が確認できること。
- 左右両側に取り付けられていること。
※最高速度50km/h以下 (50ccまでの原付一種) の場合は左右両側、又は右側に取り付け。 - ミラーの中央が、ハンドルの中心から280mm以上外側に出ていること。
- 規定のサイズであること。
※サイズの詳細は次の項目で説明します。
バイク用ミラーの保安基準は「道路運送車両法」によって定められています。
・道路運送車両法の保安基準 (第44条、第64条の2)
・道路運送車両法の保安基準の細目を定める告示 (第146条、第267条)
・道路運送車両法の保安基準第2章及び第3章の規定の適応関係の整理のため必要な事項を定める告示 (第52条、第70条)
参考:e-Gov法令検索 →「道路運送車両法」で検索
古いバイクの保安基準。
平成18年 (2006年) 12月31日以前に製造された車両で、平成16年12月31日以前に形式認定された車両。
少し異なる部分があります。
- 鏡面のサイズについての規定はありません。
- 125cc以下の原付一種、原付二種は右側だけでもOK。
バイク用ミラーの規定サイズ。

- 鏡面の面積が69平方センチメートル以上。
- 円形のミラーは、鏡面の直径が94mm以上、150mm以下。

- 円形以外のミラーは、鏡面の大きさが120mm × 200mm未満。
- 直径78mmの円が入ること。
衝撃緩和機構。(衝撃緩衝機構)

走行中に歩行者などと ぶつかったときに、ミラーが動いて衝撃を逃がす仕組みです。
メーカー独自の衝撃緩和機構を採用している製品もありますが、昔からの定番の方法は、ネジが緩むことで衝撃を緩衝する仕組みです。
右側ミラーのネジを緩めて衝撃を逃がす場合は、通常とは逆に回す「逆ネジ」が必要です。
逆ネジとは。

- 通常のネジ「正ネジ」
右回り (時計回り) で締まり、左回り (反時計回り) で緩みます。
- 逆に回す「逆ネジ」
左回り (反時計回り) で締まり、右回り (時計回り) で緩みます。
※正ネジは右回りで締め付けるので「右ネジ」
逆ネジは左回りで締め付けるので「左ネジ」とも呼ばれます。

右側ミラーを「逆ネジのミラー」にすればいいのね。

でもね、バイク側のネジ穴が「正ネジ」の場合も多いんですよ。

どうすりゃいいのさ。

逆ネジから正ネジに変換できるアダプターを使います。
※バイクに最初から付いているアダプターをそのまま使える場合もあります。
逆ネジ用のアダプター。

- 逆ネジのミラーを、正ネジに変換するアダプター。
- バイク側のネジ穴が逆ネジ、ミラーが正ネジの場合のアダプター。
・バイク側のネジ穴が「正ネジ」
・右ミラー側も「正ネジ」
だった場合、上記1と2のアダプターを組み合わせます。

うーん、ややこしい。

商品説明に「保安基準適合」と書かれている製品にしておけば「衝撃吸収に関して」は大丈夫。
ネジを回す方向が逆向きで付かなかった場合だけ、逆向きのアダプターを使用すればOK。
保安基準適合品の例。
タナックス:エーゼット4ミラー EX
バイクの右側のネジ穴に逆ネジを採用していることが多いメーカー。
- ヤマハ。YAMAHA
- ドゥカティ。DUCATI
- ロイヤルエンフィールド。ROYAL ENFILED
- キムコ。KYMCO
- エスワイエム。SYM
- ハスクバーナ。HUSQVARNA
バイク側が逆ネジだった場合、まずは、純正のアダプターが、交換したいミラーに使えるかどうか確認して下さい。
ネジのサイズ、使用工具などは、少し下で説明しています。
ネジ穴のサイズを変えたり、高さを変えるアダプターもあります。
変換アダプター。

画像 左。
ミラーのネジが 10mm、バイク側のネジ穴が 8mm。といった場合に、ネジ径を変換するアダプター。
画像 右。
バイク側のネジ穴が奥まった場所にあったり、ハンドル周りのパーツがミラーに干渉する場合、ロングタイプのアダプターを使います。
他にも、横にズラす「オフセット」タイプのアダプター。
90度向きを買える「直角」タイプのアダプターなどもあります。
主なミラーの取り付け場所。

- ハンドルバー。
「ハンドルマウントミラー」
- ハンドルグリップの端。
「バーエンドミラー」
- カウル。
「カウリングミラー」
順番に説明していきます。
ハンドルマウントミラーの構造と取り付け方。

- アダプター。(台座)
- ミラー本体。
- ロックナット。
- 1アダプター。
アダプターをハンドル周りにあるネジ穴に取り付けます。
- 2ミラー本体。
ミラーを手で回しながら、ある程度キツくなるまで締め付け、後ろが見えやすい位置でミラーを止めます。
- 3ロックナット。
ロックナットを締め付けてミラーを固定します。
※昔ながらの一般的なミラーの取り付け方です。
メーカー独自の機構を採用している製品は、取り付け方法が異なる場合があります。
説明書等で確認してください。
- 1ロックナットを緩める。
逆ネジの可能性があるので、慎重に力を入れていきます。
緩まなければ逆に回してみます。 - 2ミラーを外す。
手で回して外します。
- 3アダプターを外す。
逆ネジの可能性があるので、慎重に力を入れていきます。
緩まなければ逆に回してみます。
※逆ネジの場合、ロックナットとアダプターが一緒に回ってしまうことがあります。
押さえておく用の工具が必要になります。
工具については、もう少し下で説明していますので、そちらをご覧ください。
ゴムカバー (ステーブーツ) 付き。

ハンドルマウントタイプは、ゴムカバー (ステーブーツ) で覆われている車種も多いです。
カバーは手で上にズラせます。
ミラーのネジ径。

商品説明には、よく「M8」「M10」などの記号が書かれています。
「ネジ径」と書かれている場合もあります。
どちらも、ネジのギザギザ部分の直径です。
・M8なら、直径 8mm。
・M10なら、直径10mm。

ネジ径は、スパナなど工具の使用サイズとは違うので注意してください。
ピッチ、又は「P1.25」「P1.5」などの記号で書かれているのは、ネジの山と山の間の距離です。
ミラーによく使われているネジは、主に「P1.25」
ただし、メーカーによっては、別のピッチが採用されていることがあります。
主なメーカーは、ハーレーとBMW。
ハーレー用アダプター。
ネジ径10mmのミラーを付けられるようにするアダプター。
ハーレーは、ネジ穴の単位が、mm (ミリメートル) ではなく「インチ」です。
バイク取り付け側に「5/16 UNF」 又は「5/16-24 UNF」 といった単位のネジが必要です。
※5/16はネジのサイズ。24はネジ山の数。
タナックス・デイトナなど有名バイク用品メーカーが、ハーレー専用のアダプターを販売しています。
BMW用アダプター。
バイク側のP1.5 (ピッチ1.5mm) を一般的なP1.25に変えるアダプター。
P (ピッチ) は、ネジのギザギザの山と山の間の距離です。
BMWは、一般的な「P1.25」だけでなく、「P1.5」もよく使われています。
タナックス・デイトナなど有名バイク用品メーカーが、BMW専用のアダプターを販売しています。
※BMWは、バイク側が逆ネジで、P1.25という車種もあります。
事前に回す方向とピッチを確認してください。
ピッチが正確に測れず分からないときは、バイク屋に聞いてください。
ネジのサイズを測る。

ミラーのネジとアダプターのネジのサイズが違っていることがあります。
両方のネジ径を測ってください。
よくあるサイズは、8mmと10mm。
※少し上でも説明しましたが、ハーレーは、単位がmm (ミリメートル) ではなく「インチ」のネジが使われています。
※BMWは、ピッチが「P1.5」の場合があります。

ロックナットとアダプターの六角形の部分の幅も測っておきます。
よくあるサイズは、14mmと17mm。
必要な工具は次で説明します。
必要工具。

アダプターやロックナットを回す為の工具が必要です。
ロックナット用の工具。
ロックナットはミラーをしっかりと固定するナットです。
ミラーを付けてから締め付けていく為、横からしかアクセス出来ません。
必要工具は「スパナ」か「コンビネーションレンチ」となります。

- 上:コンビネーションレンチ。
- 下:スパナ。
ミラー取り付けによく使われるサイズ。
主に、14mmと17mm。
アダプター用の工具。
基本的には、スパナかコンビネーションレンチがあればアダプターも回せます。
ただ、車種によっては「スパナ」「コンビネーションレンチ」が使えないことがあります。
アダプターの取り付け場所が奥まったところや、周りのパーツが干渉する場合は、
「ソケットレンチ」などが必要です。

ソケット (画像 真ん中の段) を付け替えることで様々なネジに使用できます。
ソケット自体がある程度の高さがありますし、高さをかせぐ棒 (エクステンションバー) を付けることで、かなり奥まった場所にも使えます。

一部製品では、六角穴付きボルトも使われています。

工具は「六角レンチ」が必要です。
六角レンチの主な必要サイズは、
2.5mm、4mm、6mm、8mm。
たいてい六角レンチのセットに入っています。

六角レンチのセットは、8〜10本ぐらいで まとめたものが主流です。
逆ネジの着脱。

アダプターとミラー (ロックナット) のどちらかが逆ネジの場合、ロックナットを回そうとするとアダプターが一緒に回ってしまう「共回り」が起こるおそれがあります。
共回りを防ぐ、「押さえ用の工具」が必要です。
スパナ、コンビネーションレンチをもう 1本使うか、モンキーレンチを使って押さえます。
※モンキーレンチ (画像下側の工具) はヘッドが大きい為、周りのパーツに干渉するおそれがあります。
取り付け場所をよく確認してから工具を選んでください。
最初は指で締め付ける。
ネジが斜めに入った状態で強く締め付けると、ネジ穴をつぶしてしまう おそれがあります。
指は工具ほど強い力が出せず、斜めになっても気付きやすいので、最初は出来るだけ「指」で締め付けます。
工具での締め付け過ぎに注意。
一般的な長さの工具を使う場合だと、基本的には 手の力でちょっと強めに締め付けるぐらいで十分です。
体重をかけて締め付けると やり過ぎです。

ネジが緩んで衝撃緩衝するタイプで強く締め付け過ぎると、ぶつかったときに緩んで衝撃を逃がすことも出来なくなります。
※JIS規定の長さが「一般的な長さ」の参考になります。
・工具の長さの基準。
スパナ、コンビネーションレンチ。
JIS規定の長さ。
スパナ。
12×14mm:全長140mm。
14×17mm:全長165mm。
17×19mm:全長180mm
コンビネーションレンチ。
14mm:全長155mm。
17mm:全長185mm。
参考:JIS B 4630:1998
参考:JIS B 4651:1998
・工具の長さの基準。
六角レンチ。
JIS規定の標準サイズ。
2.5mm:全長58.5mm
4mm:全長74mm
6mm:全長96mm
8mm:全長108mm
参考:JIS B 4648 : 2008
ネジ穴が潰れてしまうと簡単には復活できません。
あまりにもすぐ緩む場合は、強く締め付ける前に、バイク屋に相談することをおすすめします。
締め付けトルク (締め付ける力)
バイク用品メーカー「タナックス」が公表している締め付けトルク (締め付ける力)
ロックナット。
8mm:18N・m。
10mm:23N・m。
アダプター 。
8mm:18N・m。
10mm:23N・m。
締め付けトルクを計れる「トルクレンチ」という工具は、基本的に上からボルトにアクセスします。横からアクセスするミラー (ロックナット) には使えません。
特殊なトルクレンチを持っていない限り、ロックナットは感覚での締め付けとなります。
締め付け過ぎに注意してください。
カウリングミラーについて。

日本メーカーなら、メーカー・車種を問わず、互換性のある製品が主流です。
ただ、一部取り付けできない車種もあるので、「適合車種」を確認してください。
適合車種は、メーカー公式サイトではなく、Amazonなどの商品ページに書かれていることもあります。
公式サイトで適合車種が見当たらない場合は、ECモールの商品ページを確認してみてください。
有名メーカーのタナックスは適合車種をPDFファイルで公開しています。
タナックス:ミラー適合表。
社外カウリングミラーの注意点。
ミラーにウインカーが付いている車種は基本的に取り付け不可。ウインカーが内蔵されている特殊なタイプのミラーが必要です。
海外メーカーのバイクも取り付け出来ない車種が多めです。
カウリングミラーの取り付け。

主に「六角穴付きボルト」で取り付けます。
必要工具は「六角レンチ」
六角レンチのサイズ。
2.5mm、4mm、6mmがよく使われます。
たいてい六角レンチのセットに入っています。

六角レンチのセットは、8〜10本ぐらいのセットが主流。
「M6」などの記号は、ネジのギザギザ部分の直径を表しています。
六角レンチのサイズとは違うので注意してください。

ピッチは、ネジの山と山の間の長さです。
バーエンドミラーについて。

取り付け出来ない車種もそこそこあります。
必ず「適合車種」を確認してください。
適合車種は、メーカー公式サイトではなく、Amazonなどの商品ページに書かれていることもあります。
ECモールの商品ページも参考にしてください。
有名メーカーのタナックスは適合車種をPDFファイルで公開しています。
タナックス:ミラー適合表。
バーエンドミラーの種類についての説明もあります。
必要工具。
バーエンドがどのように取り付けられているかで必要工具は変わります。
主に、六角レンチ。ドライバー。プライヤーなどが必要です。
例。
・ハンドルバーの先端をドライバーを使って外す。
・プライヤーで先端部分を引き抜く。
・ミラーの取り付けに六角レンチを使う。
公式サイトから説明書が見れるなら、事前に取り付け方法を確認しておくことをおすすめします。
・純正ミラーに貼り付けるタイプのミラー。
もっと見える範囲を広くしたい等、見え方だけを変えたい場合に最適です。
※車種専用品です。適合車種を確認してください。
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