手と「指先」の冷えを緩和する電熱グローブについて。
どんなに良いグローブを使っていても「指先」の冷えはなかなか抑えられません。
でも、ハンドルカバーは付けたくないんだよね。
そんなあなたに電熱グローブ。
グリップヒーターは?
手の甲側が暖かくなる電熱グローブのほうが暖かさは上です。
※グローブの性能が同じぐらいの場合。
ただしグリップヒーターはバイクのバッテリーから給電する製品が多く、バッテリー残量を気にせず使用できます。
グローブも好きな製品が使えます。
グリップヒーターに関しては、こちらをご覧ください。
なんと自然な宣伝なんでしょう。
そうかなぁ・・・
最初に知っておきたい注意点。
コミネ EK-215 デュアルヒートプロテクトエレクトリックグローブ KOMINE 08-215 バイク 電熱グローブ 秋冬 スマホ対応 スポーティー
知ってる情報は飛ばして下さい。
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低温やけど。
44度~60度の温度に長時間触れていると低温やけどになる可能性があります。
しかも気付きにくく、知らないうちに火傷になっていたりします。
症状は 3段階で4つ。
2度(深い)と3度は、傷跡が残ります。
- 1度:軽い痛み。赤み。
- 2度(浅い):強い痛み。水ぶくれ。
- 2度(深い):弱い痛み。水ぶくれ。
- 3度:痛み無し。黒や白に変色。
製品安全協会(SG)の実験データによると、やけどの症状1度が出るまでの時間は、
44度:3時間20分。
46度:47分。
50度:2分45秒。
やけどの症状2度が出るまでの時間は、
44度:6時間30分。
46度:1時間30分。
50度:5分25秒。
参考リンク:低温やけどについて – 製品安全協会。 PDFファイルです。
やけどの症状が出たら、10分~30分ほど水で流して冷やし、すぐに病院へ行って下さい。
見た目から軽いと思っても、時間が経つにつれて酷くなっていくことがよくあるようです。
水ぶくれは潰すと跡が残ることがあります。自分で潰さないようにして下さい。
低温やけどにならないために。
- 長時間連続で使用しない。
- 高温は短時間にする。
といった対策を取りましょう。
特に、グローブの下に付ける薄い「インナーグローブ」タイプの電熱グローブは低温やけどになりやすいので注意して下さい。
寒い時期のツーリングでは多めに休憩をするなど、高い温度で長時間使うのはやめましょう。
断線。
電熱グローブについて調べると「断線」報告が複数見つかります。
電熱線よりコードの断線が目立ちます。
コード類は動かしたり引っ張ったりすればするほど断線の可能性が上がります。
- グリップを握って動かす。(アクセル)
- ヘルメットのシールド開閉などで手を動かす。
- コードが邪魔にならないように、また目立たなくする為に窮屈な配置になりがちで、脱着の際に引っ張られる。
上記のように電熱グローブは断線しやすい要素が沢山あります。
なるべく丁寧に扱いましょう。
特に、グローブの下に付ける薄い「インナーグローブ」タイプの電熱グローブは断線したり破れたりすると火傷の危険もあるので丁寧に扱って下さい。
消費電力。
電熱グローブなど電熱製品は消費電力が高めです。
対して、小排気量のバイクは発電量が低めです。
小排気量バイクのバッテリーに電熱製品や複数の電子機器を接続すると、発電量が追い付かない可能性があります。
小排気量のバイクには、モバイルバッテリーで給電する電熱グローブがおすすめ。
小排気量バイクのバッテリーに接続するなら、温度調節機能がある製品にして、高温で長時間使うのは避けるようにしましょう。
持続時間の表示。
電熱グローブは消費電力が高いので、モバイルバッテリーを使用するタイプは持続時間をよく見ておくようにして下さい。
電熱グローブの多くは、何段階かの温度調節が可能です。
「最大~時間」といった表示は、だいたい一番低い温度での持続時間です。
・だいたいの目安。
最高温度で1~3時間ほど。
最低温度で6~8時間ほど。
※あくまで目安です。商品説明や仕様を確認して下さい。
種類。
給電方法は主に4種類。
用途別で3種類。
- バイクのバッテリーを使用。
- メーカー独自のモバイルバッテリーを使用。
- 汎用のモバイルバッテリーを使用。
※対応製品は少なめ。 - 乾電池を使用。
※かなり少ない。
- 通常の冬用グローブ型。
- 冬用グローブの下に付けるインナーグローブ型。
- いちおうバイクでも使えそうな電熱グローブ。
順番に説明していきます。
バイクのバッテリーから給電。
コミネ EK-201 プロテクトエレクトリックグローブ12V KOMINE 08-201 バイク 電熱グローブ 2023年新色追加
主に2種類。
- バイクのバッテリーに接続。
- シガーソケットに接続。
USBに接続ではなく、シガーソケットなの?
電熱グローブは消費電力が高めです。
一般的にバイク用USB電源よりシガーソケットのほうが出力が高いので、消費電力の多い機器はシガーソケットを使うのが基本です。
シガーソケット専用のコード(シガープラグ付きコード)がオプションで用意されている製品もあります。
バイクのバッテリーに接続。
接続の手順。
※製品によって多少の違いがあります。
※接続コードは別売りの場合があります。
- 1.バッテリーのプラス端子とマイナス端子に接続コードを繋ぐ。
ショート回避の為に、外すときはマイナス端子から。
繋ぐときはプラス端子から。 - 2.シートの隙間などから接続コードの先を出す。
- 3.延長用の接続コードをジャケットの中から腕に入れて袖から出す。
コードの反対側はジャケット下部(腰の横、後ろあたり)へ。
- 4.シートの隙間から出したコードと、(ジャケット下部の)延長用コードを接続。
- 5.グローブに付いているコードと袖から出したコードを接続。
コード同士の接続は脱着可能なプラグやコネクターで行います。
バッテリーが「シート下」以外の場所に入ってる車種は、コードを出す為の加工が必要になるかもしれません。
事前にチェックして、難しそうならバイク屋に相談して下さい。
ジャケット内のコードはタグに固定したり、小さいベルトを縫いつけたりして動かないようにすると着用時の違和感が減り、コネクターが外れにくくなります。
断線の可能性も減ります。
コードを通す前提で、通すルートが設けられているジャケットもあります。
・メリット。
バイクのバッテリーが弱っていない限り、バッテリー切れの心配がない。
モバイルバッテリー付属より少し軽く少しかさ張らない。
・デメリット。
乗り降りの度にコードの付け外しが必要。
ジャケット内のコードが邪魔に感じるかも。
シガーソケットに接続。
オプションで「シガープラグ付きのコード」があれば、シガーソケットに差し込んでグローブと接続するだけです。
コードの先がUSB接続用なら、シガーソケットにUSB変換用の「シガーチャージャー」を付けてそこに接続します。
グローブとの接続は脱着可能なプラグやコネクターで行います。
コードが余って邪魔な場合は、コードをまとめるベルトなどで まとめて下さい。
バイクにシガーソケットを取り付けたい方は、こちらの記事の「シガーソケット」「取り付け方」を参考にして下さい。
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・振動対策。
シガーソケットに差したプラグやシガーチャージャーは振動で外れるおそれがあります。
- 輪ゴム、ヘアゴムなどで固定する。
- シガーソケットを上向きに付ける。
外れてしまう場合は、これらの方法を参考に対策して下さい。
バイクのバッテリーから給電するタイプは、長距離ツーリングなど長時間バイクに乗る人に向いています。
メーカー独自のモバイルバッテリーで給電。
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いちばん多いパターンです。
電熱グローブは消費電力が高めなので、販売メーカーがグローブ専用の高出力モバイルバッテリーを用意しています。
バッテリーは、付属する場合と別売の場合があります。
商品説明をよく見るようにして下さい。
バッテリーの収納場所。
手首が長めのグローブは、だいたい手首部分にバッテリー収納用のポケットが付いています。
グローブ側のコードとバッテリー側のコードを繋いで、ポケットに収納するという形です。
手首の下の内側など雨でも濡れにくい工夫がされている製品は、通勤通学など雨の日も乗る人におすすめです。
手首が短めのグローブ(ショートグローブ)は、ジャケットのポケットやタンクバッグ、ハンドルポーチなどにバッテリーを入れての運用となります。
コードをなるべく露出させたくないなら、ジャケットの内ポケットに入れて、袖にコードを通す形になります。
コードを袖に通すことを前提とした作りの製品もあります。
バッテリーの持ち時間。
電熱グローブの多くは、何段階かの温度調節が可能です。
「最大~時間」といった表示は、だいたい最低温度での持続時間です。
・だいたいの目安。
最高温度で1~3時間ほど。
最低温度で6~8時間ほど。
※製品によってかなりの違いがあります。
※バッテリーの経年劣化で持ち時間は短くなっていきます。
モバイルバッテリーで給電するタイプは、街乗り・短距離ツーリングなど短時間の使用が大前提となります。
長時間の使用では、スイッチオフの時間を作るなど計画的な運用が求められます。
モバイルバッテリーを複数用意しておく。という対策方法もあります。
ただしモバイルバッテリーのみは買えないメーカーもあります。
市販のモバイルバッテリー、乾電池で給電。
文字通り、市販のモバイルバッテリーに繋ぐことが出来たり、乾電池で使用できるタイプです。
一般的に汎用のモバイルバッテリーは、メーカー独自のバッテリーより安価で入手できます。
・注意点。
モバイルバッテリーの出力が低いと性能を十分に発揮できません。
容量が少ないと長時間の使用が出来ません。
乾電池は長年使うとコスパが悪くなります。
対応製品が少なく、色々な製品と比較は出来ません。
汎用のモバイルバッテリーは安くて入手しやすいので、複数用意するのも簡単です。
冬用グローブ型。
冬用のグローブにヒーター(電熱線)を仕込んだタイプです。
様々なメーカーから発売されていますが、操作性を重視するなら「有名バイク用品メーカー」のグローブがおすすめです。
- RSタイチ。
- コミネ。
- Heatech。(ヒーテック)
- PLOT。
- 山城。
- Warm & Safe。(ウォーム&セーフ)
- GERBING。(ガービング)
・スマホ操作。
グローブを付けたままスマホの操作が出来る「タッチパネル対応」の製品が増えてきています。
人差し指と親指が対応している製品が多い中、全ての指がタッチパネル対応という製品もあります。
冬用グローブは分厚くてゴツいので、すごく細かい操作は難しいです。
・温度調節。
だいたい 3段階以上の温度調節が可能です。
※電熱グローブは消費電力が高く、ずっと高温だとバッテリーの持続時間はかなり短くなります。
インナーグローブ型。
コミネ EK-204 ヒートインナーグローブ12V KOMINE 08-204 バイク 電熱グローブ
通常の冬用グローブの下に付けるタイプです。
冬用グローブより薄いので、暖かさが伝わりやすいという利点があります。
・温度調節。
冬用グローブ型と同じく、だいたい温度調節機能は付いています。
・スマホ対応。
薄いので特別な生地を使わなくてもスマホ操作が出来たりします。
ほとんどの製品がタッチパネル対応です。
上側に付ける冬用グローブが対応していないと、上のグローブだけは外す必要があります。
注意点。
・インナーグローブとしては分厚い。
電熱線が入っていることで、ある程度の厚みがあります。
「お気に入りのグローブが使える」といった説明をよく見ますが、ワンサイズ大きめのグローブにしないとキツくて指が動かしにくくなります。
・冬用グローブタイプより壊れやすい。
薄いので雑に着脱すると生地が破れるおそれがあります。
もし電熱線が露出してしまうと火傷するおそれもあります。
丁寧に扱って下さい。
バイクにも使えそうな電熱グローブ。
商品説明に「バイクに乗るときに」などと書かれているけど、どう見てもバイク専用ではないグローブ。
ハンドルカバーとの併用で使えそうな製品、スクーターで短時間のチョイ乗りなどに使えなくもない製品がいくつか見つかります。
注目してほしいポイント。
・グリップを握ったときに突っ張らない形状。
最低でも、最初から指を軽く曲げた形になっていないと突っ張ります。
・手のひら側に滑り止め。もしくは滑りにくい素材。
滑り止めが無いと、アクセル操作に支障が出ます。
レバー操作も滑ってしまうと余計に力が必要となります。
・手のひら側に頑丈な素材。もしくは補強。
アクセル(グリップ)、レバー操作で触れる場所が頑丈でないと寿命が短くなる可能性があります。
電熱グローブは老舗バイク用品メーカーからはあまり発売されておらず、バイク関連ではあまり聞かないメーカーでも評判の良い製品があります。
レビューや商品詳細はこちらからご覧ください。
いちおうグローブ全体のランキングも載せておきます。寒い時期のランキングでは電熱グローブも出てきます。
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所長から一言。
モバイルバッテリー使用タイプは持続時間に注意。
バッテリーは別売りか付属かも要チェック。
バイクのバッテリー使用タイプは消費電力に注意。
小排気量のバイクは発電が追い付かない可能性があるよ。