
トンネルが近付いてくると、ちょっと緊張しちゃうよね。

多くの人が、緊張感や圧迫感を感じて、「ついアクセルを緩めてしまう」というのは有名な話ですね。

緊張しているときに、予期せぬ事態が起こると、パニックになるかもしれません。

そこで今回は、トンネルで起こる様々な現象と、その対策方法を解説します。
トンネル以外での注意すべき現象は、こちらをご覧ください。
目次をクリック・タップで移動できます。
ブラックホール現象(ブラックフレーム現象)

晴れの日の昼間など、「明るい場所」から「暗いトンネル」に入った直後に、前が見えにくくなる現象です。

人間の目は、暗さに慣れるまで(暗順応)少し時間がかかります。
前走車が暗い色だった場合、見えなくなってしまうおそれがあります。
トンネル入口での減速。
トンネルの入口では、暗く狭い場所に入る圧迫感などから、無意識にアクセルを緩めて「減速」しがちです。
ブラックホール現象で前が見えにくいときに「前走車が減速」していると非常に危険です。
対処法
・トンネル入口で速度を落とす車両が多いことを予測しておき、車間距離を多めにとる。
・トンネルの入口付近での車線変更は避ける。
・サングラスをする場合は、事前にトンネル位置を調べておき、トンネルまでに外しておく。
・ヘルメットのシールド(顔の前の透明パーツ)が濃い色の場合、トンネル前でシールドを上げる。
※ただし、高速道路では走行風の影響が大きいので、シールドを上げて走行するのはあまりおすすめ出来ません。
薄い色のシールドにするか、サンバイザーのみ上げ下げできる「インナーサンバイザー付き」のヘルメットにしておくのが無難です。
後続車にも注意する。
ブラックホール現象は、自分以外にも起こり得る為、後続車との車間距離も確認しておく必要があります。
後続車が迫ってきたときは、軽くポンポンとブレーキペダルを踏んで、後続車に自分の存在を知らせます。
後続車との車間距離があまにも近いときは、左よりを走行して、バックミラーで後続車の動きを確認しつつ走行するのが良いでしょう。

バイクをジャマに思っている人もいるので、「左に寄ると追い越しをかけてくる車がいる」
ということも覚えておいて下さい。
ホワイトホール現象

日中、暗いトンネル内から、明るいトンネルの外に出たときに、眩しさで前が見えにくくなる現象です。
人間の目は、急に明るくなったとき、明るさに慣れるまでに(明順応)少し時間がかかります。
また、明るい色に更に明るい色を重ねると、形が識別できなくなることがあります。

トンネル出口付近で、前に車両がいるときは、要注意。
前走車が「白」や「銀色」だった場合、太陽光が当たって反射すると、見えなくなってしまうおそれがあります。
対処法
・車間距離を多めにとっておく。
・トンネルの出口付近での車線変更は避ける。
・濃い色のヘルメットシールドやインナーサンバイザーを上に上げていた場合、忘れずに元に戻す。
定期的に休憩をとって、目を休めておく。
目が疲れているとホワイトホール現象が起こりやすくなります。
運転中は、事故を起こさないように、様々な情報を目で確認して走行している為、目が疲れやすくなっています。

長いトンネルを走行することが分かっているときは、出来るだけ休憩をとるようにしましょう。
後続車への対策。
後続車がどんどん迫ってきたときは、自分が相手から見えていない可能性を考えて、軽くポンポンとブレーキペダルを踏んで、後続車に自分の存在を知らせます。
後続車との車間距離があまにも近いときは、左よりを走行して、バックミラーで後続車の動きを確認しつつ走行します。
※車の場合は、「ライトをすぐに消さず、トンネルを出た後もしばらく点けておく」といった対策もとれます。
視覚吸引作用

人間は、気になった物に目を向けてしまい、更にしばらく見続けてしまう。という特性があります。
そして、走行中は「見ているところへ進んで行く」という特性もあり、見続けた物に近寄って行きます。
トンネルに入ると、「壁」にぶつかる危険を感じて「壁」から離れようと無意識に動くことがあります。
真横(隣の車線)に車がいた場合、車に近寄って行くことになります。

その際に、思わず隣の車を見てしまうと、視覚吸引作用によって、隣の車にどんどん近寄って行ってしまいます。
逆に「壁」が気になって見続けてしまった場合、壁に近寄っていってしまいます。
対処法
気になった物を「しばらく見続けてしまう」ことがある。
ということを覚えておき、意識的に目線を前に戻す。
追従静止視界

前の車両ばかりを見つめて、同じスピードで走っていると、「止まっている」ように感じてしまう現象。

トンネルや夜間など、周りの景色があまり変わらないときに起こりやすい現象です。
前走車が減速したときに、反応が遅れるおそれがあります。
また、前走車がスピードを出し過ぎていたり、遅すぎた場合に気付かない可能性もあります。
流体刺激。
走行時、「周りの景色が後ろに流れていく様子」で速度感を得ること
景色が変わりにくいトンネル内は、もともと「速度感」を感じにくい為、より注意が必要です。
対処法。
・1ヶ所(前の車両)を見続けない。
・スピードメーターを定期的に確認する。
ヘルメットシールドの結露。
トンネルに入った直後、出た直後は温度差などによって「シールドが曇る」ことがあります。
主にフルフェイスヘルメットで起こる現象です。

画像:フルフェイスヘルメット。
顔の前の透明部分が「シールド」
対処法。
・ヘルメットのシールドを少しだけ開ける。
※高速道路では、走行風によってシールドが跳ね上がるおそれがあります。曇りがとれたらシールドは元に戻しましょう。
・曇りにくい「ピンロックシート」を使う。
シールドの内側に貼りつけることで曇りにくく出来るシートです。
ピンロックシートが付いていない(オプション設定がない)ヘルメットにも、汎用品のピンロックシートなら、たいてい取り付け可能です。
所長から一言(まとめ)

まずは、どのような現象が起こるか知っておくことでパニックに陥る可能性を減らせます。

落ち着いていれば、対処法を思い出しやすくなりますよ。
ブラックホール現象。
・車間距離を多めにとる。
・入口付近での車線変更は避ける。
・後続車にも気をつける。
ホワイトホール現象。
・車間距離を多めにとる。
・出口付近での車線変更は避ける。
・後続車にも気をつける。
・定期的に休憩をとって、目を休めておく。
視覚吸引作用。
・意識的に目線を前に戻す。
追従静止視界。
・前走車を見つめ続けない。
・定期的にスピードメーターを確認する。
ヘルメットシールドの結露。
・シールドを少し開ける。
・曇りにくい「ピンロックシート」を使う。
写真で一括査定、ネットで完結「KATIX」
詳細記事。
満期が近い方、任意保険を探している方、一括見積もりで色々な会社を比較できます。
SBIホールディングス株式会社が運営する、バイク保険一括見積もりの「インズウェブ」
見積もりは無料。
公式サイト:バイク保険一括見積もり
バイク保険の基礎知識は、こちらの記事をご覧ください。
今回の関連記事。別タブで開きます。