バイクでのツーリング中に眠気を感じたことはありませんか?
単調な道が続くと、どうしても眠くなるんだよね。
眠さで判断力が鈍っているのか、
多少眠くても ついついそのまま走り続けてしまいがち。
しかし、
そのまま走っていると、どんどん眠くなっていき・・・
・・・はっ!
(数秒間)寝てた!
なんてことに。
眠気を感じたら、止まれそうな場所で すぐに止まりましょう。
でも、高速道路など、すぐに止まれない道もあるよ。
そこで今回は、バイクに乗っているときの眠気覚ましの方法と、バイクに乗る前や休憩中の対策法を紹介します。
眠気覚まし方法 リスト。
運転中の眠気覚まし。
- 深呼吸。
- 顔に走行風を当てる。
- 安全な範囲で体を動かす。
- ガムを噛む、ミント系の飴を食べる。
- 歌う。
バイクに乗る前や休憩中の眠気覚まし。
- 小まめに休憩をとる。
- 歩く。
- カフェインを適切に摂取する。
- 水分補給。
- 目を閉じる。
- 仮眠をとる。
- 出発前に軽い運動やストレッチを行う。
- 前日の睡眠をしっかりとる。
詳しい内容は後ほど紹介します。
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なぜ運転中に眠気を感じるのか?眠気の原因とそのメカニズム。
バイク運転中に眠気を感じることは、多くのライダーが経験する悩みです。
特に長距離ツーリングや、夜間の運転では、その危険性が増します。
ここでは、バイクの運転中に眠気を引き起こす主な原因と、そのメカニズムについて解説します。
運転による疲労。
バイクの運転は、車と比べて体力を使うため、体全体が疲れやすくなります。
風を受けながらバランスを保ち、常に体を支え続けるため、知らず知らずのうちにエネルギーを消耗します。
疲労が溜まると眠気が出やすくなります。
単調な景色と集中力の低下。
長時間同じような景色が続く道や高速道路を走行していると、単調な視覚刺激が脳に影響を与えます。
これは「高速道路催眠現象(ハイウェイ・ヒプノーシス)」と呼ばれる現象で、同じ風景が続くことで意識がぼんやりし、注意力が低下していきます。
結果として、脳がリラックスモードに入り、眠気を引き起こしてしまいます。
振動の影響。
単調な低周波の振動がリズムを作り出し、脳が安定した環境と認識してリラックスしてしまうことがあります。
オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学の研究により、同じような低周波の振動が15分以上続くと、眠たくなってくることが分かっています。
食後の血糖値の変動。
ツーリング中に食事を取った後、血糖値が上昇し、その後 降下します。
この血糖値の変動は、体がエネルギーを消費する過程で起こり、血糖値が下がるタイミングで急激な眠気を感じる原因となります。
特に重い食事や甘いものを多く摂取した後は、この現象が顕著になります。
体内時計による眠くなる時間帯。
人間の眠気の強弱には一定の周期が有り、3つのパターンが知られています。
- サーカディアンリズム(概日リズム)
24時間周期
- サーカセミディアンリズム(半概日リズム)
12時間周期
- ウルトラディアンリズム(超日リズム)
2時間周期
これら 3つの組み合わせにより、特に眠たくなる時間帯が分かっています。
起きてから 6時間〜8時間後。
起きてから 18時間〜20時間後。
朝 7時〜8時ごろに起きると、昼過ぎに強い睡魔がおそってきます。
昼食後は、ひとつ上の「食後の血糖値の変動」と合わさる為、特に注意が必要です。
※人間の体は自然と眠気を感じるリズムを持っていますが、夜遅くや早朝のツーリングでは、体内時計が崩れ、通常とは違う時間帯でも眠気を感じることがあります。
・参考文献。
眠気の日内変動モデル ―ウルトラディアン振動体と概日振動体―:北海道大学教育学部, 沼津市立大平中学校, 田村 聖, 北海道大学教育学研究院, 松浦 倫子, 北海道大学教育学部, 北村 航輝, 北海道大学教育学研究院, 北海道大学脳科学教育研究センター, 山仲 勇二郎
運転前の睡眠時間と事故等との関連:厚生労働省
長時間運転時の疲労による眠気に対する短時間仮眠の効果の検証: 小林 寛己, 指導教員 河野 和宏
居眠り運転に関する交通事故統計データの分析:栗山 あずさ, 大 谷 亮
高速道路での居眠り運転防止に向けた効果的な対策に関する調査研究:公益財団法人 高速道路調査会, 研究部 村崎 慎一
居眠り運転発生の生理的メカニズム:林 光緖
バイク運転中の眠気を覚ます方法。
- 深呼吸。
- 顔に走行風を当てる。
- 安全な範囲で体を動かす。
- ガムを噛む、ミント系の飴を食べる。
- 歌う。
順番に説明していきます。
深呼吸。
脳に送られる酸素が少なくなると、眠気が生じる為、深呼吸を行って脳を活性化させます。
また、眠くなってくると呼吸間隔が長くなります。
(くつろいでリラックスしている時は、ゆったり呼吸している。というイメージでしょうか)
呼吸間隔を早くする(通常の呼吸間隔にする)ことでも、眠気を抑制できます。
よって、深呼吸をした後で、意識的に通常の呼吸間隔に戻すと、より効果的です。
深呼吸と通常の呼吸間隔は個人的にも効果を感じる方法です。
初回投稿(2024年10月)時点では、運転中の眠気覚ましで「深呼吸」について書かれたサイトは ほぼありませんが、簡単で確実に実行できる対策法なので、ぜひ試してみてください。
・参考文献。
ドライバの呼吸の変化と眠気との関係:伊藤 潤, 小栗 宏次
顔に走行風を当てる。
※シールド(顔の前の透明パーツ)付きのヘルメットで行える対策です。
顔や首元に冷たい風を当てるのも即効性のある眠気覚ましの一つです。
ヘルメットのシールドを上げて、空気に当たることで体温を下げ、眠気が抑えられます。
夏場の暑い日や、暖かい装備をしている場合、体温が上がることで眠気を感じやすくなるため、冷却効果は非常に有効です。
寒冷地でも、走行中にバイクの風を適度に取り入れることは効果的です。
※高速道路では、徐々に様子を見ながらシールドを開けていきましょう。
一気に全開にしてしまうと、風で頭が振られるおそれがあります。
フルフェイスのヘルメットを使っている場合、「深呼吸」をする前にシールドを開けると より効果的です。
安全な範囲で体を動かす。
座る位置を変えたり、
首を左右に傾けたり、
肩を上下に動かしたり、無理のない範囲で体を動かします。
ダラダラ行うとあまり効果を感じません。※経験談。
深呼吸や、シールドを開けて、ある程度リフレッシュしてから行うのがおすすめ。
ガムを噛む、ミント系の飴を食べる。
ガムを噛むことやミント系の飴を舐めるのは、簡単かつ手軽にできる眠気対策です。
口を動かすことで脳が活動状態に入り、集中力を保ちやすくなります。
また、ミントの清涼感は眠気を吹き飛ばし、頭をすっきりさせる効果があります。
カフェイン入りのガムや、強力なミント味の飴を利用すると、さらに効果的です。
お腹いっぱいまで食べてしまった昼食後など、眠くなる可能性が高いときは、あらかじめガムや飴を口に入れてから出発しましょう。
歌う。
人は、受け身の状況が続くと眠くなります。
自分から動く能動的な行動を取ることで、眠気を抑えることができます。
音楽を ただ聴くのではなく、歌うことで眠気覚ましの効果が期待できます。
同じようなジャンルの歌を歌っていると、脳が慣れていって刺激が得られにくくなっていきます。
違うジャンル、違う雰囲気の歌を歌うのがより効果的です。
バイクに乗る前や休憩時に行う対策。
即効性がある方法や、出発前に行う対策、簡単に実践できる方法などを紹介。
- 小まめに休憩をとる。
- 歩く。
- カフェインを適切に摂取する。
- 水分補給。
- 目を閉じる。
- 仮眠をとる。
- 出発前に軽い運動やストレッチを行う。
- 前日の睡眠をしっかりとる。
順番に説明していきます。
こまめに休憩を取る。
最も効果的な眠気対策の一つが、定期的に休憩を取ることです。
運転に集中し続けると、脳や体が疲労し、自然と眠気が出やすくなります。
出来れば 1時間ごとに休憩を取り、体をリフレッシュしましょう。
休憩中に軽いストレッチを行い、血流を促進することで、疲労感が軽減され、眠気も和らぎます。
・午前中に出発。
・夕方や夜に帰宅。
という一般的なツーリングの場合、昼食後が特に眠たくなりやすいです。
昼食後に長めの休憩をとる。
又は、昼食後の次の休憩は早めにとるのがおすすめです。
歩く。
歩いてトイレに行くなど、ちょっと動くだけでも眠気は緩和されます。
交感神経を刺激する行動が眠気覚ましに効果的で、「立ち上がる」「歩く」という行動は沢山の筋肉を緊張させることが出来、交感神経が刺激されて眠気を抑える効果が期待できます。
軽い眠気なら、バイクから降りる。ヘルメットを外す。グローブを外す。とやっている内に眠気が無くなることもあります。※経験談
・参考文献。
昼間における一番効果的な眠気覚ましの方法:保健班, 橋山 杏梨, 東根 緑香, 眞辺 歩果
カフェインを適切に摂取する。
カフェインは、眠気を感じたときに効果的な目覚ましアイテムです。コーヒーやエナジードリンク、カフェインの錠剤を飲むことで、カフェインが脳に作用し、覚醒効果をもたらします。
ただし、カフェインが効果を発揮するまでには15〜30分ほどかかるため、飲んだ後すぐに効果が出ないことを理解しておく必要があります。
早めに休憩を取り、カフェインを摂取しながら体を休めると良いでしょう。
カフェインの過剰摂取に注意。
中枢神経系が強く刺激され、
・めまい。
・心拍数の増加。
・興奮。
・不安。
・震え。
・不眠。
が起こる可能性があります。
参考:農林水産省 →消費・安全→リスク管理→農林水産省が優先的にリスク管理を行う対象外の危害要因についての情報→カフェインの過剰摂取について
水分補給。
意外と見落としがちですが、水分不足も眠気の原因となることがあります。
運転中に風や日差しを浴び続けると、気づかぬうちに体内の水分が失われ、脱水状態に近づくことがあります。
これにより、脳の働きが鈍り、眠気やだるさを感じることが多くなります。
こまめに水やスポーツドリンクで水分補給をすることで、眠気を防ぐだけでなく、集中力の維持にも役立ちます。
目を閉じる。
目を閉じると入ってくる情報の80パーセントが遮断され、脳を休めることが出来ます。
数分間(さいあく 1分でもいいので)目を閉じることで疲労回復の効果が見込めます。
すごく眠いときに目を閉じると、そのまま寝てしまいそう。
歩いたり、ストレッチをした後で、目を閉じて休むのがおすすめ。
仮眠をとる。
「仮眠をとる」というのは、眠気覚ましに とても効果がある対策法のひとつです。
車だと車内で仮眠をとれるけど、バイクでは なかなか難しいよね。
実は、机に突っ伏したような姿勢で寝ても効果は得られることが分かっています。
もし、仮眠が可能なら、15〜20分ほど仮眠をとりましょう。
30分以上になると、本格的に眠りに入ってしまって起きにくくなる為、スマホのアラームをセットしておくことをおすすめします。
・参考文献。
自己覚醒法による短時間仮眠後の睡眠慣性抑制効果:広島大学, 甲斐 田幸佐, 入戸 野宏, 林 光緒, 堀 忠雄
短時間の昼寝が日中の眠気に与える影響―大学 1 年生を対象とした調査―:宮崎 伸一
うつ伏せ姿勢による昼休みの短時間仮眠の効果について:若島恵介, 辛島光彦
出発前に軽い運動やストレッチを行う。
ツーリングの出発前に軽い運動やストレッチを行うことも、眠気を予防する有効な習慣です。
簡単な運動やストレッチを行うことで、血行が促進され、体が活性化します。
これにより、体が「動き始めた」と感じ、目覚め効果を得られます。
特に朝早い時間帯や長距離ツーリングの前には、身体をほぐしてから出発することが重要です。
前日の睡眠をしっかり取る。
ツーリング前日にしっかりと睡眠を取ることは、最も基本的で効果的な眠気予防策です。
睡眠不足は反応速度の低下や集中力の欠如を引き起こし、ツーリング中の事故リスクを高めます。
前日は早めに寝て、なるべく 7〜8時間の睡眠を確保することで、体力が回復し、翌日のツーリングに備えられます。
また、寝る前にスマホやテレビを見続けると睡眠の質が下がるため、リラックスした状態で眠りにつくことを心がけてください。
睡眠時間をしっかり取れなかった場合は、その他の対策を行いつつ、「予定よりも休憩を多くする」など、出来るだけ無理をしないようにしましょう。
バイクツーリング中に役立つ!おすすめの眠気覚ましグッズ。
バイクツーリング中に眠気を感じた時、すぐに使える眠気覚ましグッズは非常に便利です。
ここでは、ライダーに特化した、おすすめの眠気覚ましグッズ紹介します。
カフェイン入りガム
眠気対策として効果的なのが、カフェイン入りガムです。
飴やタブレットと違い「噛む」ことで口を動かし、脳を活性化させる効果も得られます。
一般道なら、停止して取り出してすぐに噛むことができるため、手軽さと即効性が魅力です。
また、15〜30分後にはカフェインの眠気覚まし効果も期待できます。
ポケットに入れる場合は、コンパクトで持ち運びしやすいタイプ。
バッグに入れるなら、取り出しやすさを重視したタイプがおすすめです。
栄養ドリンク。
長時間のツーリングで眠気だけでなく「疲労」も気になる時に頼りになるのが、栄養ドリンクです。
栄養ドリンクにはタウリンやカフェインが含まれており、即効でエネルギーを補給し、更に眠気を緩和する効果があります。
休憩中に飲むことで、次のライディングに備えられるでしょう。
ただし、大量に摂取すると逆効果になる場合もあるので、適量を守ることが大切です。
※栄養ドリンクとエナジードリンク。
レッドブルなどの「エナジードリンク」には、基本的に「タウリン」は入っていません。
エナジードリンクには「カフェイン」が入っていない製品もある為、成分表をよく確認してください。
カフェイン錠剤。
カフェインは中枢神経に刺激を与え、眠気を覚ましたり、集中力を上げたりする効果があります。
カフェインを含んだ飲み物としてコーヒーが有名ですが、苦手な人もいるでしょう。
また、カフェインには利尿作用がある為、コーヒー(水分)を控えたい場合にも錠剤が有効です。
ツーリング時、自分に合ったグッズを持っておくことで、眠気を感じた際にすぐに対処でき、安全なライディングを続けることができます。
ぜひこれらのグッズを活用して、快適で安全なツーリングを楽しんでください。
まとめ。
ツーリング中に眠気を感じると、反応が鈍くなり集中力が低下するため、事故のリスクが格段に高まります。
眠気による事故を防ぐためには、事前の準備や走行中の警戒心が重要です。
運転前の体調管理と十分な睡眠。
眠気による事故を防ぐための最も基本的な対策は、運転前に十分な睡眠を取ることです。
睡眠不足は集中力を低下させ、反射神経にも悪影響を与えます。
特にツーリングの前日は7〜8時間の睡眠を確保し、疲労を最小限に抑えましょう。
また、朝早く出発する場合でも、前日から十分な休息を取っておくことが大切です。
こまめな休憩を計画的に取る。
長時間走行すると、体力が消耗し、知らぬ間に眠気が出てくることがあります。
そのため、こまめな休憩を計画的に取り入れることが事故防止につながります。
理想的には 1時間ごとに休憩を取り、体をリフレッシュしましょう。
休憩中には軽い運動やストレッチをして血流を促進させ、眠気を取り除くことも有効です。
警戒ポイント:長い直線道路や単調な景色。
眠気を感じやすい場面の一つは、長い直線道路や単調な景色が続く場合です。
このような状況では、視覚的な刺激が少なく、脳がリラックス状態に入りやすいため、眠気が生じる可能性が高まります。
長い高速道路や田舎道などは特に注意が必要です。
このような状況では、音楽を聴いて歌ったり、体を動かしたり、意識的に視線を動かしたりして、脳を活性化させる工夫をしましょう。
眠気防止の工夫を取り入れる。
眠気を感じた際には、事前に準備しておいた眠気防止のグッズや方法を活用しましょう。
例えば、カフェイン入りの飲み物を飲んだり、ミント系のガムやタブレットを噛んだりすることで、即効性のある目覚まし効果を得られます。
また、ヘルメットのシールドを開けて風を取り入れ、深呼吸をすることも有効です。
無理をせず早めに休む。
最後に、眠気を感じた場合は無理をせず、早めに休むことが最も重要な安全対策です。
軽い眠気の場合、ついつい「まだ大丈夫」と思って走り続けてしまいがちです。
しかし、判断力の低下や疲れからどんどん眠くなっていくおそれもあります。
走行中に眠気を感じたら、すぐに安全な場所に停車し、休息を取ることが必要です。
もし仮眠できるなら、短時間でも仮眠をとることで、脳がリフレッシュされ、眠気が改善されます。
無理に走り続けることは、事故につながるリスクが非常に高いので、必ず適切な休憩を心掛けましょう。
今回紹介した対策を実践することで、ツーリング中のリスクを最小限に抑え、安全に楽しいライディングを楽しむことができます。
眠気を甘く見ず、適切なタイミングで休憩や対策を講じることで、安全運転を心掛けましょう。
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